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2025年10月23日 07:55

シム・ウンギョン「運命を信じてみたいという作品」三宅唱監督「シム、堤真一、河合優実、髙田万作 全員が主人公! 4つ分の舞台挨拶を一緒にしている気分」 映画『旅と日々』プレミア上映

映画『旅と日々』の舞台挨拶付プレミア上映が10月22日(水) にTOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われ、主演のシム・ウンギョン、共演の堤真一、河合優実、髙田万作、そして三宅唱監督が登壇した。

第78回ロカルノ国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門にて最高賞である金豹賞《グランプリ》&ヤング審査員賞特別賞をW受賞。さらに第30回釜山国際映画祭では今年新設されたコンペティション部門、スペイン語圏最大の国際映画祭である第73回サン・セバスチャン国際映画祭ではサバルテギ・タバカレラ部門(多様で驚くべき映画・新しいアングルやフォーマットに挑戦する映画を上映する)に正式出品ほか20以上の海外映画祭での上映や、早くもUS、カナダ、フランス、韓国、中国、台湾、香港、インドネシア、ポルトガル、ギリシャでは配給が決まっており、世界各国からの熱い視線が注がれている超話題作。

強い日差しが注ぎ込む夏の海。ビーチが似合わない夏男(髙田万作)が、影のある女・渚(河合優実)に出会う。何を語るでもなく、なんとなく散策するふたり。翌日、また浜辺で会う。台風が近づき大雨が降りしきる中、ふたりは海で泳ぐのだった……。
つげ義春の漫画を原作に映画の脚本を書いた李(シム・ウンギョン)。「私には才能がないな、と思いました」と話す。冬、李はひょんなことから訪れた雪荒ぶ旅先の山奥でおんぼろ宿に迷い込む。雪の重みで今にも落ちてしまいそうな屋根。やる気の感じられない宿主、べん造(堤真一)。暖房もない、まともな食事も出ない、布団も自分で敷く始末。ある夜、べん造は李を夜の雪の原へと連れ出すのだった……。 

上映前に行われた舞台挨拶では、三宅監督は「舞台挨拶は(キャストたちの)再会の場みたいになるんですけど、この映画は、(この4人が)協力しあうこともなく、全員が主人公みたいな、それぞれの人たちの話。4つ分の映画の舞台挨拶を一緒にさせてもらっているような気分です」と笑顔で挨拶。

シムは、本作出演について「とても光栄でした。最初、三宅監督からのオファーにびっくりして信じられなかったです。『本当ですか?本当ですか?』を繰り返していた記憶があります。そして、台本を読み終わって、このお話は私の話じゃないかなというぐらい、すごい親近感を感じた作品でした。運命ってあんまり信じていないんですが、運命を信じてみたいという気持ちなった作品です」と当時の気持ちを明かし、さらに「映画ファンとしても三宅監督の映画が本当に大好きだったし、今回こうやって早いうちにチャンスが来るとは思わなかったです」と三宅監督に感謝していた。

べん造を演じた堤は「山形の庄内弁をしゃべっているんですけど、関西系出身の僕になぜオファーが来たのかなと思って、監督に『この庄内弁は、なんちゃっての感じでいいんですか?』と聞いたら『ガチでやってください』と言われ、分かりましたと。方言テープをもらって、自分のセリフを聞いて、勉強したことないぐらい勉強しました。三宅監督の作品は全部がリアルに感じる。自分の中ではチャレンジ!という気持ちで臨んでいました」と役柄に自信を覗かせていた。

河合は「ウンギョンさんと同じく監督の一ファンでしたし、三宅監督とご一緒する目標が今回叶ったことが嬉しかったですし、日本で俳優をしている人で、三宅監督の作品に出たいという人がいっぱいいると思うので、(この出演は)幸せなことだったなと思います」と監督を崇拝。三宅監督も「三宅の話は、もういいんじゃないの?」と大テレだった。

オーディションからの参加で「これはチャンスと思った」と言う髙田だが、三宅監督は「映画の中に入った途端に、キャラクターとして、素晴らしいロケ地で、その土地と一緒に映画作りをしていた。全員主役でしたから」と出演者全員に賛辞を送っていた。

このあとは、本作で印象に残ったシーンを披露。シムは「全シーンが大好きなんですが、特に、後半の堤さんとのやりとりは何が起こるか、ぜひご覧になってほしいし、あと、私の大好きなシーンはラストシーンです。『旅と日々』という映画の皆さんに届けたいメッセージがそこにあると思います」とPR。堤は「風景の描写」を挙げ「奇跡的な風景っていうか、その街の雰囲気だったりもするし、それが素晴らしいです」と激賞した。

さらに河合は「2つの季節があって、海を画面で観るとき、雪景色が開けるとき、そういう自然に触れる感覚がすごく豊か。それが、登場人物たちが波とか崖を前にすると、映画の中にいる人の体に入ったように肌感がすごくある。その自然を楽しんでいただきたいと思います」と堤同様風景をアピール。髙田は「自分が演じた夏男は結構可哀そうな目に遭うことが多く、そこが忘れられないです」と自身の演技をPRした。

イベント終盤には、ロカルノ国際映画祭での金豹賞《グランプリ》のトロフィーが披露され、三宅監督は「本当に嬉しかったですし、僕らは本当に数多くのスタッフの力で成り立っていて、そういう目に見えない働き含め、あの作品として認められたことを報告できるのは、とても嬉しいです」と満面の笑みを浮かべた。シムは「受賞時、河合さんが泣いていました」と明かすと、河合「泣いてましたっけ?」、シム「金豹賞って、ホントなの?えええー?!みたいな雰囲気になって、夢のような感覚でした」と会場でのシーンを振り返っていた。

イベント最後には、全員がひとこと挨拶。三宅監督「本当に心から楽しんでほしいです。(原作の)つげ義春さんの漫画を読んでみてほしいと思います」、髙田「夏と冬という対照的な季節が描かれていて、それぞれの美しさがある映画です。実際の季節を楽しむように、この映画も楽しんでいただけたらと思います」、河合「初号を観たときから、大好きな映画で、いろいろな要素が含まれているすごく豊かな映画。お話はすごくシンプルで、フラットな気持ちで楽しんでいただけると思います。でも、帰るときには、自分の人生と重なる感覚を思い出しながら、噛み締めてもらえたら嬉しいです」、堤「僕も初めて観たときに、本当にいい映画に参加させていただいたと思ったし、全体的には夏の陽の中の陰、冬の陰の中の陽が絶妙なバランスになっている。ぜひ一人でも多くの方に観ていただきたいです」と心を込めた。

そしてシムは「皆さんに初めてこの映画を観ていただくことができて、とても感無量です。この映画を通して、映画の力、そして映画館に行く楽しさを改めて感じていただくことができたら幸いです。何卒よろしくお願いします」と本作の大ヒットを祈願して、イベントを締めくくった。

映画『旅と日々』 11月7日(金) TOHOシネマズ シャンテ、テアトル新宿ほか全国ロードショー
配給:ビターズ・エンド ©2025『旅と日々』製作委員会

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