2月7日(水)、KAAT神奈川芸術劇場にて舞台『バリーターク』の制作発表会が行われ、キャストの草彅剛、松尾諭、小林勝也、そして本劇場芸術監督・演出の白井晃が登壇した。本作品はアイルランドの劇作家エンダ・ウォルシュによる戯曲を白井が演出、日本初演となる。KAAT神奈川芸術劇場と世田谷パブリックシアター共同制作で4月14日より開幕する。
白井晃
(3人の起用について)「本を読んだとき理想のイメージとして思い浮かんだ。日常の中にいても日常観のない方々にやってもらいたいと。『自分の存在って何だろう』と思っている草彅さんが魅力的だと思ったんです。それで、ぼやーっと『そうだよ、分らないな。俺たち』と言っている松尾さんが浮かんで、それが僕のイメージスタート。さらに、3の男としては先輩で尊敬している小林さんにやっていただけたらという強い思いがありました」
(本作について)「一見読んでみて“どこの世界?”だの“何をしゃべっているんだろう?”という不思議な物語。普遍的な“生”はどこに行くのだろうか?ということを感じさせてくれる、滑稽でもあり、詩情溢れる作品です」
(世田谷パブリックシアターとの共同制作について)「共同制作は今までになかったケース。公共劇場同士が一緒にやることで、作品も観客との出会いも拡がっていく。経済的なメリットもありますが、一緒にやることで、営利中心の民間劇場ではできないようなプログラムができる。わかりにくい作品でもそれを観たいお客さまがいるはず」
草彅剛
「僕も久しぶりの舞台。海外の作品で難しい描写やセリフがあるんですが、これも愉しんで、未知なる自分を追い求めて舞台に立ちたいと思います。(松尾、小林とは)ほぼ、今日が初対面。(本作については)普遍的な“生”“死”が描かれていることが感じ取れ、今までにやったことのない内容と思いました。(3年ぶりの舞台について)舞台に立つのは怖いです。緊張しますし、そこが愉しいところでもあるので。稲垣吾郎さんに至っては、この舞台をやることは知らないんじゃないかと思います。いろいろアドバイスをもらいたいなと思います」
松尾諭
「普段は端の方でギャーギャーやっていることが多いので、そういうことが性に合っているタイプなんですけど、今回は真ん中の方で、ワーワーやる役。セリフも多く体をすごく動かして、不安も含めて愉しみがいっぱいです。白井さんに稽古で怒られて、草彅さんや小林さんに『なんやコイツ』と思われることがたくさんあると思うのですけど、できあがりはすごく愉しいものをお見せできるよう頑張ります。(本作の印象について)本を読んで、一度目はチンプンカンプン、二回目読んだらもっと分らなくなったんで、三回目はまだ読んでないです。ただ、この作品も余白というか“観る側”と“やる側”で、どんどん埋めていけると思っているんで、自分自身この本に向き合って、頭の中で膨らんで面白くなっていくのが愉しみですね」
小林勝也
「かなり難しいというか、変わっている、やってみないと分らない。今回が最高位だと思います。分量的にも難解さをどうやっていくか、半ば緊張しながら愉しみにしています」
舞台『バリーターク』
演出:白井晃
出演:草彅剛、松尾諭、小林勝也
4月14日(土)~5月6日(日)KAAT神奈川芸術劇場
5月12日(土)~6月3日(日)シアタートラム
6月16日(土)・17日(日)兵庫県芸術文化センター