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2023年8月27日 11:05

【後編】神津恭介シリーズより『呪縛の家』濱田龍臣インタビュー 「たくさんのことを学び、発見しながら挑んでいきたい」

――ありがとうございます。ところで、濱田さんは、このところコンスタントに舞台作品にも出演されている印象がありますが、今、舞台に出演することに対して、どんなことを感じていますか?

リアルタイムでお芝居をするのは、こんなに面白いんだとすごく感じました。役者は、いかにうまく嘘をつくかというお仕事だと思うのですが、でもその嘘をリアルタイムで見ていたらボロが出る瞬間は、絶対にあるものです。舞台では、そうしたボロが出てしまう瞬間もあるけれどもそれすら面白いし、やり切れた時には達成感もある。2020年に「大地」(Social Distancing  Version)に出演させていただいたのですが、その頃はまだ緊急事態宣言が明けたばかりで、お客さま全員がマスクをつけて、ソーシャルディスタンスを守って…という時期でしたが、やはりお客さまの表情を生で見られるというのはすごいことなんだなと感じました。それは、映像では絶対に味わえない面白さです。もちろん、映像には映像の面白さがあるのですが。舞台は1度始まってしまえば、よっぽどのことがない限りは止まらない。誰にも止めることはできない芸術なんだなと、表現方法としてとても面白いものだなと実感しました

――昨年はミュージカルにも挑戦されましたね。新たな発見はありましたか?

呼吸に関しては、ミュージカルに出演したことで、さらに深い知見を得たなと思っています。もちろん、「大地」の時にも、そうそうたるキャスト陣の皆さま、大先輩方から色々なことを教えていただいて、発声に関しても教えていただいたのですが、セリフが歌になるというのはまた違ったものがあり、歌の発声や息を吸うタイミングなど新たに学ぶことも多かったです。ミュージカル『東京ラブストーリー』の時は、オーケストラの皆さんの演奏と一緒に物語が進んでいくので、自分主体で演技ができるわけではないんですよ。たくさんの人たちが一つになって作り上げていくからこそ、どれだけ効率よく呼吸をするかや、歌詞の言葉をどう伝えるかなど、学ぶことが多かったです。でも、その時は、本当に右も左もわからなかったですし、共演者の方々も数々の大作に出ているようなすごい方で、ダブルキャストで僕と同じ役を演じていらっしゃった方は劇団四季で活躍された方(苦笑)。本当にプレッシャーに押しつぶされそうでしたが、自分で自分の強みを作って、少しでもと思って頑張った作品でした。あんなに頑張ったことはなかなかないなというくらい、とにかく全力でした。僕は、自宅に仕事を持ち込みたくないタイプなんですよ。なので、家で台本を開くことはほとんどないんです。ですが、『東京ラブストーリー』の時は家で台本や楽譜を開いて、録音を聞いて、風呂で歌って…と、どっぷりミュージカルに浸かった生活を数ヶ月送っていたので楽しかったですね。

――かなり大きな挑戦だったんですね。仕事をしていく上では、「挑戦」を続けていきたいという思いは大きいのですか?

何事も挑戦だとは思っているので、できること、やれることは増やしていきたいですし、やったことがないことにも挑んでいきたいと思ってはいます。ミュージカルもそうですが、昨年は映像作品で殺し屋の役をやったり、刑事ものにゲストで出演させていただいたりもして、求められるものが増えてきているのを肌で感じているので、もっともっと幅を広げて、松下のような包容力で、色々なキャラクターを包んでお芝居ができたらいいなと思います。そのためにも、挑戦をし続けて、歩みを止めることなく進んでいきたいと思います。歩みを止めて考えなくなってしまったら、役者として死んでしまうと思っているので、役者として生き続けるために考えて、挑戦して、ぶつかって砕けて、砕けてもめげずに進んでいき、そこからさらに自分自身を確固たるものにして、生涯現役を貫き通したいと思っています。

――そうすると、俳優としての目指す姿は「生涯現役」ですか?

そうですね。僕は、この仕事以外のお仕事ができる気がしないと思いますし、自分自身、このお仕事が向いていると思うので。

――ちなみにプライベートでは、何か今、挑戦したいことはありますか?

最近、あまりプライベートの時間がないので、考える余裕がなくて、寝てばかりいるのですが(苦笑)。以前にお仕事でギターを弾く役をやったことがあって、その時に、ギターのレッスンにも通い、練習用のギターも買ったので、せっかくなのでもう少し弾けるようになりたいなとは思います。それから、ゲームが大好きなので、ゲーム関係のことを広げていきたいと思います。

――ところで、今日のお衣裳は、稽古着とお聞きしました。稽古着はいつもツナギだそうですが、どんなこだわりがあるんですか?

それほどこだわりがあるわけではないんですが、2020年くらいかな、ツナギがオシャレだという時期があったじゃないですか。その頃にいいなと思って、ワークマンで3000円で買ったものなんですよ。楽なんじゃないかなと思って買ったら、使い勝手が本当に良くて。それで、買い足して、今は2着あります。稽古場もそうですし、劇場に入ってからも着ています。化粧をしていても脱ぎ着がしやすいですし、上下がセットになっているのでジャージのように上着を忘れてしまうということもない(笑)。地方公演の時は、ツナギと泊まる日数分のTシャツだけ持っていけば、あとはいらないんですよ。そう考えるとめちゃくちゃ楽だなと。なので、今はツナギです。

――映像作品の現場もツナギですか?

そこは違うんですよ。映像の時はどれだけ早く脱げるかを考えて、ベルトではなく、ヒモで縛るタイプのパンツと、オーバーサイズのTシャツ。冬ならその上にボアジャケットを着て行って、現場に入ったら、すぐに脱いで衣裳に着替えて…という感じです。面倒くさがり屋なので、いかに楽にできるかを考えています(笑)。

――ありがとうございました! では、最後に改めて公演への意気込みや作品の見どころを教えてください。

私、濱田龍臣としては初めての探偵の助手ポジションを演じさせていただきます。シャーロック・ホームズに対するワトソンのようなポジションです。自分自身が今まで積み上げてきたものをフルに活用して、たくさんのことを学び、発見しながら挑んでいきたいと思います。松下がいるからこそ、神津は自由気ままに推理をしていけるのですが、それと同じように2作目の主演舞台でプレッシャーを感じているであろう林くんを少しでも支えて、シリーズの幕開けを盛大に飾れればと思います。初日まで精一杯稽古に臨み、進化していきたいと思っています。

<公演概要>
神津恭介シリーズより『呪縛の家』

演出・構成:野坂 実 
脚本:須貝 英
音楽:村井邦彦、上野耕路 
原作:高木彬光『呪縛の家』(光文社文庫)
出演:林 一敬(ジャニーズJr.)/濱田龍臣 手島麗央(ジャニーズJr.)/
   入山杏奈 神志那結衣 太田奈緒 賀集利樹 福室莉音
   岡田達也/内海光司/片岡鶴太郎(特別出演)
   太田秀介 東井隆希
【東京】2023年8月26日(土)〜9月3日(日)
場所:サンシャイン劇場(東京都豊島区東池袋3-1-4 サンシャインシティ 文化会館4F)
【福岡】2023年9月16日(土)~17日(日) 
場所:キャナルシティ劇場(福岡県福岡市博多区住吉1-2-1キャナルシティ博多ノースビル4F)
【大阪】2023年9月21日(木)〜24日(日) 
場所:サンケイホールブリーゼ(大阪府大阪市北区梅田2丁目4-9 ブリーゼタワー7F)
チケット料金(全席指定・税込):S席 前売 9,500円/当日 10,000円
                A席 前売 8,500円/当日 9,000円
公式サイト: https://nosakalabo.jp/kamizu-01/
<主催・問合せ> 株式会社ノサカラボ
TEL:050-3159-9601   MAIL: info@nosakalabo.jp   WEB: https://nosakalabo.jp

 

 

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