取材:記事・写真/RanRanEntertainment
山田洋次監督による待望の喜劇映画『家族はつらいよ』の第3作『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』が5月25日(金)に公開される。本作は『主婦への讃歌』をテーマに、気遣いの無い夫の言葉に家出した妻と主婦がいなくなった平田家の大騒動が描かれる。
5月1日(火)都内にて、労働者の権利を呼びかける日・メーデーにちなみ、日頃家事労働に勤しむ女性たちの「奥さまメーデーイベント」として、本作の公開前上映および吉行和子、夏川結衣、中嶋朋子、蒼井優4名によるトークイベントが行われた。
平田家の母・富子を演じた吉行は、「本当にダメな主婦で嫁に頼り切っている吉行です」と自己紹介。吉行に頼られる長男の嫁・史枝を演じた夏川は「お母さんはそうおっしゃいますが、やさしいお母さんにかばってもらいながらやっております」とフォローした上で「山田さんの撮影はずっと大変でした。家事ではアイロンを掛けながら、どの台詞はどっちを向いてとかどのタイミングで服を上げてとか。その間に監督からこの台詞変えてみてとかいろいろ言われるので、せっかくのすべてのプランをグラグラっとなって。立て直さなければいけなかった」と撮影当時を振り返った。
長女・金井成子役の中嶋は「お金にうるさい、しっかりもので、皆のことを一番考えているいい子です」と自己アピール。また、次男の嫁・憲子役の蒼井は「前回まではしおらしくやっていましたが、Ⅲでは家族会議ですぐに人のヤキソバをもらうようになり、だいぶ図々しくなってきました」と自己紹介した上で、「史枝さんを見ていると、ご飯のメニューを考えて、食材を買いに行く。量が多く、重たくなるし、本当に大変だなと想います」と妻の仕事の大変さを感想として漏らした。
ここで当日招待された奥さま方による日頃の不平・不満が書き込まれたボードが一斉に掲げられた。『何でもやってくれると思うな』『お母さんはやるのは当たり前と思うな』『箸くらい並べろ!』『家事ハラ!』等々男性にとってに耳の痛くなるフレーズの数々にキャストたちは大きく頷いた。
ゲストとして登場した経済学エキスパートの東京大学・柳川範之教授は「(この場に)出るのがキツい」と恐縮しながら、「家事を代行に頼むと年間720万円」と明かされると会場は騒然。時間当り2,500円×1日8時間とすると毎月60万円。また、単価が半分の1,250円としても残業手当含めると毎月60万円は超える計算。ただ、愛情があると無償で働くかあるいは、金額が少なくても働いてしまうという。最新の経済学の研究でも愛情、思いやりが強いと賃金が高くなくても、あるいは無償でも働いてしまう傾向にあることが知られているそうだ。柳川教授は男性として「自分の懺悔を含め、気をつけねばならないことは、家事はやって当たり前ではない。家事を分担して家事労働の休日を作る」ことを宣言。キャストおよび場内の奥さま方も大いに納得していた。
公式サイト:http://kazoku-tsuraiyo.jp/
5月25日(金)全国公開