シン・スンフン、真のエンターティナーショー開催♫
2011/7/6 15:01
『The Shin Seung Hun SHOW 2011 –My way-(2011.6.24 NHKホール)レポート
~真のエンターティナー、シン・スンフンの歩んできた道、そして歩んで行く道~

クリーンに「SHOW‐My Way‐」の文字が浮かび上がり、シン・スンフンの歌う姿がフラュシュで流れる。『伝説の中の誰かのように』が女性コーラスで始まり、会場のファンは1人残らず皆、彼の姿を探す。そして、待ちに待ったシン・スンフンが記念すべきコンサートに相応しいタキシード姿でファンの歓声と拍手に迎えられ登場する。続いて、これぞシン・スンフンといわんばかりに『僕より少し高いところに君がいるだけで』をスポットライトのなか、しっとりと歌い上げる。続いて、日本でも知らない人がいないだろう『I Believe』がバラード調からアップテンポにアレンジされ、新しい曲のようにファンに届けられた。こうして、シン・スンフンワールドが展開されていった。


バラードをしっとりと聞かせるシン・スンフンであるが、ウイットに富んだMCも彼のコンサートの魅力の一つである。「3階席までいっぱいですね…。みなさん、見えないと思っているでしょ?3階まで。見えてますよ!バラードの時にペンライトを早く動かすのはおかしい。すごく気になるんですよ。」と。きっと、ステージから遠い3階にいるファンはこの「見えてますよ」という言葉はとてもうれしかったに違いない。ファンすべてを気にかけてくれる彼の気遣いが。「子供の頃から雨が好きで、出かける時はいつも雨が降るので、雨男とも呼ばれるから、日本に来るときは必ず傘もって来るんです。」と話しつつ、ここで、『今日みたいなこんな窓の外がよくて』をファンが指と掌で作り上げた雨音の中、歌った。

これまでの彼の発言がスクリーンに映し出された。なかでも「錆びてなくなる歌手より、擦り切れてなくなる歌手になりたい。」という言葉は彼の音楽に対する真摯な姿勢、ズバリそのものであると思う。そして、「言葉は通じないかもしれないが、私の歌は皆さんに伝わるはず。」という。シン・スンフンがファンとの「縁」をとても大事にしていることが心から伝わってきた。それに対して、会場からは大きな拍手が送られた。
カジュアルなスタイルに変わって再登場したシン・スンフン。音楽は時とともに変化するものだと。以前はスケールの大きな曲、でも、今は独り言のような曲が好きになったという。『FAITH』(ジョージ・マイケル)、『Because I love you』(スティービー・ビー)などをギター一つで披露する。ファンからのリクエストで『She』(エルヴィス・コステロ)も。さらには『Sweet Memory』(松田聖子)までも。フルサウンドではない、ギターのみでのシン・スンフンの歌も彼のやさしい声がさらに際立ち心地良いものだ。「アコースティックギターより、エレキギターを先に覚えたんだ。」と、エレキギターでも数々の曲の一節を奏でた。「こんなにもウケるとは思っていなかった。次回は『I Believe』もエレキで…」などとおどけるシーンも。エレキギターで盛り上がり、シン・スンフンのコンサートには欠かせない『オンマヤ』、『初めての感じのように』で、ファンもDANCE、JUMP!

シン・スンフンはこの東京公演のあと、名古屋公演、兵庫公演をもって、今回のツアーの幕を完全に下ろすことになる。これからの20年、いや30年、どのような楽曲をファンに届けてくれるのだろうか。楽しみである。期待している、歌手シン・スンフンのシン・スンフンたる変わらない姿・歌声、そして、ジャンルを広げながら新しいシン・スンフンとして変わっていく姿・歌声を。デビュー20周年を記念するだけに、『見えない愛』に代表される定番から新旧、日本の楽曲、洋楽などさまざまなジャンルの楽曲を織り交ぜた盛りだくさんの今回のコンサート。聴き応えたっぷりであった。当日、会場でシン・スンフンの魅力にさらに囚われたファンはその記憶を蘇らしながら、また、残念ながら今回、会場に足を運べなかったファンは会場がどんなだったか想像しながら『Shin SeungHun -20th Anniversary Best Collection & Tribute Album-』(2010.12.22日本リリース)を聞き返してみるのはいかがだろうか。
取材 S.TOMOMI