16世紀・明の時代に書かれた中国の小説『西遊記』。三蔵法師一行が様々な苦難を乗り越えて天竺を目指す物語は、長年にわたって愛されてきた。日本テレビにおいては、社会現象を巻き起こした1978年の「開局25年記念番組」以来、度々制作されてきた『西遊記』を、2023年11月より舞台で上演する。日本テレビ開局60年舞台『真田十勇士』、開局65年舞台『魔界転生』に続き、脚本はマキノノゾミ、演出を堤幸彦が務める。
三蔵法師一行は、主演・孫悟空に片岡愛之助、三蔵法師に小池徹平、猪八戒に戸次重幸、沙悟浄に加藤和樹、玉竜に村井良大。 また、牛魔王を松平健、その妻である鉄扇公主を中山美穂、息子の紅孩児を藤岡真威人が演じ、金角を藤本隆宏、銀角を山口馬木也、虎力大仙を小宮璃央、鹿力大仙を押田岳、羊力大仙を桜庭大翔が務める。鎮元子に田村心、玉帝と高伯欽を曽田陵介、高翠蘭を柳美稀と、若手からベテランまで実力派が勢揃いしている。上演に向け、製作発表会見が行われた。
柳美稀 小宮璃央 曽田陵介 田村心 藤岡真威人 藤本隆宏 山口馬木也 桜庭大翔 押田岳
マキノノゾミ(脚本) 村井良大 戸次重幸 小池徹平 片岡愛之助 松平健 中山美穂 加藤和樹 堤幸彦(演出)
まずは日本テレビ取締役・澤桂一が「日本テレビと縁がある作品を、開局70年に改めて皆様にお届けできることとなりました。エース級の皆さんにお集まりいただき、マキノさんの脚本、堤さんの演出でどんな作品が完成するのか私も楽しみにしています」と期待を寄せる。
共に『西遊記』への思いが深いというマキノと堤。マキノは「プレッシャーの中、国際的にヒットする作品にしたいという気持ちで書きました」と語り、堤は「思い入れのある作品を自分の手で演出できるのが光栄。LEDなどのテクノロジーを駆使した演出とストーリー、人間の肉体の面白さを追求したい」と意気込んだ。
主演を務める愛之助は「大スター集合のようなキャスティングで僕自身楽しみ。マキノさん・堤さんがタッグを組んだ『魔界転生』にはナレーションで参加し、圧倒されました。今回の舞台がとても楽しみです」と笑顔で話す。
小池は先ほど堤によるセットの説明を受けたと語り、「どんなものが飛び出すか劇場で見てほしいです」とアピール。
猪八戒を演じる戸次は「猪八戒は恰幅のいい役者が演じるというイメージがあると思いますが、だいぶ痩せ型です。新たな猪八戒にご期待ください。本番中に50歳を迎えるので、ケアしながら元気に演じきりたいですね」と意気込み、加藤も「個人的にすごくトライアルな役です。全員で怪我なく最後まで駆け抜けたいです」と語った。
三蔵法師一行の一員・玉竜を演じる村井は「三蔵法師にお仕えしている馬の役。小池さんをおんぶすることになるかもしれないので腰に気をつけて頑張りたい」と笑わせ、「台本を読んで『西遊記』のスケールを実感しました。豪華な作品に仕上がっているので、ぜひ劇場で体感してほしいです」と話した。
続く藤岡は「大先輩方と素晴らしい舞台でご一緒できるのが光栄ですし、松平さんと中山さんの息子役。お二人の存在感と皆さんのパワーに負けず、全力で挑みたいです」と意欲を見せる。堤作品への出演経験も多い田村は「堤監督の作品に出演させていただくと毎回吐血をしています。今回はどうなるのか楽しみ」と話して笑わせていた。
高伯欽・玉帝の2役を演じる曽田は「タイプの違う2役を楽しんでもらえたら。とちっても先輩方が受け止めてくれると思うのでチャレンジしたいと思います」、三大仙の一人・虎力大仙役の小宮は「遊べる部分がたくさんあると感じました。皆さんにエンターテイメントをたくさんお届けできるように頑張りたいです」とやる気たっぷりに語る。
柳は「私の役は正直美味しいと思いました(笑)」と告白。「女性キャストは2人しかいないので、男性陣に負けないように食らいつきたい」と笑顔を見せた。
鹿力大仙を演じる押田は「三大仙は牛魔王の臣下で飛び道具的な役割。面白く育てたいと思います」と話し、羊力大仙役の桜庭は「毎日ジムに通っていますが、筋肉はここで使うものだと今日改めて思いました」と話して笑わせる。
それを受けて、銀角役の山口は「そうなんだ」と感心しながら「僕らの世代にとって『西遊記』は思い入れの深い作品です。藤本の兄貴と一緒に50歳オーバーのパワーを見せつけてやりたい」と語り、金角を演じる藤本も「金角という面白い役をいただきました。一人で作り上げる役ではなく、馬木也さん演じる銀角と二人で一つの役だということを意識して作りたい」と語った。
中山は「私にこの役が務められるだろうかと思っていましたが、稽古を見て熱量に圧倒されました。そのエネルギーをいただいて頑張りたいです。初めてのことだらけですが、チャレンジできるのはありがたいです」と話し、松平は「大作に呼んでいただけたことを嬉しく思います。今回は飛んだりもすると聞いていますので頑張りたいですね」と意気込んだ。
今回の演出について聞かれた堤は、「映像やアクション、演技、役者の魅力が爆発する、様々な仕掛けを用意します。また、LEDの映像技術を駆使してテクノロジーと演技を不可別一体にしたい」と新たなチャレンジへの思いを語る。
マキノは「全体に漂うおおらかさなど、原作のテイストを大事に書きました。世界に通用する面白いものになるよう心がけています」とストーリーの見どころを話すと共に「孫悟空は暴れん坊だけど心優しいキャラクター。愛之助さんの新たな魅力となるんじゃないかと思います」と期待を寄せる。
愛之助は「孫悟空は天真爛漫で、乱暴だけどお師匠さんのことが好き。そこをしっかり出して令和版を作っていきたい」と意気込み、三蔵法師を演じる小池について「美しいですし、永遠の美少年という感じ。変わらないので驚きました」と太鼓判を押す。小池は「男性の三蔵法師ということで新しさを見せられたら。脚本はコミカルな部分も多いので、どうなるのか僕自身も楽しみ」と笑顔を見せた。
堤の演出に関して聞かれると、小池が「無茶振りが多いので怖いけどそこも含めて楽しみたいですね」と話し、戸次も「本番中でも無茶振りされるので、どんな信頼感を持ってくださっているのが不思議」と首を捻る。「ただ、ドラマで猪八戒を演じた西田敏行さんへのリスペクトが止まらないので、新しいものを作りつつ、堤さんのOKが出たら福島弁をどこかに入れたいですね」とアピールした。加藤も「堤さんの演出は何が飛び出すかわからないおもちゃ箱のような感じ。三蔵法師一行で行動を共にすることが多いし、僕と戸次さんの掛け合いもたくさんあるので箸休め的なシーンにし、立ち回りなどとのギャップを見せられたら」と構想を語った。
さらに、村井は「西遊記には玉竜がいるのが定番と思ってもらえるように仕上げたい」、中山は「描かれていない部分を自分で作り、それを出していくというより自然に滲むようなキャラクターにしたい」、松平は「牛魔王は孫悟空に出会って自分のやりたいことを考えるようになり、鉄扇公主に惚れ込んで夢が叶えられて最後は大変なことに。どこまで狂えるかが挑戦です」と意気込んだ。
キャスト陣の言葉に堤が「皆さん信頼できる俳優さんです。本番中に何か指示を出しても応えてくれるでしょうから期待しています」と話すと、愛之助は「ガッツリお仕事させていただくのは初めてなんですが、恐怖に震え上がっています(笑)」と答えていた。
続いて、作品の印象や演じる役についての質問が出ると、愛之助は「歌舞伎でも歌や踊りはありますが、ダンスができるかは不安。歌舞伎との違いを楽しみたいです」と意欲を見せた。
小池が「長い話ですがうまくまとまっていて、皆さん大満足で劇場を後にできると思う。立ち回りが多い中、僕は唱える系なのでちょっと申し訳ない(笑)」と話すとキャスト陣から笑いが起きる。
柳は「アクションをちゃんと仕上げたいです。翠蘭はパワフルな女性なので、舞台上をパッと明るくできたら」と意気込み、小宮は「虎力大仙は殺陣があり、中国拳法なども披露します。美しく格好良く、皆さんを飽きさせないように頑張りたい」、押田は「三大仙はメインストーリーの中にたまに出てきてイタズラして帰っていく三人組。可愛く仕上げられたら」と話す。
曽田は「玉帝はわがままな支配者みたいな役。普段は絶対に言えないことを先輩方に言いまくりますが、臆せずやりたいです(笑)」と話し、もう1つの役である高伯欽に関しては「翠蘭との会話の中にも笑えるシーンが多いので楽しみながら作れたら」と意気込んだ。
山口の「一つ謎なんですが、悟空はお猿さん、猪八戒は豚さん、そこからなぜ河童が出てくるのか」という素朴な疑問に、沙悟浄役の加藤をはじめキャスト陣も笑い声を上げる。また、金角と銀角のラストシーンのト書きは「すたこらさっさと逃げ出した」だそうで、山口は「僕はこれをすごく重要だと思っているので、そこに向けてキャラクターを作りたいです」と語った。
最後に愛之助は「大スペクタクルで、笑い・涙・歌・踊り全部入っています。昔からの『西遊記』ファンはもちろん、初めて見る方にも楽しんでいただけるものになると思うので、ぜひ足をお運びください!」と締め括った。
日本テレビ開局70年記念舞台
『西遊記』
脚本:マキノノゾミ
演出:堤 幸彦
出演
片岡愛之助 小池徹平 戸次重幸 加藤和樹 村井良大 藤岡真威人 田村 心 曽田陵介 小宮璃央
柳 美稀 押田 岳 桜庭大翔 山口馬木也 藤本隆宏 中山美穂 松平 健
<大阪公演>
2023年11月3日(金・祝)~5日(日) オリックス劇場
<福岡公演>
2023年11月10日(金)~23日(木・祝)予定 博多座
<名古屋公演>
2023年12月27日(水)~2024年1月2日(火) 御園座
<東京公演>
2024年1月6日(土)~28日(日) 明治座
チケット発売
<大阪>発売中 <福岡>9月30日(土)
<名古屋・東京>10月7日(土)
<札幌>10月21日(土)
公式HP https://saiyuki-ntv.jp
企画・製作 日本テレビ