取材:記事・写真/RanRanEntertainment
石丸幹二主演ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』の舞台稽古が10月4日(水)都内で行われ、ヒロイン・マルグリット役の安蘭けい、敵役・ショーヴランを務める石井一孝、演出の石丸さち子氏が囲み取材に応じた。
石井一孝・石丸幹二・安蘭けい
石丸幹二主演ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』の舞台稽古が10月4日(水)都内で行われ、ヒロイン・マルグリット役の安蘭けい、敵役・ショーヴランを務める石井一孝、演出の石丸さち子氏が囲み取材に応じた。
『スカーレット・ピンパーネル』―イギリスの作家バロネス・オルツィの小説「The Scarlet Pimpernel」(「紅はこべ」)を原作とするこのミュージカルは、ブロードウェイで初演される以前から「紅はこべ」の名で宝塚歌劇団が上演するなど、華麗にしてドラマティックな物語に日本では根強いファンが多い。1997年に世界のヒットメーカー、フランク・ワイルドホーンの作曲で上演されたブロードウェイ版のミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』を昨年秋、ワイルドホーンが書き下ろした新曲「新たな時代は今」「ここから先は」を加え新バージョンとして日本で世界初上演。チケットが入手困難となるほど大好評を博したミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』が主要キャストはそのままに、再演を望む熱い声に応えてこの秋ついに戻ってきた。
この日披露されたのは主演の石丸演じるパーシー・ブレイクニー、安蘭のマルグリット、石井のショーヴランが揃って高らかに歌い上げる「謎~疑いのダンス」。最後はコーラスが加わり大迫力でしめくくる華やかな一曲だ。石丸&石井の張りのあるテノール、力強くつややかな声で歌い上げる安蘭、この3人の声の饗演が見るものの心を震わせ、そして同時に心を躍らせる。石丸が「今のシーンは、本当に一年ぶりに突然やって、正直ここまでできるものなんだと感心した(笑)」と語る通り、全くブランクを感じさせない美しいハーモニーは見事の一言。たった一曲・4分48秒―それでもこの舞台を観たいと強く思わせるのは、曲の持つ力もさることながら、3人の俳優の魅力によるものが大きいのだろう。
宝塚歌劇団星組トップスター時代に同作でパーシーを演じた安蘭。「パーシーのセリフや歌を聞いていて、また懐かしい感情が蘇って「こういうのやってたな……でも私、今は女なんだなぁ。あの頃にはもう戻れないんだなと思いました」と笑いながらも男役時代を振り返って懐かしむ場面もあった。
カンパニーとして一年ぶりに再会した3人の関係は上々のようで、会見中、3人の仲の良さがあちこちで見られた。中でもムードメーカーの石井は「けいちゃん(マルグリット)は、元カノなんですよね、。だけどちょっと恐喝したり、揺さぶったりするから僕はずいぶん嫌われているんです。だけど一年たって僕は随分反省しました。マルグリットに好かれるような素敵な大人になろうと思っていろんなプランを考えてきたので(会場大爆笑)もしかしたら今回はパーシーじゃなくて僕を選んでくれるんじゃないかっていう淡い期待は抱いてます(笑)」と冗談を飛ばし、共演者と会場を沸かせていた。
演出の石丸氏が「『スカーレット・ピンパーネル』は本当に心躍るんですよ。ストレートプレイのようにお互いの心情を探り合うシーンもあれば、歌の力でグッと持っていくところもある。立ち回りもかっこいい」と舞台の魅力を語れば、安蘭も「凄く楽しいミュージカル。『炎の中へ』なんて聞いてたらピンパーネルの一団に入りたくなってすごく興奮するし見応えのある舞台だと改めて思いました」と請け合った。
主演の石丸は「去年見たくても(チケットが取れず)観られなかったお客様がいっぱいいたという声を聴きました。そういう方々にまず見ていただきたい。前回観てくださった方も、今年は変わっていますので、それをご自分の目で確かめていただきたいと思います」と再演を待ち望んでいたファンへのメッセージを贈った。
チケットが入手困難となるほど大好評を博した『スカーレット・ピンパーネル』。待望の再演は11月13日~15日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホール、11月20日~12月5日には東京・TBS赤坂ACTシアターで上演される。
公式HP http://www.umegei.com/the-scarlet-pimpernel/