2017.01.22 取材：記事・写真/RanRan Entertainment
1月22日、映画『愚行録』のジャパンプレミアが都内で行なわれ、主演の妻夫木聡、満島ひかり、小出恵介、臼田あさ美、松本若菜、中村倫也、眞島秀和、濱田マリ、平田満、と石川慶監督が舞台挨拶に出席した。
写真左から 監督、眞島、松本、小出、妻夫木、満島、臼田、中村、濱田、平田
本作は、貫井徳郎の同名小説をもとにした群像ミステリー。理想的な夫婦という世間のイメージとはかけ離れた被害者の実像を暴いて行くさまが描かれる。第73回ベネチア国際映画祭＜オリゾンティ・コンペティション＞部門正式上映作品。監督と満島が現地入りを果たしている。
上映後に登壇した妻夫木は「楽しんでいただけましたか？ って聞けるような題材じゃないんですけど、愚行を味わっていただけたんじゃないかなと思います」と挨拶。満島は「たくさんの人のいろんな細かい表情が見れて、すごく美しい作品だなと思いました」と感想を述べた。また、「今回石川監督と仕事をするのが初めてなので、期待と不安があったので、妻夫木さんに『不安もあるけど、頑張ります! 愛してます』ってメールをしたら、『愛してるよ』って返って来ました（笑）」とにっこり。
劇中、一家惨殺事件の真相を探る週刊誌記者・田中を演じた妻夫木は、役作りのために某新聞社にリサーチに行ったことを明かし、「事件記者の方にインタビューしていろんなことを聞きました。多面的な部分が見えて、勉強になった。役作りに生かされていれば……」とコメント。
妻夫木の妹･光子役を務めた満島は「とても難しい役柄で、光子という人物につかまれないように気を配っていました。具体的にどういう人にも見えなければいいな……と思いながら演じていました」と役作りについて振り返った。
今作が長編初デビューとなる石川監督は「キャストの皆さんが今まで見たことのない表情を見せてくれたのが嬉しかった」と手ごたえを口にする。ベネチア国際映画祭への参加については「舞い上がってしまって、よく覚えていないけど、特別な時間だった」と感無量な様子だった。
作品にちなんで、新年早々の初めての愚行聞かれた、妻夫木は「ないですよ。まだ１月始まったばかりですよ」と前置きしつつ、「少し前に舞台をやっていて、ビールを３ケース差し入れたんですが、1ケースをこっそり、自分の楽屋に入れちゃいました（苦笑）」と告白し笑いを誘った。
満島は数年前までは舞台挨拶などで笑顔を見せていなかったことを愚行だと振り返り、妻夫木から「マスコミの人も毎日たくさん取材をしてここに来てるんだから、怒ってる顔じゃなくて、ちゃんと大人の対応をしなきゃダメだよ」と怒られことを告白した。
最後に妻夫木が「人間というものの愚かさをまじまじと見つめさせられて、僕自身もお客さんもこの映画で得たものがあったらうれしいなと思います。映画っていろんな種類があると思いますが、僕はこういう挑戦的な映画も必要だと思います。人間の愚かさをまじまじと見せられて、もっともっと人間を知るべきだなと感じました」と観客にメッセージを送った。
【STORY】
エリートサラリーマンの夫、美人で完璧な妻、そして可愛い一人娘の田向たこう一家。絵に描いたように幸せな家族を襲った一家惨殺事件は迷宮入りしたまま一年が過ぎた。週刊誌の記者である田中(妻夫木 聡)は、改めて事件の真相に迫ろうと取材を開始する。
殺害された夫・田向たこう浩樹 (小出恵介) の会社同僚の渡辺正人(眞島秀和) 。 妻・友希恵 (松本若菜) の大学同期であった宮村淳子 (臼田あさ美) 。 その淳子の恋人であった尾形孝之 (中村倫也) 。そして、大学時代の浩樹と付き合っていた稲村恵美 (市川由衣) 。ところが、関係者たちの証言から浮かび上がってきたのは、理想的と思われた夫婦の見た目からはかけ離れた実像、そして、証言者たち自らの思いもよらない姿であった。その一方で、田中も問題を抱えている。妹の光子 (満島ひかり) が育児放棄の疑いで逮捕されていたのだ――。
2017年2月18日 公開
公式サイト http://gukoroku.jp/
