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2018年6月14日 06:05

「新人の尾上右近です」にG2が噴き出す!舞台『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル』取材会

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

歌舞伎役者・尾上右近が初めて翻訳現代劇に出演、かつ主演を務める舞台『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル~スプーン一杯の水、それは一歩を踏み出すための人生のレシピ~』の取材会が613日(水)都内にて行われ、会場には右近と本作の翻訳・演出を務めるG2が姿を現した。

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本作は2012年にピューリッツァー賞戯曲部門賞を受賞。幼い頃に受けたネグレクト(育児放棄)のトラウマを抱え、イラク戦争で負傷し、それが原因でモルヒネ中毒になった青年エリオット(右近)と、エリオットの母オデッサ(篠井英介)が運営するインターネットサイトに集まるドラッグ中毒者たちの物語。身内も含め「社会」から疎外されてしまった人々が、改めて他者と繋がりたいという願望を募らせつつも、一方でうまくいくわけがないと葛藤する。なぜ人は薬物に救いを求めてしまったのか、彼らが本当に求めていたものは何なのか、立ち直った後、人々はどうやって生きていくのか、を描いた作品だ。

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まず初めにG2は本作を上演しようと思った企画意図について「やらねばならない作品と、やっておかねばならない作品があり、やらねばならない作品はどんどん目の前に現れるが、やっておかなければならない作品はどうしても後回しになりがち。そんな中久々にやっておかねばならない作品に出会えた気がした。作る側にとってもアウトプットばかりではなくインプットにもなる」のが本作だと説明した。

 そんな手応えのある作品に出演する右近については「チャレンジ精神を持ってやってきてくれた。今稽古場でもものすごく頑張っています。やる気の塊みたいな人です」と表現するG2。右近の奮闘ぶりを紹介すると、隣で右近がG2の話をニコニコしながら聞いていた。

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続いて右近が「新人の尾上右近です」と挨拶すると、G2初め会場中が大笑い。「僕は危ない方、危ない方に進みやすい性格なんですが本作はなかでも社会派で難しい作品である。その物語の中心人物を演じることは、僕にとって困難を極める作品だと思っています。共演者の百戦錬磨の方々がこの作品をどう表現するか、台詞をどう言えばいいか難しいとおっしゃっているくらいなので僕は途方に暮れているところです。でもこの乗り越えなければいけない試練だと思っていますので、壁を乗り越える、越えないというより、ぶち当たって砕くつもりで挑んでいきたいです」と意気込んだ。

これまで経験してきた歌舞伎の稽古との違いについて、右近は「歌舞伎は主役の方が演出も担います。でもそれぞれの役は基本的に自己管理。自分たちで考えてそのまま舞台に出るのが常識のようになっています。分からないことを分からないと言いづらい空気を感じることがあります。ですが、現代劇は分からないことを分からない、ということが大事なんだ、むしろその疑問をぶつけていかないといけない、ということをつくづく感じています。そういう習慣がなかったのでそれに慣れることが今の課題です」とコメント。「本読みでも戸惑うことがあり、立ち稽古はさらに分からない事だらけで恥ずかしい思いをたくさんしています。台詞を言うことに追われ、動きが全くついてこない、気が付いたら共演の南沢奈央さんと横に並んで台詞を言ってて、それを『漫才みたいだ』と言われてしまいました」と思い出して笑う。ただ「若いうちにこういう経験をさせていただけること、たくさん恥をかけることが嬉しいです」と冷静に自分を見つめていた。

他の共演者について右近は一人ずつ名前を挙げていく。南沢は「いちばん僕と一緒に稽古をする時間が長いので(右近の不慣れな演技の)いちばん被害を被っているんじゃないかな。でも一緒に考え一緒に悩んで、受け止めてくださる人」、篠井は「本当のお母さんのように愛と抱擁力に溢れている。話をしているとホッとする人」、葛山信吾について「いじられキャラなんですね(笑)。皆で早くカラオケに行きたいと言っているんですが、葛山さんのカラオケには秘密があるようで、すごい力を発揮されるそうで自分の中で想像が膨らんでいます。とにかく早くカラオケに行きたいです(笑)」と語っていた。

最後にG2は、「これは社会派と言われていますが、社会の悪いところを掘り返すような作品ではなく、そこにいる弱者たちがいかに明日に向かって歩き始めるか、ということを伝える、観終わった後にとても勇気をもらえる作品だと思います」と見どころを語っていた。

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『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル~スプーン一杯の水、それは一歩を踏み出すための人生のレシピ~』【東京公演】
日程:201876 () 2018722 ()
会場:紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
【大阪公演】
日程:201884()
会場:サンケイホールブリーゼ
 作:キアラ・アレグリア・ヒュディス
翻訳・演出:G2
出演:尾上右近 篠井英介 南沢奈央 葛山信吾 鈴木壮麻 村川絵梨/陰山 泰

 

 

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