取材:記事・写真/RanRanEntertainment
映画『世界は今日から君のもの』、7月15日公開に先立ち、7月5日都内で完成披露上映会が行われ、主人公真実を演じた門脇麦、真実のバイト先に勤務する矢部を演じた三浦貴大、ひょんなことから真実と同居することになる恵利香を演じた比留川游、そして尾崎将也監督、主題歌「1995」を担当した藤原さくらの5名が登壇した。
この映画は、引っ込み思案で自分の世界に閉じこもってきた主人公・真美がどう自分のカラを破っていくかという物語。最近、漫画や小説の映画化か多い中、尾崎将也監督自らによるオリジナルストーリーである。「風変わりな女の子が主人公のコメディーを作りたいという思いがあって、門脇さんとTVドラマの仕事で一緒になったとき、この人でできるんじゃないか。『当て書き』というのはいろいろな解釈があるが、門脇さんを主役として考えたのは間違いないです」と、映画化の経緯を語った。
一方、門脇は「『当て書き』ですと言って、台本をいただいた。女版・尾崎さんだと思って、常に女版・監督を演じている気持ちでいました。歩き方、姿勢とか、尾崎さんの言うとおりに、ちょっと猫背になったり、手をぶらんとしながら歩いたり。気付いたら、尾崎さんみたいになっていました」と、撮影当時を思い出す。
尾崎監督は「主人公の真実は変な女の子なんです。変であることが魅力的でないといけない。ヒロインが魅力的ということ、かなり自信をもって皆さんに見ていただけると思います」。魅力的な変な女の子、女版・尾崎監督は必見、ほっと一息つける(門脇)映画である。
出演者3名(門脇、三浦、比留川)に対し、「それぞれ配役と似ているところは?」の質問に、
門脇「流行に興味がなかったり、こだわるこだわらないの差がものすごく激しいというところは(真実に)似ているなと思った。(内気で引き籠もりぎみな点)それは違いますね。結構アウトドアなので、出掛けたり、山登りが好きです。初めてお会いする人には緊張しますけど、自分のこととかべらべらしゃべっちゃうので、家ではマシンガントーク。真実と似てないからこそ尾崎さんが描くキャラクターは、私タイプの女の子でかわいくて仕方がなくて、守ってあげたいなという気持ちを持ち続けて撮影していました」。
三浦「ゲームを作っている会社の社員の役。サラリーマンを経験していないので、普段どういうルーティンで暮らしているか分からなくて。真実の方が性格が近いから、真面目に働いて人を外に引っ張り出すようなメンタリティがボクにはないので、苦労しましたね。真実みたいな生活が送れたら最高だなと思いますけど(会場大爆笑)」。
比留川「恵利香は何でも思ったことを相手に伝えたり、何に対しても前向きに考える女性で、私はそこまで前向きではないので、「恵利香みたいなメンタリティがあったらいいなと思います」。
自分で作詞作曲した曲が映画で流れるという初めての経験をした藤原は「皆さんの演技がすばらしく、ひとりひとり前向きに生きているのを見て、私も明日から頑張ろうという気持ちになった。」とエールを送った。
「本映画のコピー『笑顔まで、あと少し』。皆さんにとって笑顔になれるものは?」の質問に対し、
門脇「おいしい食べ物。卵が好きなので、オムレツとか」。三浦「ボクも食べ物ですね。ヤキトリが好きなんですよ。しょっちゅう行くヤキトリ屋に、いつも一人で行ったら、お客さんとほとんど知り合いになってしまって。ヤキトリも食べれるし楽しい会話もできる。家にいるとすごく暗い。意識的に出掛けないと一言もしゃべらないので、いざ仕事場に行ってセリフを言おうとするとノドが・・(笑)」。比留川「私も食べ物です。私はお肉が好きなので、焼き肉屋さんに行きます。ラム肉が一番好きなのでジンギスカン食べに行ったり・・・」。藤原「私は、世界で一番牛タンが好きです。牛は見てもかわいいし、食べてもおいしいし、すごく素敵だなと思います」。結果、好きな食べ物発表(三浦)になってしまった。しかし、最後の尾崎監督は「ボクは食べ物にはこだわりがなくて。映画オタクなので、とりあえず映画を見ていればご機嫌です」と答えた。
MC「皆さんは人前に立つという仕事をしているので、カラを破った先輩だと思います。この映画は『ヒロインがカラを破っていく』というのがひとつのテーマ。自分のカラに閉じこもりがちな人たちへのアドバイスをお願いします」
門脇「私もカラを破れてないなと思います。カラって何を定義するのかが難しいところ。破っても破っても、次のカラが出てくると思うので、カラを破れてないことにコンプレックスを感じないこと。「カラやぶれてませんよ。何か?」みたいな。そうすれば、ちょっとだけ強くなれると思います」。
三浦「カラの破り方って難しいですね。カラってすごく大事な気がします。せっかくカラってものがあるので、ぶち破って出ていくのではなく、上だけチョッチョッとやって外に出て、カラをとっておいた方がいいですよ。だって、逃げ場がなくなるじゃないですか。逃げないとか、後ろ向きにならないとか、生活の中では必要ないみたいですから。カラはとっておいていただければいいと思います」。
この答えには門脇、比留川が絶賛、「本当に面白いですね。もう、大好きなんです」。
比留川「カラを破るというのは、変わりたいということですね。自分の中で物事を考えるのでなく、いろいろな人と知り合って、人の考えを聞くことで自分の中の世界観が変わるのかなと思います。
藤原「私自身小学生の頃から、人前で歌うことが夢だったんですけど、父の友人が家に来て『歌ってよ』と言われ、歌えなかったり。恥ずかしさが勝っちゃって。一歩踏み出してみるのが大事なことかと思います。挑戦というのは大事なこと」と、それぞれの実体験を元にした貴重なアドバイスを聞くことができた。このあと本映画が上映され、来場の方々はさらに満足されて帰宅されたことだろう。
映画『世界は今日から君のもの』
7月15日(土)渋谷シネパレスほか全国順次公開