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2019年11月21日 14:42

松下優也インタビュー ミュージカル『サンセット大通り』平方元基とのWキャストに「意識しなくても自然と違いは出る」

取材:記事/RanRanEntertainment
写真/オフィシャル

1995年にトニー賞最優秀ミュージカル作品賞を獲得、日本では2012年に初演されて以降、多くのファンから愛されているミュージカル『サンセット大通り』の待望の再々演が20203月に決定した。本作の舞台は、ハリウッドのサンセット大通りに面する邸宅。売れない脚本家のジョー・ギリスが、大豪邸に住むかつての大女優ノーマ・デスモンドと出会い、彼女の悲哀や孤独に巻き込まれていく姿を描く。2015年の公演に続き、ノーマ役を安蘭けいと濱田めぐみがWキャストで務める。今回、ランランエンタメでは、ジョー役に平方元基とともにWキャストで挑む松下優也に、作品への思いを聞いた。

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――(取材当日は、ビジュアル撮影の日のため)ビジュアル撮影はいかがでしたか?

今はまだ役柄についても想像しかできませんが、意識して撮影はしました。安蘭さんと一緒に撮影をさせていただいたので、表情は特に意識しましたね。

――完成が楽しみです。では、改めて、ご出演が決定していかがでしたか?

自分にこういう役が来ると思わなかったので、素直に嬉しかったです。

――今回は、平方さんとWキャストですね。

緊張します。今は、楽しみな気持ちとナーバスな気持ちと、両方があります。

――平方さんの印象は?

ミュージカルで活躍されている、歌がとても上手な方という印象があります。僕は、アーティストとしての活動からスタートして俳優のお仕事をさせていただいているので、平方さんと僕は全然違う入口から入ってきているんですよ。そういった意味でも面白いなと思っています。平方さんからは、たくさん学ぶことがあると思うので、勉強させてもらって、吸収させてもらえたらと思っています。

――ミュージカルに出演される時に、何を一番に意識されますか?

歌へのアプローチの仕方です。ストレートプレイや映像とミュージカルは、見せ方が全く変わってくると思うんです。特に、歌へのアプローチは大切だと思うので、普段の音楽活動とはまた違って、意識はしています。特に今回は日本人の役ではないので、そういう意味でも重点を置いています。

――アーティスト活動で歌う時とミュージカルで歌う時と、どのような違いを意識されているのでしょうか?

アーティスト活動の時は、自分が伝えたいものを書いて歌っているので、ミュージカルで役を通して歌うというのとは、伝えることが全く違います。ミュージカルでは、セリフがメロディーになっていること歌うので、感情の伝え方も変わりますね。

――ジョーという役について、今、現在はどのように捉えていますか?

色々な状況に追い込まれている人物なので、そういう人物を演じるのは演じがいがあると思っています。

――安蘭さんとは初共演、濱田さんとは2018年の「新感線☆RS『メタルマクベス』disc1」以来の2度目の共演です。お二人にはどんな印象がありますか?

(濱田)めぐさんは、とにかく歌がすばらしくうまい方。格好いいですよね。『メタルマクベス』はミュージカルという楽曲ではなくて、メタルな感じの曲も多かったのですが、「ミュージカルの方がこれを歌うの?」って思うような楽曲も唸るように歌っていたので、とにかく格好いいなと思いました。

安蘭さんとは共演させていただくのは今回が初ですが、ミュージカル『アリス・イン・ワンダーランド』を観劇させていただいたことがあります。歌は素敵ですし、スタイルもお芝居も華があるなと感じました。近寄りがたい雰囲気があるのかなと思っていたのですが、今日、ビジュアル撮影でご一緒したら、全くそんなことはなくて、関西弁でお話ししてくださったので、親近感が湧きました。僕も兵庫県出身で、普段は関西弁を話しているので、関西弁には親近感があるんです。いい関係が築けるんじゃないかなと思っています。

――本作は、『キャッツ』や『オペラ座の怪人』などのアンドリュー・ロイド=ウェバーによる楽曲も魅力の一つです。彼の楽曲にはどのような印象がありますか?

本作の楽曲を何曲かすでに聞かせていただきましたが、難しい曲が多いという印象がありました。もちろん、華やかさはありますが、歌いがいがありそうです

――日本初演から演出を担当されている鈴木裕美さんの演出についてはいかがですか?

裕美さんとは『花より男子 The Musical』でご一緒させていただきましたが、厳しい方というイメージがあります(苦笑)。2年ほど前ですが、出演者たちもみんな若かったこともあって、すごく丁寧に、“授業”のようにお芝居について教えてもらいました。

――どんな“授業”だったんですか?

「舞台や演劇には流れや波があって、その後のシーンがどうであるかによって、今がどうあるべきかが見えてくる」というお話をホワイトボードに書いて教えてくださったのが印象的でした。それから、僕らが考えるということに対して、ヒントを出してくださって、時間をかけて演出してくださる方だなと思いました。裕美さんとはそれ以来になりますが、今回も勘を鋭く研ぎ澄ましていかないといけないなと思います。

――気合いを入れて稽古に臨む、と?

稽古自体が練習なので、稽古場に入る前には、音楽やセリフを早く覚えるということくらいではありますが、まずはそのできることはしようと思います。

――松下さんは、役作りはどのようにされているんですか? 稽古場で作っていくタイプでしょうか?

稽古場で作るタイプです。自分の中にある引き出しだけで作ってしまうと、面白くないんじゃないかなと思うんです。共演している方や演出家の方の言葉に対応していって、まずは自分の知らない潜在的にある引き出しを開けてもらいたいんです。そこがお芝居の楽しいところでもあると思っているので、稽古場に入ってから作っていくことが多いです。

――今現在、本作の稽古に期待していることは?

音楽が楽しみです。それから、僕はWキャストで出演させていただくのは初めてのことなので、どのような形になるのか楽しみです。

――Wキャストをやるにあたっては、意識して違いを出したいと思いますか?

意識しようとは思わないです。むしろ、意識してしまうと、それは違う方向にいってしまうような気がします。でも、意識しなくても自然と違いは出てくると思います。

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――アーティスト活動とお芝居では、それぞれどんなところに魅力を感じていらっしゃいますか?

音楽はずっと好きで、この業界に入ったのも音楽がきっかけでした。自分が仕事をする上で感じることだったり、生きていく上で感じることだったりを、純粋に表現できるのが、僕にとっての音楽活動です。お芝居は「自分からかけ離れているもの」です。自分じゃない人を演じる。音楽は「自分」だと思っているので、そこに違いを強く感じます。だからどちらも楽しいんです。お芝居では自分が経験できないことを、技術的にも体験できて、感じることができて、それを音楽で自分のものとして表現しています。

――具体的に、芝居をやったことで音楽が変わったということもあるんですか?

ありますね。お芝居をすることで、「疑似体験」ができるんです。普通に生活していたら、ドラマティックなことってそれほど起こることでもないですが、お芝居をやっていたら色々な自分、色々な感情になりますよね。その瞬間に書けるもの(歌や歌詞)があるんです。自分だけの価値観では音楽の幅も狭まってしまうと思いますが、お芝居をやっていることでそれは広がったと思います。そういう意味で音楽にも還元できていると思います。

――では、将来、目指すところは? どんな姿を思い描いていますか?

僕は今、音楽もやらせてもらっていますが、映像のお芝居もやらせてもらっていますし、ミュージカルもストレートプレイもやらせてもらっています。アーティストなのか、俳優なのか、ミュージカルの人なのか、なんだろうこの人みたいに思う方もいると思いますが、でも、今は、それでも面白いと思えて、やりがいを感じることを続けていきたいと思っています。これということは決めつけずに色々とやってみたら何かが変わるかもしれない。そう思って、色々なことに挑戦していきたいです。僕、10代の頃は、それほど芝居をやりたいとは思っていなかったんですよ。でも、やっていく中で好きになっていきました。なので、やる前から、これはやらないと決めつけちゃいけないなと思っていて…。色々なことを経験して、色々な気持ちになって、それで自分が形成されていっている気がするので、今はまだ何かを決めずに進んでいきたいと思っています。その上で、自分は色々な人に憧れてこの世界を目指したいと思ったので、これからの下の世代の人たちに夢を持ってもらえるような存在になれたらなと思います。

――ちなみに、最初に芸能界に入ろうと思った時に、憧れた方は?

最初は歌って踊るアーティストに憧れていました。僕は世代的に、「DA PUMP」さんや「w-inds.」さんとかがめちゃめちゃ人気がある時期だったので、格好いいなと憧れがありました。歌うのはもともと好きだったんですが、踊るのも格好いいと思って、それがきっかけでダンスを始めたんですよ。その後、芸能活動を始めてからは、ブラックミュージックやマイケル・ジャクソンが好きでした。

――役者として、影響を受けた方は?

たくさんいますが、ブラックミュージックが好きなので、ウィル・スミスやデンゼル・ワシントンが大好きです。日本の俳優さんでしたら、真田広之さんも素敵ですね。でも、まず男として格好いいと思わないと、憧れにはならないと思うので、自分も、お芝居どうこうの前に人として格好良くありたいと思っています。

――公演に向けての意気込みを。

昔からたくさんの方に愛されている作品だと思うので、この作品を大事に演じられたらと思います。丁寧にお芝居を作って、丁寧に歌っていきたいです。たくさんの方に観ていただけたらと思います。

ミュージカル『サンセット大通り』

2020年3月14日(土)~29日(日)に東京国際フォーラム ホールCで上演

作曲:アンドリュー・ロイド=ウェバー
脚本・作詞:ドン・ブラック、クリストファー・ハンプトン
演出:鈴木裕美
修辞・訳詞:中島淳彦

キャスト
安蘭けい/松下優也
濱田めぐみ/平方元基
山路和弘/平野 綾
太田基裕/戸井勝海/浜畑賢吉 他

 

 

 

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