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『江戸は燃えているか』妃海風にインタビュー!「1つのものをみんなで作り上げていく過程が好き」

2018/2/28 02:54

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

2018年3月に三谷幸喜書き下ろしの最新舞台作『江戸は燃えているか』が、東京・新橋演舞場にて上演される。

元宝塚星組トップ娘役の妃海風(ひなみ・ふう)が、退団後2作目として挑む舞台は、歴史に名高い江戸城無血開城をめぐる「江戸城明け渡し」をモチーフに、歴史をつくった偉人と歴史に名を残さなかった庶民たちの可笑しくも愛しい群像喜劇。作・演出の三谷幸喜が、「新橋演舞場史上、もっとも笑えるコメディ」と銘打った最新作だ。

インタビューでは、本作で勝海舟(中村獅童)の妹・順役を演じる妃海風さんに、作品への期待感や意気込み、退団後の心境の変化などについて語っていただいた。

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――まず、本作のオファーを受けた感想をお聞かせください。

昔から三谷さんの作品は観ていましたのでとても嬉しかったです。舞台やドラマ、映画など三谷さんの作品を観ると幸せな気分になりますよね。そんな三谷さんの作品に出演させていただけるなんて、ただ、ただ嬉しい!!という感じです。

――退団後、1作目は朗読劇(『ヴォイサリオンⅡ』)に挑戦され、今回2作目が三谷さんの作品となりますが、現時点ではどんな期待感をお持ちですか?

元々、宝塚でもお稽古には1ヶ月くらい長く費やし、公演も2ヶ月くらいするので、このように大勢で長くお稽古に時間をかけて作っていくことが嬉しいです。昔から1つのものをみんなで作り上げていく過程が好きで、共演者の方々からさまざまな刺激をもらえると思うと、とても楽しみです。

私自身が経験したことのないコメディであり、男性の皆さんがこれだけたくさん出演され、女性陣も芸能界でご活躍されている方々とご一緒することは怖いというか……そこに入った時にどういう気持ちになり、どのようなことができるのか。それを考えただけでもワクワクしています。

――新橋演舞場という老舗の劇場の舞台に立たれるご気分はいかがですか?

歌舞伎が好きで、新橋演舞場にはよく足を運んでいたんです。当時は片岡愛之助さんにハマっていまして(笑)。お土産売り場もあって楽しいですし、演舞場の舞台は宝塚の劇場とはなにか違う空気感を感じますね。また、舞台上の空気感は観客として客席に座っていても感じますし、当然、お客様も宝塚ファンではない方々がいらっしゃいます。私にとって、すべてが新しい空気感の新橋演舞場はワクワクしますし、舞台の匂いというものがあるので、今回はどんな匂いがするのかとても楽しみですね。楽屋や廊下など役者の方々が立たれていた余韻を感じることも好きなのでとてもドキドキします(笑)。

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――幕末群像喜劇とのことで、お着物姿も見られるのでしょうか?

幕末劇なので、着物と聞いています。着物は、宝塚退団公演やショーでも着ていたので慣れていますが、独特な着付けの仕方やメイクも宝塚化粧でしたので、今回のような舞台では新鮮に感じられると思います。

――お着物の所作などは宝塚時代で身に付いていらっしゃるので不安はないと思いますが、いかがでしょうか?

お着物の所作といっても宝塚独特ですから(笑)。娘役独特の所作であり、声の出し方や表情の作り方もすべて独特なので、新たに「初めて日本の和物に挑戦するぞ」という感覚の方がいいかなと思っています。声の出し方は宝塚の娘役はより女性らしく演じるように発声するので頭の上の方で声を出していましたが、本作では発声の仕方も違います。周りに合わせ、キャストのみなさんの空気を感じて自然にできるはず……と信じています。役者の方々は舞台で、どのような声の出し方をされているのか、いろいろな舞台を観て勉強していますが、観るよりもお稽古場で聴いた感覚を一番感じて悟るタイプなので、きっとお稽古場で衝撃を受けると思います。

――演出の三谷幸喜さんについてはどんな印象をお持ちですか?

稽古開始前に一度お会いした際は、テレビでお見かけするイメージそのままという印象でした。巨匠と呼ばれるほどとても素晴らしい方なのに普通の感覚をお持ちですし、相手を緊張させないというか、非常にお話しやすい方でした。

――その時、三谷さんからは何かお話はありましたか?

その時は演出などの細かいお話はまだなくて、私の好きなことをお話させていただいたのですがたくさん聞いてくださって(笑)、とてもいい方でした。淡々とお話されるのですが、言葉のセレクトが面白いので笑ってしまうこともあって、初めてお話した数分間だけで大好きになりました。人としての魅力を持たれている方だなと思いましたね。あと、「僕は怖くないから」と仰っていただいたので安心しました(笑)。

――今回は、コメディにうってつけのキャスト勢が揃った座組みですが、共演で楽しみにされていることはありますか?

実はずっと前から高田聖子さんのファンなんです。まだ劇団に入る前の宝塚音楽学校1年目のときに、高田さんの『月影十番勝負』(1995年~2006年、高田聖子プロデュース作品)という作品をよく観ていて、とても憧れていましたので今回、共演できると聞いてすごく嬉しくて。また、“ずん”の飯尾和樹さんも好きで、母親も大好きなんです(笑)。飯尾さんとの共演を母が一番楽しみにしているんです(笑)。

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『人間が持つ情熱を、退団してからより感じるようになった』

――新橋演舞場史上、「もっとも笑えるコメディ」とのことですが、プライベートで最近もっとも大笑いしたことはありますか?

そんなにストーリー性のある話ではないんですけど(笑)。友達と「鍋をしよう!」ということでお店に買い出しに行った時、“豆乳鍋”に入れる具材について「私、エリンギ入れるね」「え?エリンギ?!入れないでしょ~(笑)」とか、「私、お肉は豚肉入れたい」「豚肉!?いやいや、そこは鶏肉でしょ!」「鶏肉は入れないやろ~(笑)」という他愛のない会話で爆笑していました。ちなみに私は、鶏、豚、つくね、全部入れます!(笑)。

――タイトル「江戸は燃えているか」にかけまして、妃海さんは興奮されるタイプと伺いましたが、最近どんなことにパッションを感じましたか?

宝塚時代は、タカラジェンヌという同じ目標に向かっている人たちと、同じ目標に向けて情熱を燃やしていましたが、宝塚を退団して日常生活に戻ったとき、いろいろな方たちと関わるようになって感じたことは、みなさんそれぞれにポリシーがあり、仕事や何かに燃えていて「みんな情熱的に生きている」ということ。とくに日本人は頑張ることが好きな国だと思いますし、役者ではない方々と交流したときにも、みなさん熱い話ができる方が多いなと感じました。人間が持つ情熱というものを、退団してからより感じるようになって、私も日々情熱を燃やして生きていきたいと思うようになりました。

――宝塚と言えば、宝塚時代に相手役だった北翔海莉さんとは交流されていますか?

よく会っていますよ。こんなにお会いできるとは思っていなかったですね。在団中は相手役さんということで緊張していましたし、退団してからたくさんお話しできる仲になるとは思っていなかったです。退団すると男役女役というような性別感がなくなるというか(笑)。北翔さんに限らず、現役の男役さんと接しても、当たり前ですが「この人は女性なんだ」と思えるようになりました。

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――退団されて1年、本格的に始動されて日々の生活も変わられたと思いますが、どのような変化がありましたか?

やはり、日常をゆっくり感じられるということが幸せだなと思いました。例えば、睡眠もそうですが、朝起きて「よく眠れたな~」と気持ちよく思える瞬間や、クリスマスの時期には「クリスマスのグッズを探しに行きたいな」など日々の生活を感じられることですね。また、「休みがなくて辛いけどレッスンに行かなきゃ」という状況でやるよりも、ちゃんと食べて寝て行ったレッスンの方が感じるキャッチ能力がまったく違うので、“人間休みは必要だな”ということを感じましたね。いろいろなことを感じられることが楽しいですね。

――余裕ができたことが大きいのでしょうね。

大きいですね。これまでは余裕がなさすぎたと思います。あまり熟睡できないし、大好きな公演といえどもそれがずっと続いているわけで。いろいろなことに「私は元気」と自分に嘘をつきながらやっていたので、日々の生活を感じて体や心の声が聞こえるというこの時間がすごく幸せに思えるんです。今まで見られなかったドラマやアニメなどを見ることもできて楽しいです。

――では、退団後に演技をすることを選ばれた理由は何だったのでしょうか?

退団後は何をするかを決めずに退団したので、「自分が何にときめきを感じることができるのか」をすごく探していたんです。そんな時、あるきっかけでファンの方々を集めたイベントをしたのですが、そこでみなさんが泣いてくださったり、「明日もがんばれます」というお言葉をいただいたりしてすごく励みになって。そういった、非日常を作るエンターテイメントの世界は、大事なことだなと改めて感じました。

昔から根本的に人を楽しませるのが好きなのと、人との出会いなどタイミングも合ってこの道を選びました。タイミングが合う時というのは、神様も「いいよ」と言ってくれている気がするので、この流れを大事にしたいと思って今ここにいます。今年から本格的にお芝居をしていろいろ感じると思いますが、自分がこの世界にいられることがとてもありがたいことだなと思っています。

――今後はどんな目標をお考えですか?

宝塚ではミュージカル専門で歌やお芝居や踊りをやってきましたので、基礎となる部分はありますが、去年、経験したことがなかった朗読劇に挑戦して、「またやりたい」「もっと知りたい」と思いました。自分は本当に好きなことに熱意をそそぐタイプだと思うので、いろいろアンテナを張り巡らせて進んでいきたいと考えています。また、歌うことやダンスも好きですが、やはり自分は感情を動かすお芝居が大好きなので、お芝居をたくさんできたらいいなと思います。

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『初の演出、初の作詞に挑戦した単独コンサート』

――初の単独コンサート『Magic』は素の妃海風さんが見られる、ファンにとっては嬉しいコンサートだったと思われます。コンサートでは「初の演出で初の作詞」をされましたがいかがでしたか?

もう大変だったんですよ!(笑)。演出から舞台装置や衣装などすべてを自分で考えたのですがもう大変でした(笑)。また、作詞といってもそんなにカッコいいものではなくて、やむをえずですよ、やむをえず(笑)。英語の歌だったのでしかたなく日本語訳をつけることになって……。3曲作ったのですがとても時間がかかったので、作詞家の方のすばらしさを感じましたね。

演出に関しても、自分の知識の浅さにもっと勉強しないといけないと思いましたし、衣装についても、デザインの知識もないまま、自分がデザインしたものが舞台でどう映えるのかもわからずに取り組みました。また、単独コンサートは初めてだったので、「あれは大丈夫かな?」「あれはやったかな?」と常に不安で何かに追いかけられている感じで。そんな中でも、私の細かい拘りをみなさんが聞いてくださって、すごくありがたかったですね。準備は大変でしたが、この作業が一番勉強になったと思います。

――イベントの構想期間はどのくらいあったのですか?

タイトルやこんなグッズを作りたいという大まかな構想は前々から考えていましたので構想期間でいったら結構、長かったと思います。実際にお稽古が始まって、映像などは始まる1ヶ月前くらいから一気に進んでいきました。元々は、お茶会という1時間半くらいのファンクラブイベントを私がどんどんエスカレートさせて、照明や衣装に凝りだして演出し始めたんです。ファンのみなさんに喜んでもらえることが嬉しかったので、自分は演出することが好きなのだと思いました。とはいえ、コンサートでは、きちんと演出家の方がいらしてやるものだと思っていたのですが(笑)。イベンターの方から演出家を立てずに、私のやりたいことを制作のほうでまとめたほうが、よりいいものができるのではないかということで、すべて自分でプロデュースすることになったんです。

――なるほど。そうして苦労されたイベントが終わった直後の感想は?

「気持ちよかった~」というのではなく、完全燃焼して「終わった……」という感じでしょうか(笑)。だけど不思議なもので、あれだけ準備も辛かったのにすべてが終わったときには「またやりたいな」と思う自分がいて。そこにはもっと知識を蓄えるという目標もありますので、またやりたいと思いました。

――ファンのみなさんへメッセージをお願いします。

2017年はいろいろな経験をして、私もファンの方々も新しいものをみて、新しい世界に興奮するという経験をしました。2018年はまた、三谷幸喜さんの作品からスタートするということで緊張していますし、ワクワクしていますので、ファンのみなさんも同じ気持ちになってくれているのではないかと思います。いつもよりもちょっぴり勇気がいるところなので、たくさん応援してくれると嬉しいなと思います。いつも通り心を込めて一生懸命やりますので楽しみにしていてください!

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■プロフィール
妃海風(ひなみ・ふう)
元宝塚星組。大阪府吹田市出身。1989年4月12日。
2009年に宝塚歌劇団入団、宙組公演「薔薇に降る雨/Amour それは…」で初舞台。同年、星組に配属。2013年、「南太平洋」でヒロインに抜擢。2015年、星組トップ娘役就任。同年、「ガイズ&ドールズ」で、大劇場お披露目を果たす。2016年11月20日、「桜華に舞え/ロマンス!!」東京公演千秋楽をもって宝塚歌劇団退団。2017年4月12日付で、ジーアールプロモーション所属となり、芸能活動を開始。同年、シアタークリエにて、クリエ プレミアム音楽朗読劇 VOICARION(ヴォイサリオン)II – GHOST CLUB- 謎の少年(Sir.クロフト)。妃海風CONCERT2017「Magic!」(2017年10月)を開催。

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PARCO Production 三谷幸喜新作書き下ろし
「江戸は燃えているか」
TOUCH AND GO

作・演出:三谷幸喜
出演:中村獅童 松岡昌宏
松岡茉優 高田聖子 八木亜希子
飯尾和樹 磯山さやか 妃海風 中村蝶紫 吉田ボイス
藤本隆宏 田中圭

公演日程:
2018年3月3日(土)~26日(月)新橋演舞場 
http://www.parco-play.com/web/program/edomoe/

<あらすじ>
時は慶応四年。
鳥羽伏見の戦いで幕府軍に勝利した西郷吉之助(隆盛)率いる官軍(新政府軍)は、江戸城総攻撃のために、東海道を進んできていた。
西郷としては、無駄に血を流さずに江戸城を受け渡してもらえるなら、こんなに嬉しいことはない。そこで幕府側の代表である勝海舟と会って、降伏を勧めることにする。
だが、この勝という男、実は元来の江戸っ子気質で、気が小さい上に喧嘩っぱやい。
こんな性格の勝が西郷に会ったら、間違いなく交渉決裂。江戸は火の海になるのは目に見えていた。江戸の庶民たちも、誰もが戦さは望んでいない。もう戦さはこりごりだ。
そこで立ち上がったのが勝家の人々。
彼らが考えた作戦は、勝をニセの西郷に会わせて、ニセ会談をやらせている間に、勝家の庭師の平次に勝のフリをさせ、本物の西郷に会わせて、和平交渉をしてしまおうという、大胆なもの。
なんとしても江戸を戦火から守るんだ!
名もなき庶民たちによる、西郷吉之助&勝海舟を相手の大芝居が、今、始まろうとしている。

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