取材:記事・写真/RanRanEntertainment
KinKi Kidsの堂本光一とミュージカル界のプリンス、井上芳雄が共演するミュージカル『ナイツ・テイル~騎士物語~』の製作発表が5月31日(木)都内にて行われ、堂本、井上と共に音月桂、岸祐二、大澄賢也、島田歌穂、さらに脚本・演出を務めるジョン・ケアードと、振付のデヴィット・パーソンズ、ケアードの妻であり、本作の日本語脚本・歌詞を務める今井麻緒子、東宝取締役演劇担当・池田篤郎が登壇した。
左から 池田篤郎 今井麻緒子 デヴィット・パーソンズ 島田歌穂 大澄賢也 岸祐二
上白石萌音 井上芳雄 ジョン・ケアード 堂本光一 音月桂
本作はシェイクスピア最後の作品として知られる『二人の貴公子』(共作・ジョン・フレッチャー)をもとに新たな脚本・音楽・振付・演出で製作される。7月27日(金)から東京・帝国劇場にて上演される本公演が世界初演となる。
ケアードは「堂本と井上で何かいい作品を」とオファーを受けたことに「まったく違う背景を持つ二人…光一さんは音楽、芳雄さんは演劇・・・この二人が共に仕事をすることでいい緊張感が生まれると思います。が、男性同士が同等の立場で登場する作品…『ロミオ&ロミオ』みたいな作品を探すのは非常に難しかった」と笑う。そこからシェイクスピア最後の作品『二人の貴公子』にたどり着いたことに触れていた。
パーソンズは「本作は、ダンスによって物語を進めていく作品となります。作中で描かれるダンス、闘い、そしてコメディにキャストの方々が一丸となって取り組んでいただきたいと思います」とコメント。
2000年からスタートした『SHOCK』シリーズで帝劇初出演した堂本、一方、井上も同年のミュージカル『エリザベート』のルドルフ役で帝劇に初登場したという「帝劇同期」の二人。『SHOCK』以外の舞台に立つのは初となる堂本は開口一番「…ヤバイでしょ!」と笑いを誘う。改めて本作について「いつか芳雄君と一緒にやりたい、と言っていたが、ジョンがそれを受け止めてくださり、一つずつ形となっていきました。正直ここに自分が飛び込んでしまったことを大変なことだ、と思っています。できれば客席で観たい…と言ったらきっと怒られますけど(笑)。右を見ても左を見ても素晴らしい方たちと共にできるということを嬉しく、畏れ多く、怖い、と感じています」と正直な思いを述べる。
今回共演する井上については「昨日から芳雄くんは稽古に入ったんですが、この仕事より素敵な仕事をやっていて…」と、まもなく始まるアメリカ演劇最大の祭典・トニー賞の現地取材から戻ってきた井上をいじる。「口が悪いでしょ!」と突っ込み返す井上に笑いながら堂本は、本作のポスターを横目で見ながら「このポスターのようにステージ上で脱ぐシーンがあるのか、もしそんな場面があるなら芳雄くんは『舞台を降りる』と言っていました(笑)」とさらに毒づく。そして「非常に形にするのが大変だというこの作品、ケアードさんに少しずつ教えていただきながら稽古をしたことで、それまではシェイクスピアは遠くにある存在だったんですが、すごく身近な存在に思えるようになりました」とまじめに締めていた。
井上は先ほどの堂本からの突っ込みを説明するように話を始める。「24日に顔合わせがあったあと、その足で僕はニューヨークに飛び、トニー賞のレポートをしてくるお仕事があって、ほとんど稽古に参加できてなく、皆さんにも馴染めておらず非常に感じ悪い人になってます(笑)。でもこれからだと思っています」と話し出す。「僕が演じるパラモンは光一くんの演じるアーサイトの従兄弟という関係で、二人は友人でありライバルという役柄。ケアードは『アーサイトとパラモンはお互いの事を羨ましがっている。だからこそ信頼もおけるしいがみ合うこともある』と説明してくれました。
僕は別に光一くんになりたい、などと大それたことを思ったことはないんですが、でもどこかですごいなと思っていました。これまで光一くんは『SHOCK』を続けており、何の問題もない世界にいたのに、そこから一歩外に踏み出してみよう、と思ってくれたことがすごいと思うんです。そこにはリスクもあるだろうし(横から光一が『後悔も…』とボソッとつぶやくと)後悔って今更遅いよ(笑)!…その心意気に共感しました。僕はホームグラウンドで光一くんを迎え入れる立場。『今回は余裕でできるのかな』と思っていたんですが、この作品が“ダンス・ミュージカル”だと聞き…『それは聞いてない』と言いました(笑)。僕はダンスを得意としていませんし、新しいポスターの僕の裸は筋肉を盛って描いていただいていますから(笑)。光一くんはこの肉体のままなんですけどね…」(ケアードが「このポスターくらい、芳雄に筋肉を付けさせますから」と口を挟む)。僕にとっても全然楽な舞台にはならないと思うので、二人で力を合わせ、新しいリスクを背負って踏み出していこうと思います」
二人の騎士に一目惚れされるエミーリア役の音月は「当時女性が結婚相手を決めることは厳しく、特に位の高い女性は家のため、国のために政略結婚をせざるを得ない時代でした。そんな中、エミーリアは独立心が強く、芯の強い女性だなと脚本を読み、感じました。その女性が二人の騎士に出会ったことで変化し、自立する様は観てくださる方にも共感していただけると思います。帝国劇場に立つのは初めてで、憧れの劇場に立てることを今から楽しみにしています。宝塚では男役として王子様を演じる方が多かったんですが、ああ今回は女性役でいいんだ、と思っています。(堂本「音月さんがナイトをやったほうがいいんじゃない?」井上「3人でナイトをやろう」と茶々を入れる)・幸せを噛みしめながらいい作品を作れるように、作品の一ピースになれるようにやっていきたいです」と笑顔を見せた。
テーベの敵国・アテネの大公シーシアスを演じる岸は「できれば名前だけでも憶えて帰っていただきたいと思っています(笑)。僕はケアードさんが演出した2003年の帝国劇場『レ・ミゼラブル』にアンサンブルとして初めて立たせていただき、それから15年、ケアードさんが演出するこの作品のメインキャストの一人としてまたここに再び立てることを光栄に思っています。妹役に綺麗な音月さんを、さらに僕にとっての伝説の歌姫である(島田)歌穂さんを嫁にするというこんな興奮する出来事は人生そうそうないと思います。また先輩(大澄)賢也さんは僕にとってはお兄さんのような人です」を喜びを口にした。
ジェロルド役の大澄は「共演する方々に縁を感じています。光一くんとは25年くらい前、ドラマ『家なき子』で共演、当時光一くんは中学生でした。そして芳雄くんとは『ウェディング・シンガー』で共演…一人ひとりが帝劇を1か月~3か月とソールドアウトするような人が合わさったらどうなっちゃうんだろう、そこにケアードさんやパーソンズさんが加わりますから、贅沢な作品だなと思っています。自分も30数年踊ってきましたが、また新人のつもりで皆と一緒に楽しみながら、吸収するつもりでやっていきたいです」と昔を振り返りながら思いを述べる。
最後にアマゾンの女王ヒポリタを演じる島田は「ケアードさんと初めてお会いしたのは今から32年前。『レ・ミゼラブル』初演のオーディションでした。私の人生を大きく拓いてくださった、心から尊敬している一生の恩人だとおもっています。『ベガーズ・オペラ』でも共演しましたが、今回大人な役どころで出演できることを楽しみにしています」と微笑んだ。
この日は他の仕事の都合で映像出演となった上白石萌音は牢番の娘を演じる。「小さい頃からミュージカルが大好きでこの仕事を始めたのもミュージカルをやりたいと思ったからです。大先輩たちと一緒に舞台に立てること、世界的なスタッフの皆さまとご一緒できること、大変光栄、楽しみにしています。帝劇は初めて。皆さんの背中を追いかけていきたいです」と伝えていた。
『ナイツ・テイル~騎士物語~』は東京・帝国劇場にて7月27日~8月29日まで。7月25、26日はプレビュー公演となる。
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