取材：記事・写真/RanRanEntertainment
2018年7月7日（土）東京・紀伊國屋ホールにて、『つかこうへい生誕70周年記念特別公演 新・幕末純情伝 FAKE NEWS』が初日を迎えた。初日直前には公開ゲネプロ（通し稽古）と囲み会見が行われ、主人公・沖田総司役を演じる北原里英と、味方良介、小松準弥、田中涼星、増子敦貴、松村龍之介、細貝圭が登場し、初日に向けた今の心境を語った。
田中涼星 松村龍之介 小松準弥 北原里英 味方良介 増子敦貴 細貝圭 河毛俊作
幕末の日本に深い爪痕を残した新撰組。その中心人物の一人である沖田総司が実は女だった―昭和と平成の演劇界を代表する劇作家・つかこうへいが生み出した本作は、これまで様々なキャストで何度も上演されてきた。今回は、フジテレビドラマ制作部ゼネラルディレクター・河毛俊作が演出を務め、新鮮な目線から作品を作り込んだ。
AKB48、SKE48を経て今年4月にNGT48を卒業した北原は、これがほぼ初舞台にして初主演となる。「汗だくになりながら約1ヶ月、稽古をしてきました。その想いを全部、公演にぶつけていきたいです」と初日前とは思えない落ち着いたトーンで語った。だが、そうはいってもやはり緊張しているのも事実で「夜は眠れなかったりドキドキしていました」とクシャッと笑った。稽古中には『熱海殺人事件』に出演経験のある木崎ゆりあ、また2016年の『新・幕末純情伝』で沖田役を演じた松井玲奈、そして同期の仁藤萌乃ほか、舞台経験豊富なAKB時代の仲間たちから何かと助けてもらったそうだ。
坂本龍馬役の味方は、以前は本作で桂小五郎役を演じ、また『熱海殺人事件』にも出演してきた。「今回、坂本龍馬としてまた本作に出演させていただける事になりました。つかさんの想いや、つかさんを支えてきた人たちが紡いできた事を、僕らの世代がきちんと伝え、この作品を10年、20年と続いていけるように頑張っていかなければ」と気合いを入れた。
土方歳三役の小松は「とにかく総司を愛し、百姓出身の武士魂、見せつけてやりたいと思います！」と声を張り上げる。その姿に味方が「バキバキじゃん…どうした!?稽古場でも見たことない（笑）」と突っ込まれ、全員大笑い。
新撰組隊士・二宮役の増子は小松のテンションの高さを受けて「（挨拶が）やりづらい」と笑いつつも「新撰組の二宮らしく突っ走りたいです。熱い稽古をやってきたので、それを本番でガツンと全力でやりたいと思います」と語った。
桂小五郎役の田中は、稽古場の“熱”の高さを匂わせる。「1ヶ月かいた汗を信じて、千秋楽までがんばっていきたい」また、岡田以蔵役の松村も「暑い日が続く中、皆で鍛錬してきましたが、夏の暑さに負けないぐらいの熱い気持ちで、精一杯やらせていただきたい」とコメントした。
細貝『新・幕末純情伝』に4回目の出演となる。「今回の『FAKE NEWS』は、河毛さんが、今まで伝わりにくかった部分をかなり分かりやすく、初めてつかさんの作品を観る方にも楽しんでいただけるようにしてくださった」とこれまでとの違いに触れていた。
その河毛は「稽古場でやってきた事は、小屋（劇場）に入った後、やってきたこと以上のことをお客様に見せるための基礎となります。撮ったものがすべて、という映像作品とは違い、（舞台の）本番はこれからですから。1か月間の稽古場で見られなかったものを本番では見せてもらえるのでは。それがいちばんの楽しみです。彼らを信じています」と若者たちに信頼と期待を寄せた。
つか作品出演の感想を求められると、北原は「もう一生会うことが出来ないつかさんに、作品を通じてどこかで繋がれたような気がしています」と想いを馳せていた。
公開ゲネプロでは、北原はじめ、出演者たち全員につかこうへいの魂が乗り移り、そして時代を揺るがした新撰組や坂本龍馬、岡田以蔵の人生を熱く激しく生き抜いていた。「千秋楽まで一人もケガなどで欠けることなく突っ走りたい」と願う北原の想いと共に約1ヶ月間、彼らの戦いは続いていく。
『つかこうへい生誕70周年記念特別公演 新・幕末純情伝 FAKE NEWS』
2018年7月7日（土）～2018年7月30日（月） 紀伊國屋ホール
作：つかこうへい
演出：河毛俊作
出演：北原里英、味方良介、小松準弥、田中涼星、増子敦貴、松村龍之介、細貝圭、ほか
