
左から:上田誠、橋本愛、池田エライザ、阿達慶、松居大悟監督
映画『リライト』の完成披露試写会が5月19日(月) 都内劇場にて行われ、主人公・美雪役の池田エライザ、300年後の未来からやってきた保彦役で映画初出演となる阿達慶、美雪の同級生・友恵役の橋本愛、そして松居大悟監督、脚本を務める上田誠(ヨーロッパ企画)が登壇した。
本作は、松居監督と脚本担当の上田が初タッグを組み、「これを映画にしたい。やるなら松居大悟監督と!」と上田が熱望した衝撃作、法条遥による「リライト」を〈タイムリープ✕青春ミステリ〉として誕生させた。

池田は「台本をいただいた時から、皆様の口コミとか感想、考察がすごく気になるなぁと思っていました。我々はオチまで知った状態なので、皆様はどういう感情になるのだろうと心待ちにしていました」と今の心境を語った。
また、未来人役の阿達は「『やっと観てもらえる!』という気持ちと『どう受け取ってもらえるんだろう』というワクワクと、いろいろ感情が巡っています」と緊張気味に語った。

さらに、橋本は「皆さん、原作小説を予習してきた方って、いらっしゃいますか?」と確認し「おお、ネタバレはないですね。そう、あの謎の人物です!」と自己アピールした。
松居監督は「イタリアのウディネという街でワールドプレミア上映をして、今回が2度目の挨拶。イタリアの方たちは前のめりで、すごい声を出したり、ラストの展開になっていくにつれ阿鼻叫喚みたいな、感じたことない経験だったので、今回この映画についてどう喋ったらいいだろうと悩んでいたんですけど・・・」とお客様の評価を気にしていた。
本作は大林宣彦監督の『時をかける少女』へのオマージュを込め、全部が広島・尾道ロケ。池田は「目の前に海が広がっていて、振り向くと山があって、長い一本道があったりして、ここで摩訶不思議なことが起きても頷ける空気があって、そんな場所でロケができたので、すっとこの世界に馴染むことができたような気がします」、松居監督も「本当に街灯も少ないし、道も細いし、風も吹いていて、とても穏やかな空気で、まるで時間が止まっているような感覚でしたね。だからこそ、そこで起きるタイムリープっていうのが、うん、皆さんをどんな旅に連れて行ってくれるのだろうかと感じています」と尾道の素敵な景色・背景を振り返っていた。
それぞれの役柄を演じる上で難しかったこと、意識したことを問われ、阿達は「300年後から来た未来人ってどういう感じなんだろうっていう疑問しか生まれない役割だったけれど、テレビで観ていた方たちと共演すること、その撮影そのものが挑戦することなのかと。自然体でやれるよう頑張ったんですけど、やっぱり緊張して、ちょっと肩が上がっちゃったりしたんですけど、自然体でいることを常に意識して、未来人を演じられるよう頑張りました」と演技に自信を覗かせた。

また、池田は「今まで演じたあらゆる特殊な役は、(いわゆる)足すという作業。今回は高校生役をやるのは足す作業ではなく、お化粧にしても何にしないし、とにかく引き算。気づけば、すっぴんなのでは?という状態。事務所の人にも『いつから私はすっぴんで出ていいことになったんですか?もういいんですね!出ちゃいますよ』と、これ以上引けるものもないという状態でした。あとは、高校生時代の神経が行き渡っている感じ。全身がシャキシャキ動く感じを思い出しながら演じました」と素のままを演じたことを明かした。

橋本は「保彦君との関係性で言うと、実年齢は10年くらい離れていて、同級生として同じ制服を着てやるので、自分もちょっと若さを盗みながら演じるところもありました。保彦君の自然体でピュアでイノセントな感じが、いい具合に未来人の空気感があって、それで演じていて助けられました。美雪とは仲のいいシーンもあるんですけど、お互いに完璧に心を開き合ってない関係を生々しく演じさせていただきました」とコメント。
本作の脚本を作る上で意識したことを問われた上田は「原作の帯には“史上最悪のパラドックス”と書かれていて、映画化したら面白いなと松居監督に相談して、その頃はやり逃げみたいな映画にするつもりだったんです。松居監督が尾道で撮りたいと言い出して、最初は『映画の聖地で…!?』という不安もあったのですが、エヴァーグリーンな王道の青春物に乗った、時間のパズルとエモーショナルを兼ね備えた映画になったと思います」と出来映えに胸を張った。松居監督はキャスト陣について、「池田エライザさんと橋本愛さんを一つの画角に収めるというのは、映画作家として全員の夢だと思います。初共演の2人の相乗効果が感じられて撮っていて幸せを感じました」、阿達については「オーディションで出会いましたが、初めて甥っ子に会った時のような、なぜかみんながニヤニヤしてしまう感じが印象的で…クラスにやってくる謎の転校生としてピッタリ。阿達くんと出会えて、保彦を教えてもらいました」と未来人としての適任だったことを明かした。

イベント後半は、映画のタイトルにちなんで、「学生時代の“リライト”したいこと」を学生時代の写真とあわせて発表。池田は高校時代にギターを持っている写真を見せ、「当時カリスマJKみたいな感じで取り上げていただくこともあったのですが、実際はギターを背負って土手に行くような高校生でした。リライトするなら、ケンカするほど仲が良いというような友達を作ってみたい」。

阿達は、中学時代での寝顔の写真を披露、「既に(事務所に)入所していてイベントにもあまり参加出来なかったので、高校時代に戻ったら、写真をたくさん撮ったり思い出を作りたいです」と願望を語った。

橋本は、中学時代の写真を見せ、「今だったら先生ともっとやり合えたと思う!あの頃は怒られても落ち込んで帰るだけだったけど、今なら理詰めで言い返せると思う」と笑顔でコメントした。
最後に、池田は「内容について言語化するのが難しい映画。私たちが一昨年の夏に汗をかきながら尾道の風や匂いや音とか、不思議な出来事を砂浜の瓶に詰めるように閉じ込めてきたので、ぜひそれを目撃して、皆さんにとっての夏の出来事にしていただけると嬉しいと思います。そして、Rin音さんも素晴らしい曲(主題歌)を書いてくださったので、歌詞も浴びるように聴いてほしいです。」とイベントを締めくくった。

映画『リライト』 6月13日(金) 全国公開
配給:バンダイナムコフィルムワークス ©2025『リライト』製作委員会

