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2021年4月17日 06:00

『暴力無双 ‐サブリミナル・ウォー‐』榊英雄監督×坂口拓インタビュー 20年ぶりに再集結したメンバーたちが超絶アクションを見せる

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

東映が配信向けに制作するオリジナル映像ブランド「Xstream46」第1弾作品『暴力無双 -サブリミナル・ウォー-』が現在配信中だ。本作は、2000年に北村龍平監督で制作され、日本のみならず世界各地の映画賞で高評価を得た伝説の映画、『VERSUS』のキャスト・スタッフが集結して制作されたバイオレンス・エンターテインメント。組織から距離を置き、愛する女性と幸せな日々を過ごしていた元・暗殺者のナックルが、仲間だった暗殺者たちから次々と襲われ、愛する女性を救うために闘う姿を描く。主演、さらにはアクション監督も務めた坂口拓と、本作でメガホンを取った榊英雄監督に、作品への想いを聞いた。

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榊英雄監督        坂口拓


――東映の配信映像ブランド第1弾作品となりますが、この作品を制作するに至った経緯を教えてください。

榊:まず、僕と坂口拓は、約20年前に『VERSUS』という映画を一緒に作って以来、仕事をする機会も多くて、連絡を取り合う仲だったんです。それで、久々に一緒に何かやりたいという僕の思いがあって、3年くらい前からやろうよと誘っていたんですが、拓ちゃんが「『VERSUS』のメンバーが集まるんだったらやってもいいよ」と言ってくれたので、それが集まってできたという流れです。

それと同時に、僕がいつもお世話になっている東映のプロデューサーさんから、「Xstream46」というレーベルを立ち上げるというお話を聞いたので、それならそこに企画をエントリーさせていただこう、と。企画書には「この映画を観ろ。作らせろ」とだけ書いたのですが(笑)、プロデューサーさんたちのご尽力のおかげで、企画が通りました。なので、僕が拓ちゃんを誘ってやりたいと思っていた企画と、今回の第1弾が偶然、クロスオーバーしてこの形での制作になりました。

――榊監督が坂口さんを誘ったときは、作品の内容は決まっていたのですか?

榊:まだ決まっていませんでした。拓ちゃんと僕でアクションをやりたいというざっくりとしたものでした。

――坂口さんは、今回のお誘いを受けて、どんなお気持ちでしたか?

坂口:単純にやりたくなかったって感じですね。

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――やりたくなかったんですか?(笑)

坂口:やりたくなかったですね。

榊:(坂口は)やりたくないって2~3年、逃げてたんですよ(笑)。「やろうよ」って誘っても、「うん、いつかね」って。それで、僕が忘れるだろうと思ってたんだろうけど、たまたまご飯を食べたときに、(坂口が)「『VERSUS』のメンバーが集まるならやってもいいですよ」って言ったから、「男に二言はないね?」って確認して、他のメンバーに電話したらみんな集まれることになったんです。

坂口:メインキャストが全員ね。

榊:(坂口は)男の約束はきちんと守る男なので、それでやることが決まったんですよ。今回は、『VERSUS』のメンバーが全員揃うから、それなら全員にそれぞれ見せ場がある作品を作ろうというのがまずあって、それでアクション中心になっていったという流れでした。でも、最初は本当に嫌がってたよね。

坂口:うん。

――それは、何で嫌だったんですか?

坂口:逆に、榊さんに誘われてやりたい人なんていますかってお聞きしたいですよ(笑)。

榊:あはは(笑)。

――でも、『VERSUS』には思い入れがあった?

坂口:あります、あります。(榊とは)仲もいいんですよ。でも、仕事となると…。僕は今まで、自分が主演をやるなら、自分で考えた企画でやるタイプだったから、人の企画でというのはやりたくないという思いがあって、それで濁らせていたのもあったんです。でも、「同窓会」で『VERSUS』のメンバーが全員揃ってやるというのならば、これは一つのイベントという意味で面白いかなと思いました。

榊:彼(坂口)自身の発案の作品は、もちろんそれはそれで素晴らしいんだけど、また別ジャンルのものになるので、今回は「同窓会」という名目と僕の想いを汲み取っていただいて、それで拓ちゃんは参加してくれたんだと思います。

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――今回は「バイオレンスアクション」がテーマとなっていますが、それはキャスト全員の見せ場を考えて、自然とこのテーマが決まったということですか?

坂口:そうですね。(榊監督は)現場でも丁寧に、監督として全員に見せ場を作ってくれていたなと思います。今回、46分の作品と聞いていたのに、こんなに撮っても使うわけないというほど撮影してましたから…。

榊:バンバン撮りましたね。その一瞬が大事だと思っていたので、面白いアイディアは全て撮っておいて、編集で悩もうと思っていたんです。実際に撮影したのは、87分くらいありました。おかげさまで、ガンガン切って編集していったので、濃度が濃くなって良いものになったんじゃないかなと思います。

――今回、アクションをつけるにあたってのテーマはあったのですか?

坂口:榊さんと話し合って、俺の代名詞でもある「ウェイブ」は禁止というのはありました。

榊:もちろん見たい人はいると思いますが、今回はシンプルに戻ろう、と。

坂口:確かに、僕がウェイブのスピードでやっても、(共演者たちも)みんな歳を重ねてきているので、なかなか難しいだろうから、僕が普通でいこうとなりました。でも、冒頭のアクションは、僕の弟子でもある(搗宮)姫奈とのシーンで、彼女はウェイブを使えるのでそれを使っていますし、いろいろなアクションを織り交ぜて作っています。

榊:趣向を凝らしてるよね。(浅井)星光ちゃんと拓ちゃんのシーンは、ガチンコで何をやっているのか分からないほど複雑なことをやっているし、僕と松田賢二くんのところでは映画の中の見せ物のようなナイフを使ったアクションにしていたり…状況に応じたアクションを、みんなで考えてやった感じでした。

――46分の中にあれだけのアクションを入れるのはすごいことですね。

坂口:大変でしたね。

榊:もう少しストーリーを重視したシーンを入れてもいいのかなとも思いましたが、我々が作るのだから、説明もなくグイグイ押そうと思ったんです。でも、それでも(視聴者は)ついてこれると思います。

――撮影では、どのシーンが印象に残っていますか?

榊:オープニングのシーンや目玉をくり抜くシーンも印象的でしたが、やはり最後の森での撮影は思い出深いです。潰れてしまったキャンプ場をお借りして、そこを自由に使えたんです。なので、みんなで合宿して、僕と拓ちゃんで飯を作って、手作り感いっぱいで撮影したので、自然と熱が高まっていった気がします。限られた時間と予算の中で精一杯やりました。なおかつ、その短い撮影の中でも打ち上げでバーベキューパーティーもできたんですよ。昔話にも話が咲いて…。なかなか仲間全員が集まることは難しいので、僕たちも、もしかしたらこれが最初で最後になるかもしれないという思いもあったので、余計に熱が入りましたし、森に行ってからのアクションは面白かったですね。

――バーベキューパーティーなど、撮影の裏側はYouTubeでも配信されていましたね。坂口さんはいかがですか?

坂口:同窓会があって、その同窓会のついでに映画を作ったって気持ちでした。だから本当に懐かしかったです。アクションをやると当時を思い出すんですよ。松田さんのナイフさばきを見たりすると、ああ、そうだったなって。(松本)実ちゃんが、芝居のことで「こうしたい、ああしたい」って榊さんに伝えにいっているのも、そういえば『VERSUS』のときも龍平さんに言いにいってたなって(笑)。みんなおっさんになりましたけど、変わらないなって改めて思いました。

――では、かっこいいアクションを作るコツや心がけていることは?

坂口:もちろん怪我の危険がある場合にはスタントを使いますが、それ以外の立ち回りなどは役者さんにやってもらうようにしています。下手でもいいから、その人の味が出るように、人間味が出るようにということは心がけています。むしろ、上手いか下手かはどうでもいいと思うんですよ。普通のアクション監督とはまた違った考え方かもしれませんが…。

榊:僕が役者として出演するときには、アクション監督は拓ちゃんがやってくれることが多いから、すごくやりやすい方向につけてくれるなと思います。指示が的確だし、役者の個性に応じてつけてくれるアクション監督だと思います。だから、役者はそこに不安がらずに乗っかった上で、自分の体はしっかり作ってくれば格好良く映るんじゃないかと思います。

――ありがとうございました。それでは、改めて作品の見どころをお願いします。

坂口:第1弾としてやるにしては、発想が古いなって思いますけどね(笑)。僕は、無人島にアクションを目指す女の子を連れていって、アクション練習をしながら無人島で生きていく姿を追いかけるのが配信としては面白いと思うんですよ。

榊:じゃあ、次にやろうよ。どこの無人島行く? 僕の地元にあるよ?

坂口:いいよ、そこで。でも、そっちの方が数字が取れるんですよ。作品で考えるのはもう古い。どうやったらみんなクリックしたがるかってことを考えないと。20年前の『VERSUS』メンバーがいても、クリックしないですからね。まあ、これは冗談ですが(笑)。でも、今回は同窓会として作ったものだから、せっかくのものなので見てください、と。

――新企画も教えていただいて、ありがとうございます(笑)。では榊監督に締めていただいて!

榊:東映さんが新しく配信向けの新レーベル「Extream46」という企画を立ち上げ、今回、『VERSUS』メンバーの思い入れの入った作品が出来上がりました。46分間、初めから終わりまでほぼアクションで突っ走る、ノンストップアクションムービーになっています。アクションは言葉がないお芝居です。それぞれのキャラクターが生きていると信じて撮りました。今は家にいることが多いご時世ですが、これを見てスカッとして、日常の鬱屈したものを発散していただけると嬉しいです。

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『暴力無双 ‐サブリミナル・ウォー‐』は、以下のサイトで配信中。

※TVOD(デジタルレンタル)、EST(デジタルセル)のみです。
※配信時期は各種配信事業社にて異なりますので、各配信サイトをご確認ください。

MIRAIL(ミレール)(東映公式)
iTunes Store
GooglePlay
YouTube(有料)
Amazon プライム・ビデオ
ビデオマーケット
GYAO!ストア
DMM.com
J:COMオンデマンド
TELASA
ひかりTV
クランクイン!ビデオ
TSUTAYA TV ※2月1日より配信
ニコニコチャンネル
dTV
東映特撮ファンクラブ(月額会員のみ)
Paravi
milplus
music.jp

作品情報
【キャスト】
坂口拓 榊英雄
松田賢二 浅井星光 松本実 三坂知絵子
山谷花純 総務雄一郎 前田慎治 横山涼
搗宮姫奈 渡辺万美 谷門進士 増本庄一郎 moto
津田寛治 ・ 木下ほうか

【スタッフ】
監督:榊英雄 アクション監督:坂口拓
脚本:光伸春 音楽:和(IZUMI)   撮影監督:古谷巧
制作プロダクション:ファミリーツリー 制作協力:UNITED PRODUCTIONS 音楽協力:東映音楽出版
製作著作:東映

あらすじ
組織から距離を置き、愛する女性との幸せな日々を過ごす元・暗殺者のナックル(坂口拓)。だが、その日々は突然終わりを迎える。洗脳されて一般人として暮らしていたかつての仲間の暗殺者たちが次々と覚醒。職場の上司だろうが、ヤクザだろうが、相手構わず暴れまくり、ナックルの周辺にも迫ってきていた!さらわれた愛する女性を救うため、ナックルはかつての仲間たちが待ち受ける約束の森へと向かう―。

HP https://xstream46.jp/

Twitter @xstream46

 

 

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