前田公輝 溝端淳平
ゴーレムと呼ばれるゾンビが蔓延る“終末世界”を舞台に、竹内涼真演じる主人公・間宮響が、生き残りを懸けた闘いに身を投じる、極限のゾンビサバイバルドラマ「君と世界が終わる日に」。最終SeasonとなるSeason5が、2月からHuluで独占配信される。
Season5では、生存者たちの共存を願う新山財団グループのリーダー・新山明日葉を演じる玉城ティナと、元「放浪グループ」の柊木佳奈恵を演じる飯豊まりえがW主演を務め、Season4の先に待ち受ける響とは別の〈もう一つの道〉を映画と同時間軸で展開。「きみセカ」終結までのもう一つの物語を描く。
Season4から引き続き出演する、加州宗一役の溝端淳平と下村海斗役の前田公輝に、撮影でのエピソードやドラマへの想いなどを聞いた。
――ついに物語は最終章です。お二人は、どのような心境でSeason5に臨まれましたか？
溝端 Season4からずっと明日葉への思いが加州にとっての唯一の生きる希望でしたが、Season5はその2人の話が色濃く描かれると撮影に入る前から聞いていたので、Season4で積み重ねてきたものを回収するというのが、加州としての目標でした。Season4ではまだ自分の役についても探り探り発見していくというところもあったのですが、そうした時間を経て積み上げてきたものを、改めてみんなで照らし合わせて、Season5に入ることができたと思います。
前田 海斗としては、Season4のテーマは“兄弟”だったと思います。海斗にとって、唯一の家族が兄貴（陸斗）だったけれども、その兄貴が亡くなってしまう。そうしたこともあり、佳奈恵と一緒に行動をするようになりますが、そこで海斗に自分を見つめ直す瞬間が幾度も訪れます。そうした海斗を演じるにあたってSeason4では、チームのブレーン的な役割でもあったので、あまり感情は出さずに、計算しながら演じていたところがありました。ですが、Season5では、むしろ不可解なお芝居と言いますか、僕自身は考え過ぎずに役に挑むことが正解なのかもしれないと感じていました。僕は、普段、演じる役を理解して、いくつか手札を持って現場にいくタイプですが、今回はあえてそれを持たないでいいんじゃないかと監督やプロデューサーさんとも話しました。ただ、そう演じていいのかと自分の中では葛藤があって…チャレンジでもありました。
――そうした役柄を演じるにあたり、本作の撮影前に準備したことはありますか？
溝端 Season4からでもありますが、終末世界を描いた作品なので、体は絞らなきゃいけないなと。ただ、絞るといっても、あまり筋肉を大きくしないようにして、痩せて見えるようにしました。Season5から新たに意識したのは、Season4で積み上げてきた加州という人物像をどう開花させるかでした。明日葉への想いや加州の過去について、監督やプロデューサーと打ち合わせをして、僕の考えも伝えながらすり合わせていきました。本当に信頼できるスタッフの皆さんと一緒に、お互いに意見を交わして1つの役を掘り下げて作っていくという時間がすごく有意義でしたね。
前田 これまでのSeasonで数々の俳優さんがこの世界で生きてこられていたので、その中に新しいキャラとして登場するという意味でも、これまで見たことがないお芝居を意識していました。最初は囚人服を着ていたので、視覚的にも分かりやすかったと思いますが、兄弟でチームの筆頭となって進んでいく姿を、どんなふうに見せたらいいのだろう、どこにこれまでやっていない“隙間”があるんだろうとSeason1から見返して、自分のお芝居のスタンスを膨らませていきました。そうすることでもしかしたら、新しいキャラとして魅力的に映るかもしれないなと思って。それから、海斗は詐欺師で、基本的には何を考えているか分からないキャラクターですが、この世界にきちんと生きなくてはいけない。我々は、サバイバルはしたことがないし、ゴーレムも現実世界では会ったことがないですが、それがリアルにならなければいけないと考えていました。Season4とSeason5の撮影の合間に、渋谷の109の前でこのドラマのイベントが行われたことがあったんですよ。ゴーレムに会えるというので、実は僕、一人でこっそり行きました（笑）。役に入る前の自分のままゴーレムの恐怖を味わわないと、海斗を演じきれないと思ったんです。僕の顔が写ったPR動画が流れている中で、ゴーレムと写真を撮った時に、これは怖いって（笑）。
溝端 ゴーレムには気づかれなかったの（笑）？
前田 他にも並んでいる人はたくさんいらっしゃいましたが、バレないように顔は隠していたので（笑）。気づかれるのはいいんですが、マネージャーにも何も言わないで行きましたし、バレたらこれが仕事になってしまうと思ったのでこっそりと。でも、そのおかげでリアルでゴーレムを感じられました。あとは、体力がないといけないと思ったので、有酸素運動もしましたね。そういう意味でも、役者としてものすごくチャレンジでもあった作品でした。
――撮影は大変なことも多かったと思いますが、印象的だった出来事は？
溝端 イスにくくりつけられて拷問されるシーンがあったのですが、長時間の撮影で、しかも完全に縛り付けられてほとんど身動きが取れない状態でのアクションだったので、怖さがありました。ただ、そうしたフィジカル面では大変なこともありましたが、共演者の方に恵まれていたので楽しいことも多かったですよ。スタッフさんはもちろんですが、今回から新たに参加された袴田吉彦さんがいつも現場を和ませてくださっていたので、本当に助かりました。
前田 確かにアクションの部分は大変ではありました。Season4では、海斗は身体的にはそれほど強くなくて、頭で乗り切ってきた人物でしたが、今回は、佳奈恵と一緒に出かけた先で佳奈恵を先導していくアクションシーンもあったので、そこはSeason4とは違うところだったなと思います。佳奈恵のことを守るべき人だと、どこかで感じているからこそ出るエネルギーがあって、ゴーレムがたくさんいる中でパルクールのような動きをする場面があるんですよ。海斗の身体能力がかなり上がっているように感じたシーンなのですが、それだけ守る力が大きいということなんだなと。大切に思う人への気持ち、熱意が見れる表現にも繋がってるし、その分、お芝居にもエネルギーを使ったのかなと思います。
楽しかったシーンでは、僕とまりえさんと結月を演じた（横溝）菜帆ちゃんの3人で待機している時に、現場に置いてあったラジコンをやりながら、ぼーっと海を眺めていたことがあって（笑）。サバイバルから離れた、ほのぼのとした温かい時間だったなと思います。お二人はオセロをしていることも多かったので、僕がそれをただ見ているという時間も心地よかったですね。3人で恋バナをしたり、楽しく過ごしました。ギリギリでチャレンジングなことも行われる現場の中で、息抜きできる時間になっていました。
【作品概要】
Hulu オリジナル「君と世界が終わる日に」Season5
2 月 9 日（金）Hulu にて独占配信開始
毎週金曜エピソード更新（全 5 話）
Season1～4：Hulu にて全話配信中
ドラマ公式 HP： https://www.ntv.co.jp/kimiseka/
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