取材:記事・写真/RanRanEntertainment
映画『伊藤くん A to E』の完成披露試写会が21日、都内で行われ、W主演を務める岡田将生と木村文乃、共演者の佐々木希、志田未来、池田エライザ、夏帆、田中圭、中村倫也と廣木隆一監督が舞台挨拶を行った。今作で最低のクズ男を演じる岡田は「こんな役を演じてみたいと思っていたので、オファーが来て嬉しかった」と胸中を吐露した。
本作は、作家・柚木麻子が、2013年に発表した恋愛小説を廣木隆一監督が実写映画化。とことん痛い男・伊藤くんを巡り、彼に人生を振り回される高級カバン販売員、フリーター、タルト店の店員、大学院生、脚本家、【A~E】の5人の女性たちが翻弄されていく恋愛ミステリー。
キャスト陣が後方扉から登場すると、会場から黄色い声援と大きな拍手が巻き起こった。当イベントでは、女たちの【毒】を赤裸々に描いた本作のストーリーにちなんで、女優陣が毒のある花言葉を持つ花と一緒に登場。【A】佐々木は赤ガーベラ(悲しみ)、【B】志田は黄色いカーネーション(軽蔑)、【C】池田は黄色いバラ(嫉妬)、【D】夏帆は白いバラ(純潔)、【E】木村はピンクのユリ(虚栄心)をそれぞれ持って登場し、客席にプレゼントした。
容姿端麗だが、自意識過剰で無神経すぎる痛男・伊藤誠二郎役を演じた岡田は、オファーを受けて、「見た人はだいたい嫌いになる役ですね」と説明したが、「今までと違う役を望んでいたので、いいタイミングでラッキーでした」と役への強い思い入れを示した。
さらに、「思った以上にヤバイ男の役で、こんなにクズで、ダメで、バカで、アホな奴とこの夏を過ごせたので、すごい気持ちが良かった」と笑顔も見せた。また、「伊藤くんと出会うことで5人の女性が成長していく話でもあるので、伊藤のクズさが過激なほど(作品は)いい方向に向くと思いました」とアピールした。
しかし、伊藤くん役を演じきったことに満足しながらも、岡田は「カットがかかると、(共演の)皆さんに『気持ち悪い』と言われました」と心が折れそうになったことも明かし、苦笑していた。
毒を吐く脚本家役を演じた木村は「こんなに女であることを痛いと思わせてくれる作品はなかなかないと思う。人をののしったりしますが、その指先が自分に向いてくる。廣木監督はニヤニヤしていたけど、怖かったです」と撮影時を振り返っていた。
岡田と木村は初共演。クランクイン前に親睦のための食事会が開かれ、その席で、岡田は「お互い漫画が好きだということが分かり、食事会では漫画の話をずっとしていた」と明かす。木村も「今日も顔を合わせてから、漫画の話ばかりしていました」とにっこり。
本作では、5人の女優陣が伊藤くん(岡田)に振り回される女たちを演じた。「振り回されて胸が痛かった。すごく嫌な気持ちになりました」(佐々木)。「(伊藤の)圧迫感がすごいなと思いました」(志田)。「関わりたくないですね」(池田)。「すごく、傷つきました」(夏帆)とそれぞれが辛い思いで演じたことを告白。苦笑するしかない岡田に、木村が「この野郎!って思っていたよ!」とさらなる追い打ちをかけていた。
最後に、木村が「ドロドロしつつも、さわやかな映画になっています。是非愛してあげてください」。岡田が「出ているキャラクターすべてを観察していただけたらいいなと思っています」と観客にメッセージを伝えた。
映画公開に先駆け、MBS/TBSドラマイズム枠にて連続ドラマ版が放送された。
公式サイト:http://ito-kun.jp
映画『伊藤くん A to E』1月12日より全国公開