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2011年9月3日 11:56

ノ・ミヌ 1st Fanmeeting & Live in JAPAN

記録的な猛暑もひと段落し、秋を思わせる風が吹き始めた2011年8月28日(日)午後、日本青年館大ホールはまた真夏に戻ったかのような熱気に包まれていた。会場を埋め尽くしたファンは今か今かとノ・ミヌの登場を待っているのだった。「ノ・ミヌ 1st Fanmeeting & Live in JAPAN」の幕が上がる。 2004年にTRAXのドラムス(Rose)としてデビューしたノ・ミヌ。X JAPANのYOSHIKIプロデュースでミュージシャンとして、日本デビューも果している。脱退後は『Story of wine』(2008)でスクリーンデビューをし、俳優への転身を遂げ、映画『霜花店』(2008)でも美少年親衛隊の一員を演じている。また、『パスタ~恋が出来るまで~』(MBC 2010)、『私の彼女は九尾狐』(SBS 2010)、『マイダス』(SBS 2011)などヒットドラマに立て続けに出演を果たし、俳優としての地位を確立してきている。ミュージシャンから俳優への完全なる転身ではなく、K-POPアイドル少女時代のメンバー、サニーのプロデュースなど音楽活動も継続しており、ミュージシャンとしての姿も健在である。俳優、ミュージシャンの二つの顔を持つノ・ミヌがこの日、日本ではじめてとなるファンミーティングを行なった。ビジュアルバンドのドラムスとしてノ・ミヌと出会ったファンも、『パスタ~恋が出来るまで~』でイケメンシェフ役を演じていた俳優としてノ・ミヌと出会ったファンも、日本で彼に会える、この時を心待ちにしていたに違いない。午後2時を少し過ぎたとき、その時は来た。ステージのスクリーンに日本でのファンミーティングを開くノ・ミヌを応援、祝福する、2AM、BEAST、INFINITE、T-araからの心温かい応援メッセージが流れた。続いて、ドラマ in ドラマとして『私の彼女は九尾狐』でのドンジュ先生のワンシーンが流れる。しかし、ノ・ミヌはまだ姿をファンの前に見せない。どうしたのだろうか?とファンがヤキモキしたとき、彼が出演する新しい映画『寄生霊』が撮影現場の映像も組み合わされて流れ出した。刑事役で血だらけになったシーンもあり、これまでとは少し違う雰囲気のノ・ミヌがそこにいた。けれども、まだノ・ミヌは登場しない。『Ore ga motto』という文字がスクリーンに浮かび上がり、ショートフィルムのような映像が流れる。ヴァンパイアの姿に扮したノ・ミヌがスクリーンに登場した。「よしあきさん。(会場からは笑いが起きる)・・・愛してる。俺はもっと愛している。・・・会いたかった。(みんなも)会いたかった?準備いい?show time!」とノ・ミヌの声が会場に響き渡った。そして、時を待っていたファンはその問いかけに悲鳴のような歓声で応える。「ネ~!(はい!)」と、私たちはもう準備万端!早く顔見せて!との意味も込めて。

体にビシビシ響くドラム、DJをバックにロッカー、ノ・ミヌのライブが始まった。グレーのTシャツにブラックジーンズにワークブーツ、それになんと電飾の光り輝くマントを纏り、オレンジのフェザーが付いたギターを手にし、バラのマイクスタンドの前に立つノ・ミヌ。まさにビジュアルバンドのボーカルとしてファンの前にやっと姿を現した。会場にはピンクのペンライトが激しく揺れる。「Sweet vanilla」(HYDE)でノ・ミヌとファンが一体になった。「会いたかったかい!会いたかったかい!(少し荒々しく)会いたかったです!今日は楽しんで(かわいらしく)くださ~い。」と完璧なる日本語で挨拶。「カツどん!カツどん!…カツどんが大好き!カツどんが食べたい!カツどん食べました。(笑)」と即興で会場をさらに盛り上げる。ボルテージが上がったファンに「Hello」(HYDE)披露したあと、ギターをはずして、おどける仕草も。ミュージシャンとしてみせる男性的な姿、それと打って変わって、おちゃらけたようなかわいらしい男の子の姿、そんな二面性もたまらない彼の魅力なのだろう。

続くトークショーでは彼のファンに対する思いがあふれた。「ハイ!ノ・ミヌです。いま…すごく水が飲みたくて…(笑)何年も前からファンミーティングもライブもやりたかったんです。今日は本当に幸せです。これまで、俳優としてのファンミーティングをもしてこなかったけど。出来れば、ライブも一緒にしたかったんです。(私ノ・ミヌならではのファンミーティングにしたくて)ヴァンパイアに扮して『Ore ga motto』という映像も今回のために作り上げたんです。どうだった?最高?最高?・・・俺、幸せだよ!ほんとうに!」とすべてを通訳なく、きれいな日本語でファンに直接語りかけるノ・ミヌ。そんな彼の彼ならではの趣向でファンを楽しませいたいという心意気にファンは感動だろう。

最新作の『寄生霊』では特殊メークが大変だったし、汗を流すのが好きで、毎日ジムに通っているのに刑事役なのに腹筋がなくってと、ちょっとした悩みも吐露したノ・ミヌ。写真集も期待するファンからは「(腹筋)見せて!」と声が飛ぶ。「見たい?」「見たい!」「本当に?」「本当に」「やだ~」「え~」と彼とファンとのやり取りのあと、チラッと、自慢!?の腹筋を披露。こんなやりとりもファンにとっては楽しいひと時だ。

「(これまで演じた役は)全部難しかったけど・・・、特に『私の彼女は九尾狐』のドンジュ先生は半分人間で半分ゴーストだったから理解できなくて、難しかったです。でも、いまならもっとうまく、おもしろく演じられるんじゃないかな。」と演技者としての真摯な姿勢も見せた。この日、集まってくれたファンに彼の感謝の気持ちを形にしたいとspecial eventが…。なんと、抽選で選ばれたファンに2ショット写真にピアノの弾き語りをプレゼント。2ショット写真では、まさか!?まさか!?えっ?ほんとうに?と会場にいたほかのファンは羨望のため息をつくしかなかっただろう。ハグで止まらず、おでこにキス!まで。会場のそこかしこから悲鳴が上がった。そして、エスコートをしてステージにファンを上げ、彼のいまの気持ちを表現しますとピアノを弾きだす。「○○ちゃん、本当にありがとう。ここまで来てくれて。○○ちゃんご飯食べた?いつか俺と一緒にカツどん食べよう!瞳を閉じて君を描くよ。それだけでいい。(平井堅 「瞳をとじて」の一節を)…俺がカツどん作ってあげる。」と自分の名前を呼びながら歌ってもらえるなんて、至福の時だったろう。それから会場に集まってくれたほかのファンのためにも、フォトタイムを設け、ステージの端から端まで、そして、会場全体に目を向ける気配りを見せた。ウルトラマンのシュッワッチ!も忘れずに。「ミヌだよ!」と声をかけながら。こんなお茶目さも彼の魅力の一つだ。ここで上がり過ぎたファンの熱を下げるためにもノ・ミヌは一旦退場する。K-POPとクラシックを融合させたバニラルーシーのライブ。別れた恋人の誕生日を一人で祝う「Happy Birthday」を聴きながら、ファンはノ・ミヌの再登場を待った。

さぁ、第2部のスタート。スクリーンにはノ・ミヌの自宅や今回のファンミーティングの打ち合わせ風景、写真撮影現場などを撮影したSelf camera映像が映し出された。「ハ~イ!みなさん、ミヌです。ミヌです。・・・どうですか?楽しいですか?1週間徹夜して、お肌が…。初めてのファンミーティングを楽しみにしています。うれしいです。愛しているよ。…皆さん私に力をください。夢で会いましょうね。somewhere over the rainbow・・・大好きです。大好きです。・・・意味分からないよ。今は朝2時です。大好きです。大好きです(笑)…実は俺は人間じゃないよ。実は俺はウルトラマンでした!」と彼の優しく楽しい歌声が響き渡った。そして、会場からは笑いとこれからのステージを期待した拍手が鳴り響いた。

 華やかな登場ではなく、静かにステージに戻ったノ・ミヌはファンの目を釘付けにした。メタリックシルバーのカラーが光輝くフュージョンピンクのスーツを身に纏っていた。その衣装とは反してスクリーンには月が映し出され、その前にあるグランドピアノに静かに座る。そして、バニラルーシーのチェロとヴァイオリンとのコラボで「Merry Christmas Mr. Lawrence」(坂本龍一 映画『戦場のメリークリスマス』OST)を心に響くピアノでファンに届けた。

 今日のぼくの衣装、スタイルどう?言わんばかりに…。「ピンクが好きなので、今日のペンライトもピンクにしました。イエ~イ!かわいい?」とお茶目さはなくさない。ここで、坂本龍一の1曲を選択したことについて。「これまで自分自身に自信を持って過ごしてきました。でも、18歳、日本で生活しているときにいろいろ葛藤があり、これまで持っていた自信が揺らぐことがありました。思い悩んでいたある冬の夜、月と東京タワーと雪を見ながら聴いていた曲に勇気をもらいました。だから、その時の月を思い出し、映像としてここに映し出したんです。もっと音楽を通して伝えたいことがあるし、感じたことを皆さんにも感じ取ってほしいから。私の音楽を聴いて希望を持ってくれたなら、うれしいです。私自身、マインドは失敗に強いと思っています。負けず嫌いだし。努力も惜しまない。でも、これまでいろいろと自分の思い通りに行かないこともあり、心が折れそうになったけど、必ずチャンスは来る!からがんばろうって信じてきました。いま、そのチャンスが来ていると確信しています。」とこれまで彼が過ごしてきた環境や感じてきた心情を告白した。それにしてもピアノの腕前は抜群。歌手をしていた母親の影響で7歳からピアノ、そして、中学生時代にはギターやドラムを始め、高校生時代にはすでに150曲を超える曲を作り上げていたという。

 ミュージシャンでもあり、俳優でもあるノ・ミヌ。どのように考えているのだろう?彼はこんな言葉をファンに向けた。「ずっと音楽の仕事をしていきたいと思っていました。だけど、日本で生活していたとき、ある韓国映画を見て、その主人公に心奪われて憧れを抱くようになりました。そして、映画音楽にも興味を持ちました。どちらも出来たらいいなと思ったんです。それで、20歳の時、韓国に戻って、エキストラをし始め、俳優の道を進み始めました。やはり、エキストラでは生活は苦しくて・・・。周囲の人からは音楽で成功していたのに、なんで?と心配されたけど、尊敬しているX JAPANのYOSHIKIさんの言葉<苦労なくして、成功はない>という言葉を信じて、がんばってきました。そうしたら、『パスタ』の役が私のところにやってきたんです。」と彼の音楽、演技に対する率直な気持ちを知ることができた。

 俳優、ノ・ミヌとして、はじめて名前のある役がもらえたときのうれしさをファンと分かち合いたいと考えたのか…。『Story of wine』(この映画では役者のみならずOSTにも参加している)から「ぜひ歌詞(大切な人と別れたときの感情を表現)を感じてほしいです。」と「First Snow」をピアノを弾きながらしっとりと歌い上げた。「私は大丈夫だよ。君の顔は忘れた。起きたとき君がいなかった。ずっとそばにいるって約束したのに。君に頼っていたね。…君を愛している。初雪のように。…」この歌詞を会場にいたファンはどのように感じていただろうか?バラードの曲調にもの悲しい歌詞。でも、悲しみに浸っているだけでなく、またこれから新しい人生を生きていこうという、どこかに希望、力強さを感じられるこの歌詞を。そのファンは大きな拍手でノ・ミヌ本人に答えを返した。すばらしい!がんばって!という意味を込めて。

 少ししんみりとした雰囲気も彼ならではの明るいお茶目な仕草や言動で一気に吹き飛ぶ。どうも「カツどん」「親子どん」が日本食でのお気に入りらしい。でも、一番のお気に入りはやはり「ママのキムチチゲ」のようだ。「韓国でキムチチゲ食べてまずかったら、ツイッターで教えてください!ママのレシピ送るから。」と会場を沸かせる。

 「今日は特別な日。私たちがはじめた出会った日ですよね。今回のファンミーティングどうしたらみんなに楽しんでもらえるか、悩みました。日本では東日本大震災があったし。震災で傷ついた方たちの心を少しでも癒せたらと思い、この曲を作ったんです。みんなでがんばろう!という意味を込めて。」と「大切なあなたに」が最後の曲として、オーケストラと共に披露された。スクリーンには震災時の映像も流されるところに、「この世界にはたくさんの記憶が存在します。誰かと幸せを感じ、笑いあえるように。もう一度微笑みを。笑ってくれるあなたに感謝して。…」自筆のメッセージやイラストも添えられていた。この心に響く優しいメロディー、ノ・ミヌの優しい心に涙したファンも少なくないだろう。会場からは割れんばかりの拍手がお礼として贈られた。

 そして、「また会いましょう!がんばりましょう!バイビー!」とノ・ミヌはステージを後にした。

 しかし、ファンは待った。彼の再登場を。「アンコール!アンコール!」と。ファンの「サランヘヨ!(愛している)」という言葉に後押しされ、あの『Ore ga Motto』のヴァンパイアの映像と共に、ノ・ミヌはメタリックシルバーの衣装に身を包み、ステージに現れた。そして、彼を人気俳優の1人に押し上げた『私の彼女は九尾狐』のドンジュのテーマ曲「落とし穴」、新曲「Come On」でファンの気分を最高潮に押し上げ、予定時間をかなりオーバーするほどたっぷりの内容だった今回のファンミーティングの幕を下ろした。そこには嫌味はないが「オレについて来い!」のようなオレ様的な力強い雰囲気もあり、「ぼくはウルトラマン!」というお茶目なかわいさもあり、ファンを思いやる優しさもあり、すべてお仕着せのことをこなすのではなく、自分から企画して、最高のステージをファンと過ごすために努力を惜しまない真摯さ、誠実さも兼ね備えているノ・ミヌ。それがファンの心を掴んで離さない魅力だろう。これから、どのような音楽を、演技を私たちに見せてくれるのか、楽しみだ。次回作を期待している。ファンミーティングが大盛況に終了した後、今回のファンミーティングに対してのノ・ミヌの意気込みや今後の活動などがマスコミに語られた。

 チャコールグレーにブルーが散りばめられたベルベット調のジャケットにブラックのデニムに着替えたノ・ミヌがマスコミヌ前に登場した。「アンニョンハセヨ.ノ・ミヌイムニダ.(こんにちは。ノ・ミヌです。)」と落ち着いた挨拶から始まった。

マスコミからの質問に対して、一問一問丁寧に答える彼に誰もが好感を持ったに違いない。Q1『パスタ~恋が出来るまで~』、『私の彼女は九尾狐』、『マイダス』と人気ドラマへの出演が続いていたが、難しかった点は?

 A1準備期間が短かったことでしょうか。それがストレスでした。一つの作品が終わって、次の作品に入るまでの期間が短かったので、前作のキャラクターを自分の中から消し去り、次の作品のキャラクターを分析して、自分のものにするのが難しく、負担になりました。

 Q2今日、ミュージシャンとしてファンの前に立って感じたことは?テンションが上がった瞬間は?

A2日本でのファーストファンミーティングが出来たことが幸せです。これまで日本でもライブハウスなどで演奏はしてきたので、ミュージシャンとしてファンの前に立つ気分や雰囲気は味わってきているし、理解しているから、またライブがしたいなぁと思っていました。今日、こうしてライブができてうれしかったし、やっぱり、ミュージシャンとしてやりたいと思いました。緊張はしなかったけど、次回はもっとうまく出来ると思っています。今日、私に会いにわざわざここまで来てくれたファンにはとても感謝しています。Q3これから挑戦してみたい役は?次回作は?

A3明るく楽しげな男性の役をやってみたいです。次回作はだいたい決まっているけど…(まだ秘密)、その希望に合うような役です。期待していてください。

 Q4ミュージシャンと俳優、アドレナリンの出方は違いがある?

A4多くのファンが私のことを見ていてくれると、それが私の力になるし、幸せを感じます。今回は日本での初めてのファンミーティングという、特別な日だから俳優としての私だけじゃなく、違う自分を見せたかったんです。どうしたらファンが楽しめるファンミーティングにするのかずっと悩んでいたけど、シャワーしているときにふと思いついたのが、ヴァンパイアというアイテムでした。でも、どうしたら、ファンにうまく伝えられるかが問題でした。そこで、最初の祝賀メッセージビデオを私がファンと一緒に見たら、ヴァンパイアの雰囲気はなくなってしまうと思い、最初、ステージに登場しませんでした。そして、映像にノイズを入れてみたり、『Ore ga motto』の映像も制作しました。構成なども悩んで今日を迎えました。私に会いに来てくれたファンに自分の思いが伝わったと思います。いま、ハイテンションになってアドレナリンが出まくっています。

 Q5作曲するときなどの世界観、感性はX JAPANのYOSHIKIさんや坂本龍一さんの影響?

A5母の影響が一番です。母は子供のときから私が何かミスしたときなど、怒るのではなく、母自身が思い違いをしていたというような反応をみせてくれていました。母は争いごとが嫌いで、成功しても驕るのではなく、ボランティアをすることを勧めるほどでした。だから、いま、自分も仕事の合間にボランティアをしています。自分を守ること、周囲のスタッフを守ること、みんなを守ることを母から教わりました。同じようなことを、YOSHIKIさんからも教わりました。ノ・ミヌは「ここまで来ていただいてありがとうございました。またお会いできたらうれしいです。がんばっていくので、私を見ていてください。よろしくお願いします。」と丁寧な挨拶でこの会見を終え、夜の部の準備に戻っていった。

記事:T.S

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