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2018年4月15日 12:09

中村七之助、新作コクーン歌舞伎で立役 「先人たちが残してきた思いを腹に入れて」意気込み語る

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

1994年に十八世中村勘三郎(当時 勘九郎)と演出家・串田和美がタッグを組んで華々しく幕を開けた歌舞伎公演「コクーン歌舞伎」。古典歌舞伎の新たな読み直し、新しい解釈による演出を施した上演スタイルで演劇史上にその名を刻む。25年目となる2018年、第16弾公演となる『切られの与三』の上演が決定。4月13日(金)には制作発表が行われ、中村七之助、中村梅枝、演出の串田、補綴を担当する木ノ下裕一が登壇した。

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本作は、「切られ与三」「お富与三郎」の通称で親しまれる、1853年に江戸中村座で初演された『与話情浮名横櫛』を原作とした人気狂言。原作は、九幕十八場というとても長い芝居のため、現在では全幕上演されることがないが、今回のコクーン歌舞伎では、普段は上演されないすべての場面を洗い出し、再構築する。

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串田は、上演に至った経緯を「これまでの『コクーン歌舞伎』では、俳優さんから上演演目を定時してもらうことが多かったのですが、今回は僕から提案しました。随分前から(この演目を)やりたいと思っていたんです」と説明。そして、「実はこの演目は江戸時代に初演されてから今まで、書かれた通りにやったことは1回もないと言われています。(脚本として)捨てられたエピソードの中にも面白いものがある。そろそろ新しいものが(脚本が)あっていいと思います」と、本作への強い思いを語った。

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古典演目上演を行う「木ノ下歌舞伎」を主宰し、歌舞伎に造詣の深い木ノ下は、コクーン歌舞伎には今回が初参加。「戦々恐々としておりますが、非常に光栄に思います」と挨拶すると、「(コクーン歌舞伎は)古典に出てくる人物と自分たちが地続きで繋がっていて、触れることができることに、毎公演感動しています。そういうお芝居を作れるよう、死ぬ気で頑張ります」と意気込んだ。

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また、コクーン歌舞伎には、本作で11回目の参加となる七之助は、「私は(普段は)女形をやっておりますが、今回は立役です。不慣れではありますが、私なりにいい与三郎を演じられたらと思っています」とコメント。そして、「『コクーン歌舞伎』は父(故・十八世中村勘三郎)が残してくれた宝物の一つです」としみじみ語ると、「与三郎という役は、立役からするととてもやりたい役の一つだと思います。この作品の上演が発表されたとき、松本幸四郎さんと片岡愛之助さんが、楽屋に(すぐさま)飛び込んできて、『傷はこうやって書くんだよ』と教えてくれました(笑)。先人たちが残してきた思いは、腹に入れて演じたいと思います」と改めて決意を固めた。

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 一方、「コクーン歌舞伎」初参加の梅枝は、七之助演じる与三郎の相手となるお富役を演じる。梅枝は「不安とワクワクといろんな感情が入り混じっているところです」と本音を吐露すると、「女形の先輩である(七之助)兄さんが立役なので、兄さんの女形が見たかったと言われないように頑張っていきたいと思います」と意気込みを語った。

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コクーン歌舞伎 第16弾『切られの与三』は59日(水)〜31日(木)にBunkamuraシアターコクーンで上演。

 

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