
韓国の巨匠パク・チャヌク監督による最新作、3月6日公開となる映画『しあわせな選択』のジャパンプレミアイベントが2月27日(金) にTOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われ、パク・チャヌク監督とともに主演のイ・ビョンホン、そして特別ゲストとして河合優実が登壇した。映画のプロモーションとしての来日は、パク・チャヌク監督は2022年12月以来約3年ぶり、イ・ビョンホンは2017年以来9年ぶりとなる。

冒頭、パク・チャヌク監督は「日本は一番近い国なんですけれども、公開は一番遅くなりました」と笑顔で挨拶。原作小説『斧』について「失業した人が自分の仕事を取り戻すために主人公がある選択をするが、その選択の仕方が特別でした。やりたい仕事があったとして、その職に誰かが就いていたら、その人が病気になるのを待って、その職が空けば自分がそこに入るということは誰でも考えると思うんですけれども、この主人公が考えた計画は、それとは違うもの。たくさん頭をひねって、頭を使って、ある奇抜な方法を取るというところにとても惹かれました」とコメント。また映画化について「当初アメリカ映画として作る予定で努力を重ねてきたんですが、出資が叶わず韓国映画として作ることになったんですが、その間、長い歳月、長い時間が経ちました。アメリカ映画から韓国映画に変わったというのは、一つの運命だったのではと思っています。それは、イ・ビョンホンさんと出会えた。つまりイ・ビョンホンさんと出会うために韓国映画になったのではないかなと思いました」とイ・ビョンホンとの共演を喜んだ。

そして、イ・ビョンホンは「皆様、本当にお久しぶりです。韓国で映画が公開されますと、日本から直接韓国にお越しになる方々もいらっしゃるんです。既に韓国でご覧になったファンの方々も少し目に付きます。皆さんにお会いすることができ、とても嬉しいです」と挨拶。さらに「この映画を通して、韓国、イギリス、カナダ、アメリカの観客の皆さんに会ったんですけれども、ついに日本の観客の皆さんにこの映画をお見せするようになりました。皆さんがこの映画を見て、どう感じるのか、そのリアクションがとても気になります。僕たちが意図していたもの、この映画を通して見せようと思っていたもの、そういった全ての感情を皆さんが受け入れていただけたらいいなと思っています」と呼びかけた。


イ・ビョンホンは「この映画のちょっと変わっている点はすごく面白いこと。面白くて笑うんですけれども、ふっと何か寂しい気持ちになって憂鬱な気分になったかと思うと、また爆笑するというとても不思議な映画なんです。この映画は、パク・チャヌク監督の映画の中で最もユーモアに溢れる映画。演技する僕にとっては、この笑うシーンがすごく多い。あまりにも笑わせようという意図が見えすぎてしまうと、観客の方々が一歩引いてしまう。なので、キャラクターが持っている感情に忠実に、切実な思いで演じようと努力しながら演技をしました」と役作りについてコメントした。
シリアスとユーモアのバランスが絶妙の本作について、パク・チャヌク監督は「(シリアスとユーモアの)全く異なるものが混ざり合うということではなくて、その両者は切り離せないもので、ひとつの塊、つまりひとつのことなんだと思いました。私たちの人生もそれと似ている気がするんです。この作品も笑えて面白いなと思っていると、ふと悲しいと思ったりする。またその段階になると滑稽だと思ったりしますので、一気に様々なその感情が押し寄せてきますので、それがひとつとなって機能してほしいと願っていました」と説明した。

このあと、特別ゲストとして河合優実が登場、二人に花束を贈呈した。河合は「日本での公開おめでとうございます。パク・チャヌク監督の新作、イ・ビョンホンさんの新作を待ち望んでいる映画ファンは日本にたくさんおります。映画ファンを代表してお礼を伝えにお邪魔いたしました」と緊張気味に挨拶。いち早く本作を鑑賞した河合は「本当に面白かったです。私の世代にとっては本当にレジェンドのようなお二方がこんなにも挑戦的に楽しませてくれて、映画の世界に迷い込ませてくれて、そのことがとても嬉しかったです」と感謝の言葉を述べた。
対して、パク・チャヌク監督は「レジェンドと言ってくださったけれども、内心は年寄りが面白い映画を撮ったという意味なのかなと、いずれにしても本当に嬉しいです」、またイ・ビョンホンは「河合さんの作品を拝見し、年齢の割にすごく力があると思っていました。そんな方が僕たちのこの映画をお祝いするために来てくださった。会いたいと思っていた俳優さんと、このような形で会うことができ、とっても光栄だなと思います」とコメント。

改めて、河合は「お二人があれだけの長いキャリアを積まれて、この映画でなお新たに学んだこと、新しく吸収したことが何かあったら教えてほしいです」と問いかけた。
パク・チャヌク監督は「いまだに学ぶことは常にあるんです。というのは、作品を撮るたびに新しい俳優と出会うから。監督にとっては何よりも俳優の存在が本当に大切なんです。その俳優さんがどんなに若かったとしても、初めて会うときはとても緊張します。その俳優さんに合った演出をすべきだと思いますので、その俳優さんがこれまで見せたことのない姿や一面を探して、観客の皆さんにお届けしたいと思っています。ですから、俳優さんについて研究したり、会話をしたり、そして新しい面や得意なものは何なのかをいつも探しています。それが私にとっての学びの過程になります」と映画への原動力を語った。
また、イ・ビョンホンは「パク監督とは25年前に一緒に作品を作り、この25年の間継続して緊密な関係を維持してきた監督さん。今回、また一緒にお仕事をすることによって、監督の仕事に対する情熱などを見て、学ぶ点が多いと思いました。自分の望むものを得るまでは絶え間なく考え、そして試行錯誤をする。そういった姿を見て、自分自身の映画に対する姿勢について反省し、もっとしっかりしなければいけないなと改めて感じる、そんな時間でした」と回想した。

映画への抱負について、パク・チャヌク監督は「劇場、映画館を守りたい。新しいことをするよりも、今まで私たちがずっと持ち続けてきたものを守りたい。守るということが至急の課題なのではないかと思っています。映画を最上の状態で楽しむためには映画館に来るべきで、その命題を観客の皆さんにも切実に感じていただければ」、イ・ビョンホンは「人間が表現できる新たな感情のスタイルを探し続けて、それを経験して表現をしてみたいという思いがあります」、そして河合は「映画の形が変わり、映画が危機に瀕している感覚があるので、これからどういう形で映画を残していくかということに取り組んでいきたい」と三人三様の思いをコメントした。
最後にパク・チャヌク監督は「私の作品に対して先入観を持っているのではと思うんです。でも、これから観ていただく作品はとても笑える場面がたくさんあります。笑ってほしいと思って作っていますので、ためらわずに笑ってほしいです」、イ・ビョンホンは「この映画が持っているテーマは重いかもしれませんし、ちょっと憂鬱な感じもあるかもしれません。でも笑い、悲しさ、寂しさなどを一つひとつ感じ取ってほしいです」と呼びかけ、イベントを締めくくった。
映画『しあわせな選択』 3月6日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
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