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2011年9月21日 13:37

第4回したまちコメディ映画祭in台東~台東区から日本に元気を。in オープニング~ 

第4回したまちコメディ映画祭 in 台東 ~台東区から日本に元気を。in オープニング~

東日本大震災や台風による土砂災害などの自然災害に見舞われ、被災された方々の気持ちはもちろんのこと、夏の節電対策も重なり、暗く沈んだ日本。しかし、一日も早く元の生活に戻れるようにがんばろう!としているいま、必要なのは<笑い>。<涙>ばかりでは<元気>を出して先に進むことはできないのではないかと、台東区から日本全国に<元気>を届けるため、今回の「第4回 したまちコメディ映画祭」が2011年9月16日(金)~19日(祝・月)に台東区浅草、上野周辺にて開催された。

 16日(金)の「前夜祭オールナイト がんばれ、アメコメ!!」と題して、LiLiCo、いとうせいこうなどのトークショーや『Hall Pass』、『ウソツキは結婚のはじまり』、『An American Carol』などの上映が上野東急2で行なわれ、映画祭の幕が上がった。17日(土)、ここから映画祭の本番となる。真夏のような太陽が戻ってきた午後、雷門近くの浅草公会堂前のオレンジ通りにはレッドカーペットが敷かれて、オープニングセレモニーが始まるのを、集まった映画ファンは今か今かとその時を待った。

浅草らしく、ゲストは粋に人力車に乗ってファンの前に登場した。まずはこの映画祭の総支配人の立場である「したコメ総合プロデューサー」のいとうせいこうが例年のように法被を着てさっそうと登場。さぁ!したコメがはじまるぞ!!という期待感がはじけた。続いて、吉住弘実行委員会会長(台東区長)も法被を着て威勢良く登場し、「下町浅草から日本中に元気と笑顔を届けましょう。ぜひ、映画を観て大いに笑って、ここ下町で美味しいものを食べて楽しい時間を過ごしてください。」と挨拶。そして、自称セクシー議長(オープニング作品にひっかけて)の青柳雅之(台東区議会議長)も同じく下町浅草をアピール。下町を愛し、下町を代表する内海桂子(したコメ応援人)、海老名香葉子(たいとう観光大使)、桐谷逸夫、エリザベス夫妻(〃)、櫻川梅后(〃)らが人力車で登場した。19日(祝・月)にリスペクトライブ『エノケン×笠置シヅ子のブギフェス』も期待される「したまちコメディ映画祭」の常連、ポカスカジャンの3人が登場し、アカペラで夏になると食べたくなるアイス「ガリガリくん」のテーマ曲を披露し、会場中が沸いた。主演作品『極道めし』が特別招待作品に選ばれた永岡佑。今回、コメディ栄誉賞を受賞した伊東四郎。そして、オープニング作品に選定された『サラリーマンNEO 劇場版(笑)』の吉田照幸監督、小池徹平、生瀬勝久、堀内啓子らが登場すると会場であるオレンジ通りは大きな歓声に包まれた。

この「したまちコメディ映画祭」のレッドカーペットはファンとの距離がとても近い。手を伸ばせばすぐそこに出演者がいる。そして、物理的な距離とともに、心理的距離も短い。短い時間かもしれないが、出演人も気軽に集まってくれたファンと触れ合う時間を作ってくれる。そして、彼らはそのような環境を「うれしい」と口にする。これは<コメディ>の持つ温かく豊かな人間性が受け入れる態勢を作ってくれるのかもしれない。会場を浅草公会堂に移して、虎姫の『東京ブギウギ』が流れ、会場からは大きな手拍子が鳴り響き、盛り上がり、にぎやかで楽しい時間の始まりが予感されるオープニングで、セレモニーと続いた。

吉住弘実行委員会会長から「3月11日に発生した東日本大震災で被災された方々のことを思うと心痛みます。そんなとき、文化芸能の上野、芸人を育んだ浅草を持つ台東区から日本中に笑いを届けたいと思います。浅草は<笑い>の原点ですから、開催期間中、映画を堪能していただき、世界に<笑い>を発信しましょう。」と開会の挨拶が会場に詰め掛けたファン、そして、この映画祭はユーストリームで全世界に発信されていることもあり、全世界に開会のメッセージが伝えられた。総合プロデューサーのいとうせいこうからは「元々浅草にフィルムコミッションがあり、その席で故井上ひさしさんの発案で映画祭を開催しようと。それもコメディ専門の映画祭を。ということから、このしたまちコメディ映画祭が始まりました。大震災があったなか、開催自粛を考えることもありましたが、元気を出そう、元気を届けようと開催を決定しました。お集まりいただいた皆さま、そして開催に尽力をつくしていただいた台東区に感謝いたします。」と映画祭開催の経緯、感謝の意が伝えられた。

青柳雅之台東区議会議長は「<下町>+<映画>+<笑い>のトライアングル。これらは<元気>を生み出せます。この元気を日本中に届けましょう。」と。<笑い>で多くの人々に喜びを与えてくれたコメディアンを表彰する「コメディ栄誉賞」。日本人誰もが知る日本を代表するコメディアン・伊東四郎がこの「コメディ栄誉賞」を受賞し、授与式が行なわれた。伊東四郎は「今から53年前、この(芸能の)世界に入りました。これまで3回表彰されましたが、すべて喜劇に関する賞でした。浅草芸能大賞をいただいたので、ここ浅草公会堂の前にも手形もあるんですよ。芸人人生をスタートさせたこの地で再び喜劇人として表彰されたこと、大変うれしく思います。」とおもしろおかしいコメントを交えながら、受賞の喜びを表した。そして、「したコメ」に準えた副賞のお米一表には「私の人生のなかで昭和18年から28年頃は食卓からお米が消えました。何よりうれしいものです。」とユーモアも交えてうれしいという気持ちを表した。さらに賞金は義援金として寄付したいとの申し出があったことが発表された。その伊東四郎も出演している今回のオープニング作品『サラリーマンNEO 劇場版(笑)』の監督、出演陣が夏らしく浴衣で登場すると、大きな拍手で迎えられ、ファンに挨拶が行なわれた。

この作品は2004年から放送開始され、現在も放送されているNHK『サラリーマンNEO』の劇場版である。

この劇場版から参加した主演の小池徹平は白地に虎柄の浴衣姿で「暑い中ありがとうございます。浴衣がこんな派手だとは思いもせず…。(笑)レッドカーペットは緊張しました。でも両サイドから多くの声援を頂いて、みなさんからパワーをもらいました。楽しい時間でした。」テレビ版レギュラー陣の生瀬勝久は小池徹平とペアのように黄色地の虎柄の浴衣を着て、会場に投げキッス。「この浴衣の柄はパチンコの…。(笑)長い俳優人生でレッドカーペットなんてはじめてで。多くの皆さんに「握手してください。」といわれたので、好い気になって握手しまくりました。でも、本当は小池くん目当てだったようでした。(笑)」とコメディ映画さながらのユーモア抜群のコメントで会場をさらに沸かせた。

堀内敬子は白地に赤やオレンジの鮮やかな浴衣姿で「テレビ番組がこのように映画版になったことがとてもうれしいです。楽しみにしていてください。」と感想を述べた。

先にコメディ栄誉賞を受賞した伊藤四郎もこの映画に参加している。「私だけ浴衣がない…。(残念)でも、私はヤクルトタフマンですから!」と共演者、会場の爆笑を誘った。

吉田照幸監督は「ここ浅草でもロケをしました。そんな風景も楽しんで下さい。今回は映画祭にお呼びいただいてありがとうございました。」と。吉田照幸監督は「映画化は長年の夢でした。世知辛いいまのこの世の中でも心ある人がいるもので…。やっと映画化できました。真面目な顔をしながら、ユーモアたっぷりのコメントを。

「劇場版からの参加でしたが、番組は見ていたし、実際参加しても楽しかったです。」と初参加の感想を述べた小池徹平に対して、生瀬勝久が「『ごくせん』の生徒ですからね…。立派な俳優さんになられて…。」と切り返すと、会場からは笑いと拍手が起きた。さらに「監督から数年前に映画化をしたいという話を聞いていましたが、コント、ギャグの要素が高いオムニバスをどうやったら、ストーリー性の高い映画にできるんだって…話を聞き流していました。(笑)でも、出来上がりを観たら感動しました。コメディを最初に「おもしろい!」って言ってしまうとハードルが上がってしまいますが…。宣伝は皆さんの肩にかかっているんです!皆さんのやるべきことわかりますよね?ぜひとも宣伝よろしくお願いします!」と。

コメディの要の伊東四郎は「歳を取ってしまいましたが、喜劇に対する思い入れは人一倍強いです。喜劇映画に呼んでもらえること自体がうれしいことです。」と。

堀内敬子もまたユーモアを込めて「小池君とは今回はじめての共演でしたが、人なつっこくて、背も私と同じぐらいですし、髪型もかぶっていて…。はじめはちょっと嫌だったんですけど…。(笑)楽しく撮影できました。」と現場での楽しい雰囲気が想像できるような素直な?コメント。

吉田照幸監督は「最初、コメディには興味がありませんでしたが、マイケル・J・フォックスの作品を見て、病気を抱えながらも人を笑わせて、人を感動させて、幸せにすることに感動しました。また、人を笑わせること、それはとても難しいことだと思っています。それに挑戦したかったといえばかっこいいですか?(笑)コメディは映像に関わる人間にとって野心的、挑戦的なものだと思っています。」と出演各人のこの作品への思い入れや誕生秘話が語られ、ついでに宣伝も依頼という場面もあった。舞台挨拶後、フォトセッションが行なわれ、マスコミにはもちろんのこと、会場全体に出演者全員の笑顔が振りまかれた。会場からは多くの声援が飛び交った。中には「課長!」という声援までも。

 そして、『サラリーマンNEO 劇場版(笑)』の上映が始まった。

業界5位のビール会社「NEOビール」。そこに新入社員として入社した新城(小池徹平)。彼の第一希望の会社ではなかったことから、シブシブ感がぬぐいきれないままの入社だった。そんな彼が配属されたのはかつて「冷麦」を大ヒットさせた実績を持ちつつ、いまは阪神タイガースを応援することに心血を注ぐ課長・中西(生瀬勝久)が率いる営業一課。その営業一課には一癖二癖ある個性豊かな面々(あのセクスィー部長川上くんも健在)がいた。営業成績を気にし、毎日、新しい取引先を探し回るサラリーマン生活が続いたが、なかなか新城の成績は上がらない。仕事でもつまずき、プライベートでもコンパで女の子たちの反応も悪く、自分の将来性もみえず、転職まで考える始末。

そのとき、NEOビール、根尾社長(伊東四郎)が全国酒類協会ゴルフコンペで業界1位の大黒ビール、布袋社長(大杉漣)に大敗したことから、何が何でも「シェア1位を奪還するビール」の開発を社員全員に厳命した。なんと、そのプロジェクトチームのリーダーに新入社員・新城が抜擢される。

チーム新城、皆が力を合せ、商品開発が進んだ。先輩たちの姿を見ていた新城の気持ちが変わり、その開発に専念していった。

しかし、発売目前で大きな問題が発生。あの業界トップの大黒ビールが新城たちの開発していたビールと同じコンセプトのビールを発売すると大々的に発表。「真似など許さない」という根尾社長。責任を取り、課長・中西は減給。新城は資材管理室に異動。そのとき、チーム新城は…。

 上映中、絶えず<笑い>が会場を包み込んだ。人は<笑う>と不思議に自然に幸せな気持ちになると思うのは私だけではないだろう。

特に今年は災害が多く、震災や土砂災害などで、悲しい思い、辛い思いをしている方々がたくさんいられる。そして、人が生きているうえでは仕事でだったり、学校でだったり大なり小なりいろんなことが起きる。でも、そんなとき、ひと時でも、楽しい時間、そして<笑い>があれば、なんか前に進めるような気にならないだろうか?私はこの作品を観て、一歩でも前に進むことができるようになるのではないだろうか、そんな気がした。

 この『サラリーマンNEO 劇場版(笑)』ではサラリーマンの悲哀も描かれている。サラリーマンでいる以上、理不尽な要求にも応えなければならい。でも、サラリーマンなら1人じゃなく、同僚がそばにいる。そんなサラリーマンの本質を描いているように感じた。<笑い>をもって、<仲間>と一緒に<苦難>を乗り越えていく。いま、そしてこれからの日本への応援歌のように感じた作品だった。

 もし、何か悩み事があるのだったら、ずっとそのことを考えているのではなく、2時間という時間だけでもそのことを忘れるくらい笑ってみたらいかがでしょう?悩み全てを消し去ることは出来ないだろうが、気分転換をすることで、なにか解決策が見つかるかもしれない…。

 2011年11月3日(祝 木)全国ロードショー

配給:ショーゲート

公式HP:http://www.neo-movie.com

 劇場で観る前に…、この、NEOの原点、人気コントを集めた1本で爆笑してみては。

2011年10月5日(水) DVD「『サラリーマンNEO』ザ・ベスト 爆笑コント29連発」発売開始

発行:NHKエンタープライズ

発売:ポニーキャニオン

公式HP:http://www.ponycanyon.co.jp/neo/

 現在もSeason6が爆笑放送中。

NHK総合 毎週火曜日22:55~23:25(再放送 月曜日:日曜日深夜 0:30~1:00)

 Red Romance発売

NEOビールとサントリーが業務提携。映画『サラリーマンNEO 劇場版(笑)』と実存するビール会社「サントリー酒類株式会社」がコラボレーション。「Red Romance(レッド ロマンス)」が11月1日(火)に発売される。映画を観ながら、DVDを観ながら一度お試しあれ。

 「したまちコメディ映画祭」では、ここで紹介したオープニング作品以外にも『タタール大作戦』、『Henry’s Crime』、『極道めし』、『モンスター上司』など多くのコメディ映画が上映され、『モンティ・パイソン特別講義』、『エノケン×笠置シヅ子のブギフェス』などのイベントが催された。今回、残念ながら参加できなかった方も第5回の記念回となる来年はぜひ参加してみてはいかがだろうか。きっと<コメディ>、<笑い>は何か<力>を持っているように思う。それをご自身で探してみてください。

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