取材・撮影/RanRanEntertainment
――ところで藤田さんは、本作のアウトローなアベルだけでなく、コメディ色の強いキャラクターもあれば、クールなヒール役もあったりと、幅広い役柄を演じています。
僕、“振り幅俳優”と呼ばれているらしいですから(笑)。しかも、同時期に演じている場合も多いですね。
――どのように役作りをして、どうやって演じ分けてらっしゃるんですか?
自分では、あまり「演じ分けるんだ」と強く思っているわけではなく、その場になり、そのキャラクターの衣裳を着て、共演者の方たちに囲まれると自然とそうなるんですよ。シリーズものなどで1回キャラクターを作り上げた役ならば余計に。なので、あまり苦労を感じることはないですね。もちろん、さすがに5本も6本も同時進行していれば、役作りがどうということではなく、単純に疲れますが(笑)。
――セリフを覚えるだけでもすごい量になりますもんね(笑)。
そうです、そうです(笑)。このシリーズの1作目では、アベルはあまり話さない役だったのでセリフも少なかったのですが、シリーズを重ねるうちにどんどん人間らしくなり、今は、普通にしゃべってますからね(笑)。だから、アベルも楽に演じることはできなくなっていました。
――では、お芝居をする上で、大事にされていることは?
カメラが回っている時や、舞台に立っている時にその役になりきるというのはもちろんなんですが、僕は、役者のエゴも出す必要があると思って演技しています。例えば、2.5次元作品などでは、まずキャラクターを好きになった上で、「このキャラクターのここが見たい」と1ファンとして感じる部分は、僕のエゴとして出していきたいんです。それは、2.5次元でもストレートプレイでも変わりません。一番は、自分の役を愛すること。そして、ファン目線に立つということですね。
――それは映像のお仕事も舞台のお仕事も変わらず?
変わらないですね。キャラクターを愛していれば、おのずと芝居の方向性が決まっていくと思いますし、「違うパターンで演じてほしい」と監督や演出家の方から指示があってもすぐに対応できるので、愛することは大事だなと思います。
――逆に、アーティストとして大事にしていることは?
大衆向けじゃなく、好きな音楽を作ること。
――「好き」にこだわっている?
そうです。僕、一時期、メジャーデビューしてたんですが、何をやればいいのか分からなくなってしまったこともありまして。でも、インディーズに戻ったからには、好きなことをやろうと決めました。音楽くらいは、自由にやらせてもらって、音を楽しませてほしい。もし、それを皆さまが喜んでくれるならそれはとても嬉しいことだけど、音楽だけは自分がかっこいいと思う曲をやりたいんです。
――そう考えると役者とは真逆に位置するものなんですね。
だからやってるんだと思います。役者はその役になりきって、色々なエッセンスを入れて作っていきますが、音楽は自分だけ。自分が嫌だと思うものはやらなくていいし、カッコつける必要もないので、大人の言うことは聞かない(笑)。今回の「BOND」を作る時も、僕の中ではキャッチーな曲を作ったつもりですが、完全にシャウトしていますから(笑)。
――ありがとうございました!! 最後に、映画の見どころと楽しみにされている方にメッセージをお願いします。
『アウトロダブル』には、“アウトロー”という言葉が入っていますが、怖い映画ではありません。アクションあり、人間ドラマがあり、コメディあり、ちょっとファンタジーありのエンターテイメントになっております。これまでのシリーズを観ていない人にも楽しめますし、最初にこの作品を観て気になっていただけた方にはぜひこれまでのシリーズを遡ってみていただくのも楽しいと思います。もちろん、これまでのシリーズを観てくださっている方には、存分にこの世界を楽しんでいただけたらと思います。劇場でお待ちしております!!
映画『アウトロダブル』【上映時間:79分】
主演:藤田玲×佐藤流司
牧島 輝 中村太郎 高橋怜也 内浦純一 星ようこ なだぎ武 千原せいじ
監督:西海謙一郎 脚本:池谷雅夫
主題歌:「BOND」藤田玲/佐藤流司 (DOLCESTAR RECORDS)
制作プロダクション:ラインバック 制作協力:T-REX FILM
製作・企画・配給:AMGエンタテインメント
© 2022AMGエンタテインメント
公式HP:https://outrodouble.com/
公式twitter:@doubledrive_m
公式instagram:doubledrive_m
映画「アウトロダブル」 2022年9月2日(金)公開決定!
ヘア&メイク:小林麗子(do:t)/スタイリング:小田優士
<文:嶋田真己・撮影:早川善博>