取材・撮影/RanRanEntertainment
舞台『裸足で散歩』の公開ゲネプロおよび取材会が9月13日(火)、当日プレビュー公演開催の有楽町よみうりホールにて行われ、取材会には加藤和樹、高田夏帆、本間ひとし、松尾貴史、戸田恵子が登壇した。
左から:本間ひとし、戸田恵子、加藤和樹、高田夏帆、松尾貴史
本作は、ニューヨークが舞台、新婚夫婦が新居のアパートに暮らす変わり者の住民たちと繰り広げるニール・サイモンの名作で、1963年にブロードウェイで初演された。
変幻自在な演技力でミュージカルや舞台で引っ張りだこの加藤が新米弁護士を演じ、その妻役にはドラマや映画で活躍、今作が初舞台の高田が演じている。この二人によるテーマ曲「君と僕」も披露された。 PV:https://youtu.be/5JKWFxmCdoY
取材会では、はじめに加藤が「稽古場で作り上げたものが劇場空間では一層エネルギー量を必要とするんです。でもその分この劇場に助けてくれる部分もあって、早くこの空間にお客さまが入って、クスクスっとお客様の笑い声が洩れて、幸せな空気がこの空間を支配してくれればと思っております。私と高田さんが演じるポールとコリーの新婚生活のなかでいろいろな出来事が起こるんですけれども、登場人物が少ないなかでのドタバタコメディで、気軽に観ていただきたいと思います。個性的なキャラクターばかりなので、登場人物が出てきたら何か起こるんだろうと楽しみにしていただければと思います」と笑顔で話した。
そして、高田は「正直、ここに来てもまだまだ未完成なコリーなんですが、ここに立っていることが奇跡だなと思って、本当に逃げ出さなくて良かったなって思っております。今日来てくださるお客様とここにいる皆さんで、素敵な作品を作っていけたらと思っています。私は初舞台なので、本当にどうなるか未だに分かりません。精一杯頑張りますので助けてください。よろしくお願いします」と呼びかけた。
コリーの母役で38年前にはコリーを演じたという戸田は、「ここまで来るのにPCR検査をみんなで繰り返してやってきて、あちこちで中止の公演があるなか、今舞台に立てることが奇跡なんだな! 私たちもなんとか最後まで完走出来るように、ひたすらそれを願ってこの舞台に立ちたいと思っています。『裸足で散歩』はニューヨークの古き良き時代のお話であります。皆さんに十分にほっこりしていただいて、懐かしいニューヨーク観を、行ったことがある人もない人もちょっと感じながら、少し元気になって帰っていただきたいなと思います。特にドラマチックな出来事は起こるわけではないんですけど、ここにいるキャラクターが少し成長する物語です。皆さん、ぜひ楽しんでいただきたいと思います」と本作をアピールした。
変わり者の住人を演じる松尾は、本作について「コメディでございます。僕が生まれた頃に書かれたもの。その頃のニューヨークってこういう雰囲気で何か分からないけれども、ビジネスに意欲を持って集まる人もいれば、ただ華やかなところだから来るっていう人もいて、僕がやる役は何だか分からない人なんです。変なおじさんという役ですから、全く役作りをしておりません(笑)。割りとマイペースにやらせていただいているんですけど、皆さんとうまい具合、凸凹ピースが合うような、そんなムードが出来上がっていると思うんです。ここにお客さまが入ってどういう空気になるのか、すごく楽しみにしております」と話した。
コメディ初挑戦となる加藤は、「コメディは言え、ポールは本当に真面目で普通。彼自身が面白いというか、巻き込まれていく様が面白い。もう先輩方がもうすごく面白くやってくださるので、その空気の乗っかるというか、真面目にやればやるほど、真面目さが面白くなってくるという感じはしています。なので真面目にポールに没入すれば良いのかなという感じがしています」と自身の役割を『乗っかる』と表現した。
本作のテーマ曲を加藤と高田二人で歌っているが、加藤は「高田さんとミュージックビデオを作成する話になりまして。楽曲もすごく耳なじみが良く、『裸足で散歩』という作品の世界観をシンプルに描かれていると思います」、高田は「お芝居の中でも歌いたくなってしまうくらい、体に馴染んでくるものがあって、メロディーもキャッチーだし、可愛らしい歌だなあと思いました」と素敵なテーマ曲もアピール。
高田は、初舞台について問われ「(共演の)皆さんが優しくて、怒号を食らうとかを全くなくて(笑)。舞台の世界が初めてなので、もちろん(怒号は)あるかなと覚悟していたのですが、むしろ皆さんの背中で学べるという形でした。喉系のグッズをたくさんいただいて、お稽古の机の3分の1が埋まりました(笑)。おかげで声が出ています」と共演者に感謝、楽しい稽古場だったことを明かした。
その高田について、本間は「初舞台という感じはしませんね。キレもよくて弾けるような、出し惜しみ無く爆発しているような、チャキッしてとても魅力的」、戸田は「私の娘役の高田さん。とにかく健気で毎日初めてのことばっかりなのに、本当に黙々とトライして、翌日にはものすごく良くなる。伸びしろしかないっていうか、その繰り返しで今日まで来て、初舞台とは思えないくらい度胸が座っているし、ポテンシャルがすごく高いんだなあと毎日を接しております」、松尾は「堂々としてらっしゃるし、特に劇中で大声出すときは、弾むように片足が上がりますね」などと絶賛していた。
最後に加藤が「コロナが落ち着いてきたとはいえ、劇場に足を運ぶのが忍びないという状況です。小さな笑いが皆さんの心を豊かにする作品になっていると思いますので、ちょっと観ていただき、面白かったよと宣伝していただければ」と締めくくった。
東京公演:2022年9月17日(土)~9月29日(木) 自由劇場
兵庫公演:10月1日(土) 、2日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール(全3公演)
大阪公演:10月5日(水) 枚方市総合文化芸術センター 関西医大 大ホール
神奈川公演:10月8日(土)、9日(日) KAAT 神奈川芸術劇場 ホール(全3公演)
東京多摩公演:10月11日(火) パルテノン多摩 大ホール
東京、兵庫、神奈川公演では終演後に、アフターイベント開催(詳細は公式サイト参照)
公式サイト:https://hadashidesanpo.jp/