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2017年2月24日 22:07

トランプ政権に揺れる今だから見たい、映画『ヨーヨー・マと旅するシルクロード』

トランプ政権に揺れる今だから見たい

映画『ヨーヨー・マと旅するシルクロード』

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『バックコーラスの歌姫たち』で2014年アカデミー賞(r)長編ドキュメンタリー賞を受賞したモーガン・ネヴィル監督が、世界的チェロ奏者ヨーヨー・マに密着したドキュメンタリー映画『ヨーヨー・マと旅するシルクロード』が、34日(土)Bunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座他にて全国公開となる。

アカデミー賞発表がいよいよ今週末に控え、賞レースの結果に期待が高まる一方で、今年は映画祭にもトランプ政権の政治情勢が反映される結果になるのではという懸念の声も上がっている。すでに、トランプ政権が実施しようとする移民政策に抗議し、外国語映画賞にノミネートされたイラン映画『セールスマン』の主演女優タラネ・アリドゥスティが授賞式への出席辞退を発表した。また、先月行われたゴールデン・グローブ賞では、メリル・ストリープなどセレブによるトランプ政権批判スピーチが相次ぎ、今月のグラミー賞でも移民政策へ抵抗しようと呼びかけるパフォーマンスが話題に。こうした流れを受け、ミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』はオスカーを最有力視されているものの、ムンバイ出身の俳優を起用した『LION/ライオン~25年目のただいま~』や人種や貧困に焦点を当てた『ムーンライト』にも改めて注目が集まり、最後まで賞の行方は分からない混戦模様となっている。

人々が抗議の声を上げる一方、それとは異なった方法で「人種」「移民」「多様性」を見つめ直させてくれるのが、映画『ヨーヨー・マと旅するシルクロード・アンサンブル』だ。古代の交易路にちなんで名付けられた“シルクロード・アンサンブル”は、世界的チェロ奏者ヨーヨー・マを中心に結成された国際的な音楽家集団。東西の民族楽器とクラシック、現代音楽が融合し奏でられるハーモニーは、地図上の国境をなくし、多様な文化を一つにし、芸術がさらなる進化を遂げる方法を実証していく。パリで生まれ、自分の意志と関係なくニューヨークに移住したヨーヨー・マを始め、本作に登場する多くのミュージシャンが自由を求め、革命により国を追われ、民族音楽を守るためアメリカへ渡っている。ヨーヨー・マは自分と同じように「自分はどこから来たのか?」「民族とは何か?」という問題意識を抱えたミュージシャンたちを集め、その活動を通じ、個々のアイデンティティの確立と異文化間の相互理解が矛盾しないことを音楽で伝えていこうとする。人種差別を声高に叫び当選を果たしたトランプ政権がアメリカの4年間を率いていくことになった現在、それぞれの映画が放つメッセージに目を向けてみてほしい。

映画『ヨーヨー・マと旅するシルクロード』は34日(土)Bunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座他にて全国公開。http://yoyomasilkroad.com/

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