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「鼓童ワン・アース・ツアー2016~螺旋」代表・船橋裕一郎氏、坂本雅幸氏にインタビュー<前編>

2016/10/25 06:00

2016.10 取材:記事・写真/RanRan Entertainment

 

渡を拠点に、国際的な活動を行っている「太鼓芸能集団 鼓童」が、9月から4ヶ月に渡って全国36都市を巡る日本ツアー『鼓童ワン・アース・ツアー2016~螺旋』を93日から京都芸術劇場 春秋座を皮切りに上演している。

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坂本雅幸氏   船橋裕一郎氏

鼓童とは、日本の伝統芸能を現代に再創造し、新しい舞台表現を創りだしているグループとして、世界各地で高い評価を得ている太鼓芸能集団。「鼓童ワン・アース・ツアー」シリーズの最新作となる『螺旋』は、創立以来 35 年、太鼓に無限の可能性を追い求めてきた鼓童の、心地よい響き、緻密に制御された太鼓の音色を存分に感じる公演となる。

これまで演奏してきた古典の曲と新たに作曲されたものが合わさり、“螺旋”を描いて進化していくようなイメージの本作。坂東玉三郎氏の演出による公演は、今年創立 35 周年を迎えた鼓童の集大成でもあり、新たなスタートでもある、過去、現在そして未来へと広がる鼓童の世界を楽しめるものとなっている。

インタビューでは、鼓童の代表である船橋裕一郎氏とメンバーの坂本雅幸氏に、芸術監督としての坂東玉三郎氏の演出について、また和太鼓との最初の出会いや今回の公演の見どころなど、鼓童の魅力を余すところなくたっぷりと語っていただいた。

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“新しいことに挑戦して、それを寝かせることでまた熟成させる”

――9月から4ヶ月にわたって全国36都市を巡る日本ツアー「鼓童ワン・アース・ツアー2016~螺旋」がスタートされました。どのようなお気持ちで挑まれていますか?

船橋:丁度、35周年の記念公演となり、これまでの鼓童35年の歩みと玉三郎さんと出会ってから16年という歩みの集大成となる公演になるので、作品としてもさらに洗練されてきたものになってきたなと思います。8月にはサントリーホールで初演を迎え、お客様にも非常に喜んでいただきました。これから4ヶ月のツアーを行いますが、さらに洗練されていくとより面白味のある、深みのある作品になっていくと思います。自分たちも楽しみにしています。

坂本:玉三郎さんが芸術監督として就任されてからの作品の中では、昔、鼓童で使われていた曲も演奏しているのですが、玉三郎さんと共にやってきた歩みの中で、感覚の違いや表現の違いなどが演奏する者の中でもちゃんと消化されていて、昔の演目をやっても新鮮に見えるものになっています。それは、自分たちがやっていて新たな発見でもありましたし、以前から観てくださっているお客様からみても違和感もなく、むしろ新しいものに見えたといったご意見もたくさんいただきました。これから4ヶ月かけて内容も深めていき、12月の東京公演まで楽しみたいと思います。

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――お二人は11月後半から参加されるとのこと。現メンバーの演奏を客観的に見られていかがですか?

船橋:僕たちは一旦佐渡に戻り、別の稽古や玉三郎さんと次の作品づくりの作業を経て、11月後半からツアーに合流します。今回客席側からメンバーの舞台を観て、太鼓の音質の種類がとても増えてきたな、こういう音を自然な感じで出せるようになってきたなと思いました。それまではひたすら打ち込むことや強い音に拘ってやってきたのですが、玉三郎さんが入られてからは、「柔らかい音、弱い音をもっともっと研究しなさい」とご指導いただき、自分たちもあまりやってこなかったそういう部分を上手く消化して自然な感じで音を出せるようになってきたなと思いました。      

坂本:鼓童では和太鼓を使っていますが、以前から玉三郎さんに「打楽器奏者としてどんな楽器でも扱えるようになりなさい」とよく言われていました。それで、前回の作品でドラムセットに挑戦したりとか、その前の作品ではティンパニを取り入れたり、今回も新たにグランカスタというオーケストラで使う大太鼓のようなものを取り入れて音に厚みを加え、太鼓の余韻をサポートする感じで楽器を使っています。今まで自分たちの中では、そういった楽器を扱うことは挑戦だったのですが、外から観ていると何も違和感もなく自然に和太鼓以外の楽器が入っていて、それはすごい進化だなと思いました。それがずっと言われていた「どんな楽器でも扱えるように」ということなんだなと。若いメンバーも積極的にやっているので、不思議な感覚でしたね。

――「螺旋」は今年、創立35周年を迎えた鼓童の集大成となる作品とのことですが、今回の公演ではどういったことをされるのでしょうか。

船橋:今回の「螺旋」は作り方がかなり違っていて、「ワン・アース・ツアー」の中でも前の3作は作品として、例えば『神秘』の公演だと『神秘』というテーマをもとに今回は日本にある芸能を取り入れて、そこから広げていこうとか、『永遠』というテーマなら自然の音であったり、星の輝きだったりとか、テーマを元にやっていたのですが、今回は演目を先に決めて形から入っていったんですね。“すでにある曲をどうしていくか”というところを作る段階から考えていきました。それが結果的には『螺旋』という作品として上手くまとまったのですが、最初は『螺旋』というテーマを聞いてもピンとこなくて(笑)。結果として、新しい曲や古い曲が時代の中で進化してきた過程で、一番原点となる部分をもう一度見つめ直したんですね。そうしたら、それが上手く螺旋状に繋がっていきました。

――今までにない新しい作り方だったんですね。

船橋:玉三郎さんが入る前はそんな感じだったんですが、結果としては玉三郎さんの世界観の作品になっていったのが面白かったですね。それまでは比較的、一曲、一曲をやってそれを成立させて徐々にクライマックスにもっていく形だったんですけど。作り方が違っていたので苦労しながらですが、結果的にはこういうテーマに則した作品になったなと思います。

――演出もされる船橋さんから見て玉三郎さんの演出はいかがですか?

船橋:ひらめきと計算というか。最初はひらめきなんでしょうけど、それが結局おぼろげながらも玉三郎さんには絵が見えているので、僕らはその段階を追いながら、指示を受けながらそこに向かっていく感じなんです。演出としてはその場の音をすごく大事にされます。すごく細かいところまで(笑)。一音にすごく拘って、「昨日言ったその音」とか「一年前に言ったその音」とか、はっきり指摘されます(苦笑)。

――「一年前の音」と言われてすぐわかるんですか?

船橋:僕らは演奏しているうちに忘れてしまうのですが、「あれどうなってるの?」と鋭く指摘されてすごく緻密に、緻密に作られていきますね。その中でも、「今日の舞台はこうだから、今はあの音じゃない」と現状に満足しない、その場の感性も大事にされる柔軟さもあります。だから僕らも常に緊張感があって気が抜けないんです(苦笑)。

――基礎となるパターンはあるのですか?

船橋:一回、基礎となる型はしっかり作ります。基本となるものがないと元に戻れない。玉三郎さんも「元をどうしていたかを忘れるのはよくない」と仰いますので、そこは一回しっかり作ります。でも、「そこからはあなた達のやって行く中でどんどん膨らませていくことはいいけど、逸脱はしないように」とも。だから演奏者は一瞬たりとも気が抜けないんです(笑)。(隣の坂本氏に)それは稽古場でもそうだよね(笑)。

 

 後編に続く~http://ranran-entame.com/music/42802.html

 

<公演概要>

■「鼓童ワン・アース・ツアー2016~螺旋」

20161217日(土)18日(日)@NHK大阪ホール
923日(金)チケット発売


■「鼓童ワン・アース・ツアー2016~螺旋」千穐楽

20161221日(水)~25日(日)@東京都文京区 文京シビックホール

詳細は公式HPまで http://www.kodo.or.jp/news/20160900oet_ja.html 

 プロフィール】

太鼓芸能集団鼓童代表 船橋 裕一郎(ふなばし・ゆういちろう)
197459日生まれ。神奈川県中郡二宮町出身。


考古学を専攻していた学生時代に太鼓に出会う。1998年に研修所入所。2001年よりメンバーとして舞台に参加、太鼓、鳴り物、唄などを担当する。これまでに国際芸術祭「アース・セレブレーション」城山コンサートや、「P.P.C」「五衆」など小編成公演の企画演出、「BURNING」などの作曲も行う。交流学校公演、海外での共演など様々な分野を牽引。落語やプロレス観戦など様々な趣味を持ち、柔らかな口調と人情味溢れる人柄でメンバーの頼れる相談役。また20124月より4年間、鼓童の副代表に就任。20161月より鼓童代表に就任し、鼓童全体を率いる。

坂本雅幸(さかもと・まさゆき)
198481日生まれ。岡山県久米町(現津山市)出身。


2003年研修所に入所、2006年よりメンバー。主に太鼓を担当、ソロやセンターポジションを務める。国内外での公演はもとより、様々なアーティストとの共演・外部演出作品などに数多く出演し、アンサンブルの要として舞台をリードする。力強さと繊細さを兼ね備え、さまざまな演目をしなやかに打ちこなしてゆく鼓童の中心的奏者。自身監修の調律桶太鼓「奏」が「2015年度グッドデザイン賞」を受賞。

 

 

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