8月13日、東京・イイノホールにて、映画『小野寺の弟 小野寺の姉』の完成披露試写会が10月25日全国公開に先立ち催され、満場の観客を前に、出演者の向井理(小野寺進役)、片桐はいり(小野寺より子役)、及川光博、山本美月および西田征史監督が舞台挨拶を行った。舞台挨拶における向井理、片桐はいり二人の絶妙な掛け合いがスクリーンでどう展開されるか、公開が待ち遠しい。
さて、「長いのだか短いのだか分らないタイトルの長さの、すごく不思議な映画」(向井理談)の内容は・・・・
早くに両親を亡くしてから、一軒家でずっと一緒に暮らす、小野寺進(33歳)と小野寺より子(40歳)の姉弟。一汁三菜の朝食を一緒に食べ、休日はスーパーの特売に出かける。いい年頃なふたりのこんな生活は、端から見ればやや気のどくに映るかもしれないが、ふたりにとっては至って自然。ひたすら穏やかで和やかな日々を過ごしていた。そんな、ある日、小野寺家に1通の誤配送の郵便が届く。その手紙をきっかけに進とより子、それぞれの恋と人生が動き始める―。
お互いを大切に想い合う不器用な姉弟のそれぞれの幸せの行方は―。
そして、弟が抱える、ある大きな思いとは―。
なお、西田征史監督は、『怪物くん』『妖怪人間ベム』などの大ヒット作の脚本を務め、2012年には「日経エンタテインメント!」のヒット・メーカー・オブ・ザ・イヤーにおいて準グランプリを受賞。今回が映画としての初監督作品となる。
【舞台挨拶の模様】
■登壇者ひとりひとりの挨拶
向井:長いのだか短いのだか、分らないタイトルの長さの、すごく不思議な映画で、何もなさそうで、でも結構いろいろなことが起こる作品。僕としても何か撮影中は不思議な感覚で演技していて、あっという間に終わってしまったという感覚。公開が10月25日ということだが、初お披露目することができて(うれしい)。個人的ですがこの日が来たのだなという気持ちでいっぱい。西田さんとは何年も前から一緒に仕事をさせていただいていて、また呼んでいただき、初作品で共演できて幸せです。
片桐:弟は眼鏡をはずすとかっこいいのです。(向井君が眼鏡をはずすと)どっちも楽しんでいただければ幸いです(笑)。監督と向井さんとお会いしたのが5年くらい前になりまして、その頃からこんなことできたらいいねえと言ってから苦節5年。ハリウッド映画にも負けないくらいの準備期間を経て、今日この場所に立てて、世界の頂点に上り詰めたような気持ちです。(本作品では)不思議な、何が起こるでもない。いろいろ事件が起こるんですよね。いろんな気持ちのすれ違い、思いやりなんか、やり過ぎ、いろんなことがありながら、そういう気持ちのサスペンス?を楽しんでいただきたい。
いい人たちがいっぱい出てくるんですけれども、このクセのある方たちと共演させていただいて、とても不思議な映画になったと思います。たまたま今ここに表札が出ていて、おうちの前に立っている設定になっているんですが、「どうぞうちに上がってくつろいでいってください」みたいな、そんな感じの映画です。
山本:岡野薫役。普段はモデルとしてCanCamをやっているのですが、なかなかこういう服装をすることがなく、すごくゆるふわな役をもらえて、とてもうれしかったです。
ほんとにコミカルでおもしろいこの二人に支えられながら現場を楽しみながら、その作品ができたと思います。絵本のようなかわいらしい世界観なので、絵本を見るようにリラックスして楽しんでいただけたらと思います。
及川:浅野暁役。この作品に参加できて、本当によかった。普段、はいりさんと向井君は姉弟のように仲がいい。もう突っ込み合って、ボケあって、一生やってろ!(という感じ)ホント嫉妬するくらい仲良くて、(それが)スクリーンの中で溢れ出ている作品に仕上がっていると思います。そして、監督は乗りに乗っています。監督の幸運の波にボクちょっと乗ってみたいな。どこまでもささやかな日常風景を描きつつも、心の中はいつもアドベンチャー。そんな「小野寺弟 小野寺姉」よろしくお願いします。「小野寺いた?」なんて会話がこの秋、日本中を彷彿?することを祈ってます。
監督:このくらい(=4人の挨拶にあるように)色の濃い、大好きな役者さんに出ていただいた作品です。自分の書きたいものを込めた作品です。一般の方に見ていただくのは初めての機会でちょっとドキドキしているのですが・・。最後まで楽しんでいただければ幸いです。
■MCからの質疑応答
MC:次に、向井さんと片桐さんにお伺いししますが、構想を聞くと5年ですか?
向井: 5年前にこういう姉弟の話を書きたいと西田さんからおっしゃっていただいて
以外な組合せだなと思いつつ、そのとき片桐さんとは共演していた関係だったんです。
片桐:(その時は)好きだという設定で・・。好きでしたよ。
及川:もちろん一方通行です。
片桐:恋愛感情から姉としての気持ちに切り合えてみるのがずいぶん苦労しました。
それなりの時間は要しました。5年は必要でした。(笑)
MC:姉弟のキャラクタはどのようなことをイメージして作り上げようと思ったのですか?
向井:去年は舞台をやっていたので・・。小野寺の姉弟を舞台でやっていて、そのときいろいろ作り上げてきたものがあります。去年ははいりさんとよく会うなと思っていたので、、現場でああしようこうしようというのではなく、普段どおりのこの関係はスクリ-ンに乗っかったらおもしろいことになるだろうと思いながらやっていました。
片桐:(向井君は)普段いろいろな女性と共演されていらっしゃるでしょうけれど・・
向井:何がいいたいのですか?(笑)
片桐:その方たちとは違った向井理が見せられればいいなと思っております。
それが素敵な弟になったのですよ。それがうれしいな。ぜひそれを皆さんに楽しんでいただければいいなと思っております。
MC:お仕事一緒にされてお互いにどういった印象をお持ちですか?
向井:本当に尊敬する先輩でかつ女優さん。いろんな取材で言ってますが、間違いなく
冗談抜きに日本一のコメディアエンヌと思います。この作品でもほかの作品でも、これだけにじみ出てくる女優さんというのは、いるだけでおもしろい。コメディエンヌとしてすべてを備えている方だと思っていて、舞台中は背中を見て、舞台とはこういうものだということを教えられつつ去年は勉強させていただき、また、この現場で映画でお返しできたという思いでやらせていただきました。
及川:みな尊敬してますよ。はいりさんを尊敬していない人はいませんよ。(会場より大拍手)
片桐:生きていてよかったよ。(向井君のことは)ホントに1億人の弟みたいな感じ。たとえが変?私にも弟がいるのですが、ホントに理想の弟です。
MC:それぞれ皆さん個性的なキャラクタをお持ちですが、もし兄弟を持ちたいとしたら?
及川:弟にしたいナンバーワン・向井君。飲んで語らいたい。友達と連絡付かなかったとき、飲みに行こうぜ!
片桐:(向井君は)料理もうまいですよ。
及川:文句のつけようがないな。
向井:実際兄がいるので、小さい時から姉がほしいと思っていましたので、はいりさん!
こうやって共演して長い間姉弟という関係でやっていると舞台、映画連続してやっていると、おねえちゃんとして見るところがありますねえ。
無言でも居心地は悪くない。
片桐:弟としては堪能したので、兄としてほしいですね。兄として、持って帰りたい。何でもできるので便利。落ち着いているしね。
山本:上がほしい。姉でも兄でも、でも面倒見の良さで、より子さんがいいです。
監督:ボクもより子さんがほしいです。
■最後に、監督よりメッセージ
監督:自分は25歳くらいから舞台自作演出を始め、自分でオリジナルに拘って物語を作ってきました。映像の脚本を書くようになって、いきなりはオリジナルを書かせていただけないので、いろいろ経験を積んで、ようやくオリジナルを発表させていいただけるようになりました。それまで、怪物くん、妖怪人間ベム、TIGER & BUNNY など地球を救うという大きなスケールの作品を書いたので、急に家の中のちっちゃい話を書きたくなりまして、こういうみみっちい話を書きました。ボクの本当に大好きな豪華な俳優陣による、とても地味な話なんですが、ちょっとでも気に入ってくれたらお友達、家族の人にも、また知らない人にも宣伝してください。
「小野寺の弟 小野寺の姉」
10月25日(土)より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー!
原作:西田征史「小野寺の弟・小野寺の姉」(リンダ・パブリッシャーズ刊)
監督・脚本:西田征史
出演:向井理 片桐はいり 山本美月 ムロツヨシ 寿美菜子 木場勝己/麻生久美子 大森南朋/及川光博
製作:(C)2014『小野寺の弟・小野寺の姉』製作委員会
製作プロダクション:ROBOT
配給:ショウゲート