映画『スイート・マイホーム』のジャパンプレミアが8月3日(木)にTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて行われ、主演の窪田正孝をはじめ、共演の蓮佛美沙子、奈緒、窪田と蓮佛が演じる夫婦の娘役・磯村アメリ、そして齊藤工監督が舞台挨拶に登壇した。
本作は、2018年に「第13回小説現代長編新人賞」を受賞した神津凛子のデビュー作の映画化。既に上海国際映画祭、ニューヨーク・アジアン映画祭に出品され、現地の映画ファンや関係者から大きな反響や絶賛の声が続出した。
ホームドラマのような演出の中で随所に怪奇を差し込むことで、「家」自体が放つ独特の閉塞感と「家庭」が持つ呪縛を炙り出し、ジャンル映画の枠に捕らわれない恐怖と戦慄のスリラー映画が誕生した。
齊藤工監督とタッグを組むことになった窪田は「工さんとの共演は役者人生の中で一番多いし、工さんに撮ってもらえて、工さんの描く世界で自由に動くことができたのはすごく貴重な時間でした。なんか不思議な感じ、恥ずかしい部分もあったんですけど、そういうものも全部ひっくるめてぶつけられたらと思って(演技を)やらせていただきました」と述懐。
一方、齊藤監督も「僕が監督させていただく大きな条件として、主人公・清沢賢二には窪田正孝さんを推していただくことが一映画ファンとしても第一条件だと思っていました」と相思相愛ぶりを明かし、また「原作の世界に太刀打ちできるのは生身の人間の表情。自分では太刀打ちできない域の俳優さんが集まってくださった」とキャスト達を称賛した。
窪田と夫婦役を演じた蓮佛は「私は正孝さんの芝居がすごく好きだったので本当に光栄でした。実際に現場に出て、醸し出ている雰囲気、現場の佇まいがいつも柔らかくて穏やかで、そういう空気に引っ張ってもらいながら、安心してひとみという役を演じることができました。作品としては怖い、おぞましい作品ではあるんですけど、現場では幸せでした」と窪田に感謝。窪田は「なんてこった!」とテレていた。
賢二たちの新居の営業担当・本田を演じた奈緖は、現場での思い出を問われ「冬の撮影でとても寒く、ある日急に監督がメチャクチャ可愛いニット帽を被っていました。とてもチャーミングでした」と齊藤監督のお茶目な姿を暴露。実は助監督さんと後ろ姿がそっくりで間違えられないようニット帽を被っていた由。
そして、子役の磯村は「(今は)緊張してない! 現場は楽しかった。監督さんも優しかった。監督さん(のニット帽姿)は可愛いい、カッコ良い、優った~」とはしゃいでいた。
イベントの後半は、本作のキャッチコピー“この家の秘密を知ってはいけない”にちなんで、各自の“我が家の秘密”を披露することに・・・。
磯村は「友達からもらったおたまじゃくしがどんどん大きくなってカエルになったんですけど、1 匹がいなくなって部屋のどこかにいるかもしれません。秘密だからね」と可笑しい回答。奈緖が「寝ているときカエルが隣に寝ているかも(笑)」などと盛り上がった。
続く蓮佛は「あまり秘密がなくて・・・」と言いつつも、「両親からお年玉をもらったことがなくて、代わりに毎年本を“開けましておめでとう”ってもらっていました。子供の頃は本当に嫌でお金が欲しくて・・・。仕事的にも台本を読んだりするので、今となっては親に感謝だなと思います」と答えた。
奈緖は「私もちょっとアメリちゃんと似ているんですけど、家の中に卵がたくさん眠っている。我が家のワンちゃんは卵の形のピコピコ音が鳴るおもちゃが大のお気に入りで、これを定期的に無くすんです。どんなに探しても出てこない。隠し場所はワンちゃんの秘密です」と我が家の秘密を明かした。
さらに、窪田は「どこからともなく家の中にアリが発生。初めは3、4 匹しかいないで、その子達を外に戻してあげたんです。何日か経ってまた出てくる。どこからかともなく出てくる」の答えに、磯村の「窓が開いていたの?」に対し、窪田は「なんでだろうね」と返していた。
最後に齊藤監督は「謎の破裂音がするんです。実は発酵食品を作ってまして、ビンの中で酵母菌が膨らんで破裂するんです」と説明すると、磯村が「発酵食品って何?酵母菌って?」と問いかけて齊藤監督を困らせ、終始楽しい舞台挨拶となった。
映画『スイート・マイホーム』
9月1日(金) 全国公開
配給:日活 東京テアトル
©2023『スイート・マイホーム』製作委員会 ©神津凛子/講談社