
――デビュー10周年ということで、キャリアをスタートさせた頃を振り返っていただければと思いますが、当時、どんな思いを抱いていたのか、覚えていらっしゃいますか。
有澤:最初は、もちろん不安もありましたが、それ以上に楽しくて仕方がないという思いが大きかったです。今ももちろん楽しいんですけど、当時は全てが新しくて、人との出会いも作品との出合いも何もかもが初めて。そこに挑むことそのものが楽しったんです。
ただ、自分の中に経験も技術もまだ何もなかったので、できないことの方が多かったです。でも、その課題を一つずつクリアしていくことが自分にとっては何よりの勉強でした。細かいことを考えるよりも、とにかく一生懸命やるっていう毎日だったなと思います。
――活動を開始した2015年の11月にはハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』に出演されます。体ごとぶつかっていくような作品ですよね。
有澤:とてもハードなんですけど、『ハイキュー!!』で学ばせていただいたことは多かったと思います。バレーボールの世界が描かれる作品なので、身体能力をすべて使って表現する作品なんですね。そこにボールがなくても、お客様にボールをちゃんと目で追わせないといけない、ないものをちゃんとあるように見せないといけない、というシーンの連続。それはまさに「演劇」で、その基本が鍛えられたなと思います。
――その翌年には、ミュージカル『刀剣乱舞』にも出演。作品の幅も広がっていきます。
有澤:その頃は、それぞれの作品で殺陣やダンス、歌、初めてのことに挑んでいました。今でも当時の稽古動画をたまに見返したりするのですが、こんなに立ててなかったんだ…というぐらい、フラフラだったのがわかるんですよね。体幹もないですし、歌えてなかった。…もちろんなんとか歌は歌えてるんですけど、舞台上で表現しきれてない。声ってこんなに出ないものなんだな、って当時思いました。夢でたまに見るんですよ。そのうまくいかない感じ。必死に走ってるのに全然前に進めないみたいな。あのやりたくてもやれてない、という当時の感覚は今でも忘れられません。

――そうした「壁」みたいなものは、どう乗り越えていったんですか?
有澤:やっぱり、繰り返し場数を踏むことだったと思います。そして歌に関していえば、日頃から同じジャンルの曲を聴いてみる、同じリズムの曲を聴いてみる、というのはやってました。あとは、自分1人でやってもうまくいかない、人を頼るべきときは頼る、力抜くことも大事なんだなっていうのも学びました。何事もがむしゃらに一生懸命やるというのも、もちろん大切なんですけど、時には考え方を変える。そして、とにかく楽しまないとやっていけないなと思うようになったというのはありました。そう思えるようになったのは、20代中盤ぐらいからかな…。そう考えるようになって、視野が広がるようになっていったと思います。僕、集中してしまうと、視野が狭くなっちゃうほうなんですよね。僕にとって大事な転換点だったと思います。
――ちなみに10年のキャリアを振り返って、ターニングポイントになったと思う作品や人との出会いというのはありますか?
有澤:『今、僕は六本木の交差点に立つ』(2019年)というストレートプレイの作品に出演させていただいたんですけど、ここでの経験は大きかったなと思います。演出の赤澤ムックさんと出会って、自分はこう演じても観る人には届いてないって、届かないと意味がないというのを思い知らされたんです。僕は主人公の男の子を鼓舞する役だったんですけど、なかなかうまく表現できなくて、「違う」と言われ続けて、どう表現するかがわからない。気持ちは持ってるのにそれが伝わらない、という戸惑いの毎日で苦しみました。結局その壁を越えられたかはわからないんですけど、そういう場を経験できたのは大きかったなと思います。

――10周年を経て、今後に向けての思い、こういうものを届けていきたい、挑戦してみたいということはありますか?
有澤:ブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』(2025年)もそうですけど、作品を背負う立場を経験させてもらえることは本当に大きいです。
作品の中心に立たせていただくことで、能力が発揮できるという面もありますし、その経験を通してパフォーマンスが上がり、プレッシャーにも負けないようになっていくと思うんです。
「役者として、長生く生きる」というのが僕にとっての目標のなんですけど、その目標のためには、作品の真ん中に立つっていうのは大事なことだと思ってます。まもなく30歳。でも30歳って長い人生で考えたらまだ序盤ですし、あまり早く結果を求めすぎずに、着々と、努力は怠らずにしっかり積み上げていけたらいいなと思ってます。そして何事も楽しく。そこは持ち続けたいです。これからも応援宜しくお願いします!

『有澤樟太郎10th Anniversary Conssert~ARIPA!!2025~』
2025年10月18日(土)
[会場] AiiA 2.5 Theater Kobe〈兵庫〉
開場 17:15 / 開演 18:00
ゲスト 東 啓介
2025年10月24日(金)
[会場] ニッショーホール〈東京〉
開場 17:15 / 開演 18:00
ゲスト 牧島 輝
2025年10月25日(土)
[会場] ニッショーホール〈東京〉
開場 12:45 / 開演 13:30
ゲスト 阪本 奨悟
2025年10月25日(土)
[会場] ニッショーホール〈東京〉
開場 16:45 / 開演 17:30
ゲスト 三浦 宏規
2025年10月26日(日)
[会場] ニッショーホール〈東京〉
開場 12:45 / 開演 13:30
ゲスト 松下 優也
2025年10月26日(日) ※追加公演
[会場] ニッショーホール〈東京〉
開場 16:45 / 開演 17:30

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取材 文:田部井 徹 撮影:中村嘉昭

