マルティナス日本デビュー記念イベント『“夢をかなえる”トーク&コンサート』開催!
2013/11/6 13:42
リトアニア出身のアコーディオン奏者、マルティナス。8歳でアコーディオンを始め、世界の数々のコンクールで優勝。2008年、超名門イギリス王立音楽院に入学。しかし、クラシックの王道に進んだにもかかわらず、あえて、オーディション番組に出場。1度目は敗退するも、2回目の挑戦で、『リトアニアズ・ゴット・タレント』で優勝を果たし、ショービジネス界にも進出。イギリスでは、アコーディオン奏者として史上初のクラシックチャート1位を獲得し、今秋、世界デビューを果たした。
そんな若きアコーディオニスト・マルティナスがついに日本上陸。10月23日の日本盤CDの発売に合わせてプロモーションのために初来日した。
自身の名前を冠した1st アルバム『MARTYNAS』のリリース・コンベンションを10月24日、品川区・G-Call Clubサロンにて昼夜2回に渡り開催。翌日25日には、東京・文京区トッパンホールにて、“夢・実現プロデューサー”として絶大な人気を誇る作家の山崎拓巳氏を司会に迎え、マルティナス日本デビュー記念イベント『“夢をかなえる”トーク&コンサート マルティナス×山崎拓巳』を開催した。
大きな拍手に迎えられ、白シャツに黒のパンツといったシンプルなスタイルで登場したマルティナス。コンサート前半では、アルバム収録曲の中からレディー・ガガの『テレフォン』やブラームスの『ハンガリア舞曲第5番』、ヴィヴァルディの『四季』より「冬」第1楽章など情熱あふれる演奏を披露。巧みな編曲とマルティナスの卓越したテクニックで観客を魅了した。
トークコーナーでは、山崎拓巳氏の進行で、マルティナスのプロフィール紹介をはじめ、故郷のリトアニア時代からメジャーデビューに至るまでマルティナスの内面に迫ったトークを展開。アコーディオンとの出会いについて、「音楽をやりたいと思ったのは3歳。たまたまTVでピアノのリサイタルを観て、指を動かしていた僕に両親が気付き、音楽をやることに。しかし、20年前のリトアニアはソビエト連邦から独立をしたばかりで、国全体が貧しかった。本当はピアノをやりたかったけど、当時は情勢も悪くお金もなかったので、アコーディオンをやることになった」と語った。
それまで音楽は独学で学んでいたが、正式にアコーディオンを始めることに。8歳でシャウレイの音楽学校に入学し、12歳から様々なコンクールに出場。ヨーロッパ各地のアコーディオンのコンクールで賞を獲得した。この時、「もしかしたら音楽家になれちゃうかな?」と思ったというマルティナス。
高校時代には音楽院に入学。2004年には、リトアニアの「クイーン・モルタ・プライズ」を受賞したはじめてのアコーディオン奏者となった。
リトアニアは東ヨーロッパの国で、バルト海に面したスカンジナビア、ポーランド、ドイツに隣接している国であり、バルト三国(エストニア・ラトビア・リトアニア)のうちもっとも南に位置する。首都はリトアニア最大の都市ビィリニュス。イタリアの街に似ているという。今年からイギリスにおけるリトアニア観光大使に任命されたマルティナスだが、「任命される以前から、アコーディオンを抱え、音楽を通して世界中の国々でリトアニアの宣伝をして来た自負があるよ」とにやりと笑う。
2008年、18歳で世界有数トップクラスの音楽学校であるイギリス王立音楽院に入学。しかし、クラシックの王道に進んだにもかかわらず、在学中にリトアニアのオーディション番組『リトアニアズ・ゴット・タレント』に出場することに。TVショーに参加したキッカケについて、「クラッシックでコンサートを開いてもお客様が非常に限られてしまう。アコーディオンという楽器が少し、過小評価されてきた楽器ということもあって、残念に感じていた。アコーディオンをもっと人気のある楽器にしたいと思ったから参加した」とその理由を明かした。
しかし、オーディション番組に出場するも、1度目は敗退。2回目の挑戦で優勝を勝ち取った。「一つの壁にぶち当たったら、別の方向を向いてみよう。それでダメならまた別の方向を探そう…そのようにして人生を進んできた。今までの人生の中で、比較的壁は少なかったと思う。結果として成功を掴むことができたが、まだまだこれから…」
後半は真っ赤なパンツスタイルで登場。モーツアルトの『トルコ行進曲』、ピアソラの『リベラルタンゴ』などパワフルでエモーショナルな演奏を披露。ポップスからクラッシックまでアンコールを含め全7曲を繰り広げ、会場を酔わせた。
トーク後半は、大会で優勝して変わったことについて、「コンサートに多くの人が来てくれるようになり、リトアニアでも認知されるようになった。賞金は足りなくなったロンドンの学費に充てたよ」とマルティナス。メジャーデビューのキッカケについては、「オーディション番組で優勝したが、それまで5年間住んでいたロンドンが嫌になり、故郷に帰りたくなったんだ。帰国2週間前に一件のメールが届いたが、テレビで優勝したので色々オファーがあり、(メジャーデビューのオファーは)そのうちの1つだと思っていた」。
話を訊いて、純粋にアコーディオンを使った大プロジェクトだと知るが、リトアニア恋しさに帰国。それから半年後、故郷とロンドンを行き来し、公演を行うようになっていた。今のマネージャーとレーベル会社デッカのプロデューサーが、再びロンドンのコンサート会場に訪れたことで道が開け、今に至る。
今年1月にCDデビュー、6月からプロモーションで世界中を飛びまわっていると言うマルティナス。そんな彼にとって、夢をかなえるために必要なこととは、「道を歩む間に、困難に遭うことやギブアップしたいと思うこともあるだろう。その突破口を掴むには、苦しむことも次のステップを踏む“糧”になるはず」と伝え、最後の曲は、「このテーマにぴったりな曲。アコーディオンのために作られた曲でスペインの作曲家による作品」と紹介。曲の途中で自問自答しながら語りかける一節があり、「すべてのことは否定しないでいくと答えが変わっていくだろう」とメッセージ性のある楽曲を披露した。
アンコールは誰もが知っている曲で、日本の名作アニメ『ルパン三世』を奏で、拍手喝采を受けたマルティナス。日本初来日のプロモーションを無事に終え、盛況にうちにイベントの幕を閉じた。
『マルティナス / チャルダッシュ~ノスタルジック・アコーディオン』
2013年10月23日発売
UCCG-1387 2940円(税込)
【収録曲】
1.ハンガリア舞曲第5番(ブラームス)
2.歌劇「運命の力」テーマ(ヴェルディ)
3.ハバネラ~歌劇「カルメン」(プッチーニ)
4.ポル・ウナ・カベーサ
5.テレフォン(レディー・ガガ)
6.ノッサノッサ(Ai Se Eu Te Pego/Nossa Nossa)(Michel Telo)
7.ハヴァ・ナギーラ
8.G線上のアリア(J.S.バッハ)
9.トルコ行進曲(モーツァルト)
10.ラ・カリファ(エンニオ・モリコーネ)
11.Hot N Cold(ケイティ・ペリー)
12.チャルダーシュ(モンティ)
13.聞かせてよ、愛の言葉を(シャンソン)
14.交響曲第7番第2楽章(ベートーヴェン)
15.『四季』より「冬」第1楽章(ヴィヴァルディ)