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2023年11月29日 12:47

ベルリン・フィルとキリル・ペトレンコによるコミュニティ・プロジェクト「Be Phil オーケストラ ジャパン」時間を忘れるような体験でした!

世界最高のオーケストラ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(首席指揮者キリル・ペトレンコ)の11月日本公演では、世代を超えた特別なアウトリーチ・プロジェクトを始動。

そのプロジェクトは、<Be yourself – Be music – Be Phil>をモットーにした「Be Phil オーケストラ」。 キリル・ペトレンコ指揮のもと、日本のアマチュア音楽家がベルリン・フィルのメンバーと共にコンサートを行うというユニークなプロジェクト。11月26日(日)には、サントリーホールにて一夜限りの夢のコンサートが実現した。

演奏曲目は、ベルリン・フィルのコンマスを務める樫本大進のヴァイオリンと、首席ソロ・チェリストのルートヴィヒ・クヴァント、指揮ラファエル・ヘーガーによるブラームス作曲 ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲。そしてキリル・ペトレンコの指揮によるプロコフィエフ作曲『ロメオとジュリエット』組曲抜粋。

集められた日本のアマチュア音楽家は約1200名の応募からベルリン・フィルのメンバーによる選考を経て選ばれた精鋭たち98名。しかも音大生が含まれない。年齢は18 歳から 67 歳まで幅広い年代の男女で、法学関連の大学院生、医療関係勤務、浜松のうなぎパイ販売製造会社勤務など職業も千差万別、全国津々浦々から参加した。

ブラームスの協奏曲を指揮したラファエル・ヘーガー(ベルリン・フィル打楽器奏者)は「本当に幸せ。2 時間の間、時間を忘れるような体験でした」と大成功に満面の笑みを見せた。さらに「日本でこのプロジェクトを実施するのはある意味チャレンジ。(本拠地のベルリンとは異なり)遠隔でオーガナイスしなければならない。けれど、本当にパーフェクトでした。とてもエキサイティングな体験でした」と加えた。

弦楽パートにはベルリン・フィルのメンバーとしてクリストフ・ホラーク(vn)、クヌート・ウェーバー(vc)など9名が参加し、アンサンブルを見事に牽引。一方、管楽器、打楽器は日本で選抜された奏者のみ。その理由をヘーガーは「理由は単純。もしベルリン・フィルのメンバーが入ったら、その分日本人の方のパート席が減ってしまうからです。それが唯一の理由ですが、リハーサルの段階でベルリン・フィルのメンバーが各パートに 1人ずつ、もしくは最低 1人。コーチとして寄り添い、自分だったらどういう風にこの曲を弾くのか、自分だったらどういう準備をするのかなどを伝えて非常に密な交流がありました。だから、実際にオケにメンバーが入っていなくても管楽器、打楽器はそれだけのレベルに達していたということです」と力説した。

Be Phil オーケストラのメンバーがステージ上に揃い、指揮者ヘーガーとソリストを待つ。場内は静まり、オケのメンバーの緊張が伝わってくる。ヘーガーのタクトが振り下ろされ、アンサンブルの音色が響き渡る。そして、後半はマエストロ・ペトレンコの手綱でプロコフィエフの名曲を弾き終えた。

ヘーガーは「今回日本で参加してくださった方は本当にレベルが高く、練習のスピードが速いんです。目標値に達するスピードが速かった。でも、目指すところは一緒だと思います。私たちの目指すところにすぐに到達できましたし、キリル・ペトレンコさんにも大変満足いただける結果となりました」と締めくくった。

今回参加されたメンバーの方々は「リハーサルでのペトレンコさんの精密さ、ベルリン・フィルの方々と非常に近くで接することが出来、幸せでした」(打楽器奏者・25歳男性)、「リハーサルの時にマエストロ・ペトレンコが『失敗を恐れず、リスクをもっと背負ってより素晴らしい音楽を目指して、もっとチャレンジしよう』と常に言っていたこと、そして皆さんが本当にフレンドリーで、いい音楽をしようという空気を作っていたのがすごく印象に残っております」(ヴァイオリン奏者・33歳男性)など、アマチュアとして音楽に接しているにも拘わらず、世界最高峰の音楽を共有できたことを誇りにしていた。

演奏会が終わり、サントリーホールの玄関にはBe Philメンバーが卒業式のごとく、パートごとに集まって誇らしげに、そして名残惜しげに記念写真を撮っているのが印象的だった。

今回のプロジェクトは、演奏会までの様子をテレビカメラが密着。12月16日(日)午後帯にフジテレビにて、ドキュメント番組の放送も決定した。

Be Phil 練習スケジュール
<11月22日(水)>
午前・午後@都内各所/セクション練習など <<BPOメンバーによる指導
夜間@サントリーホール ブルーローズ/合奏 <<指導=(指揮)ラファエル・ヘーガーほかBPOメンバー
<11月23日(木)>
夜間@サントリーホール ブルーローズ/合奏 <<指導=(指揮)キリル・ペトレンコ+(指揮)ラファエル・ヘーガーほかBPOメンバー
<11月24日(金)>
午前@サントリーホール ブルーローズ/合奏 <<指導=(指揮)ラファエル・ヘーガー/樫本大進&ルートヴィヒ・クヴァントほかBPOメンバー
<11月25日(土)>
午前@サントリーホール 大ホール/合奏 (指揮)ラファエル・ヘーガー/樫本大進&ルートヴィヒ・クヴァントほかBPOメンバー
夜間@サントリーホール 大ホール/合奏 (指揮)キリル・ペトレンコほかBPOメンバー

取材協力:サントリーホール
掲載写真(演奏会および練習風景):©Monika Rittershaus

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