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2023年1月23日 13:25

【前編】珠城りょう&渡辺大インタビュー 舞台『マヌエラ』「マヌエラは、芯が強いけれどチャーミングな女性。踊りがどんな表現になるのかドキドキしています(珠城)」「妖艶な空気に飲まれそうです(渡辺)」

取材・撮影/RanRanEntertainment

珠城りょう、宝塚歌劇団 退団後の初主演舞台『マヌエラ』が2023年1月15日(日)から 東京建物 Brillia HALLを皮切りに、大阪、福岡で上演される。

 

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本作は、第二次世界大戦直前の上海の薔薇と呼ばれた実在の日本人ダンサー、マヌエラの愛と激動の半生を、音楽×ダンス×芝居で描く。1999年1月に上演し好評を博した本作は、24年ぶりの上演となる。脚本は、「金曜日の妻たちへ」「男女7人夏物語」ほか数々のドラマ、映画シナリオを手掛けた鎌田敏夫。演出は本作に俳優としても出演する千葉哲也が務める。鎌田が23年前に手掛けた脚本を、DANCE ACTとして甦らせた。

マヌエラを演じる珠城りょうと、和田海軍中尉役の渡辺大に舞台への意気込みとお互いの印象などを聞いた。

 

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――今回の舞台は、珠城さんの宝塚歌劇団退団後の初主演舞台となりますが、オファーがあった時のお気持ちからお聞かせください。

珠城:主演で、しかも1999年に上演された『マヌエラ』という作品であること。その二つの驚きが同時にありました。作品の内容は、ファンタジーの世界ではないので、きちっと務めなくてはいけない、身の引き締まる思いでした。

 

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――渡辺さんは、昨年、『魔界転生』で初舞台を経験され、大変好評を得ていらっしゃいました。再び、舞台出演となりますが、決まった時の心境はいかがでしたか?

渡辺:ここ20年間はずっと映像畑で来たので、生のお客さまの目の前で芝居をすることがありませんでした。お話をいただいてもなかなかタイミングが合わなかったりして、やっと舞台出演できたのが昨年の『魔界転生』でした。その時は、ちょっとドキドキはしましたが、一回やってみると舞台の楽しさを感じてしまい、近いうちにどこかでまたやれたらいいなと上演後に思っていました。またできることになり、皆さんの前で芝居できることが楽しみです。

――やはり、生の手応えというものを感じられたのでしょうか?

渡辺:そうですね。映像の場合と違って、知り合いから観た直後に感想を聞けたのは楽しかったですし、カンパニーの皆さんと3,4カ月一緒にずっといれたのも楽しかったです。じっくりみんなで作ることができ、仲も深められたので、舞台の魅力はいっぱいあるなと思いました。

――脚本を読まれてみていかがでしたか?演じるマヌエラ、和田海軍中尉の魅力はどこにあると思われましたか?

渡辺:会話の端々に表れる感情の動きが繊細に描かれています。珠ちゃんの踊り、ダンサーとしての踊りの表現、舞台の中を存分に動いている彼女に魅了されていく和田海軍中尉や様々な人たちの人間模様など、まだ台本の中からは見えていないところがあるので、そこが楽しみです。上海のフランス租界の雑多な人が渦巻く中を楽しんでやれたらと思います。

 

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珠城:この作品は第二次世界大戦の直前を舞台にしているので、ヘビーなイメージがあるかもしれないですが、その中で、大さんもおっしゃっていたように様々な人間模様が描かれていて、会話の中でちょっとクスッと笑っていただけるようなところもあります。マヌエラ自身も芯があって強い女性に一見捉えられがちなのですが、女性らしいチャーミングな部分も描かれています。一人の女性として可愛らしい部分もあるのだなと思っていただけたらと思います。ダンスがマヌエラの心情を表現する時にどういう風に使われていくのか、これからお稽古が始まってからわかっていくところなので楽しみです。大さん演じられる(和田)海軍中尉との心の距離感をどう深めていくのか、実際に立ち稽古をして、台詞を交わして初めてわかってくると思うので、その辺りも楽しみにしています。

 

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――もうすでに、「大さん」「珠ちゃん」と、呼び合っていらっしゃいますが、お二人は何度も会われたことがあるのでしょうか?

渡辺:お会いしたのは、たぶん3、4回です。なぜ「珠ちゃん」と呼んでいるかと言いますと、僕の知り合いの娘さんが宝塚(歌劇団)にいらして、珠ちゃんと同期だったんです。香咲蘭さんです。彼女がきっかけで、2015年、16年ぐらいに初めて宝塚を観ました。ヅカファンの方は皆さん「珠ちゃん」と呼んでいるので、僕も「珠ちゃん」と刷り込まれているのです(笑)。

珠城:事務所が一緒なので、私のチーフマネージャーがよく大さんのお話をされるんです。今、大さんがこういう仕事をされているとか、作品の内容の話もしてくれて、その時にいつも「大が」とおっしゃっているので、私も親近感が湧いてしまって。

渡辺:僕は現場で「渡辺」と呼ばれたことがあまりないです。

珠城:そうですよね。確かに。

 

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――これまで、それぞれの作品をご覧になっていての印象はいかがですか?

珠城:映像の作品を観ると、大さんは硬派なイメージがありました。現代劇はもちろん、時代物もすごく素敵でしたし、地に足が着いたお芝居をされる方なのだなと思って拝見していました。実際お会いしてお話したら、物腰が柔らかくて、映像のイメージと違いました。顔立ちも、キリッとしていらっしゃるから、もっとパリッとした方なのかと思っていたら、とても穏やかな方なので、一気に安心感が芽生えました(笑)。

渡辺:僕が珠ちゃんの舞台を初めて観たのは『1789』(『1789 -バスティーユの恋人たち-』)でその時から、背も高くて、パリッとしていてカッコいいなと思いました。一幕の終わりをみんなで歌って終わるのですが、それが印象的で、あれで僕は宝塚にハマった記憶があるんです。でも最近会うと女性なので(笑)、ギャップを感じてしまって、ちょっと見慣れない感じです。不思議なドギマギ感、高揚感が舞台でも使えたらいいのではないかと思います。

――まだお稽古前でいらっしゃいますが、現時点で好きな台詞や場面を挙げていただくとしたらどこになりますか?(※稽古前に取材実施)

珠城:好きなシーンはたくさんありますね。大さんが演じられる中尉との二人のシーンが最後の方にあるのですが、すごくドラマティックだなと思っています。そこに来るまで溜めていた感情がぶわっと一気に流れてくるようなシーンだと思うので、そこをいかに情熱的にドラマティックに大切に演じられるか、最後の幕が下りる時にお客様の心に残るか、そのラストシーンが重要だと思っています。そこに至るまでに自分がどういう感情になるのか非常に楽しみですし、そこをとても大切に演じたいと思っております。

渡辺:大日本帝国の終わりの始まりが、ラストなんです。この後どうなるのだろうとお客さまに思ってもらえるような話なので、その前のプロセスがすごく楽しみです。上海のフランス租界を彼女が飛び回るので、その世界観も非常に面白いと思っています。稽古場にいって、舞台だとどれぐらい動き回れるのか、どんな風に大きく見えて、ダイナミックに描いてもらえるのかと思うとそれもすごく楽しみです。

 

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PARCO PRODUCE 2023『マヌエラ』
東京 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)2023年1月15日(日)~23日(月)
大阪 森ノ宮ピロティホール 2023年1月28日(土)・29日(日)
福岡 北九州芸術劇場 大ホール2023年1月31日(火)

脚本:鎌田敏夫
演出・出演:千葉哲也
音楽:玉麻尚一
振付:本間憲一
出演:珠城りょう、渡辺大、パックン(パックンマックン)、宮崎秋人、千葉哲也、宮川浩
岡田亮輔、齋藤かなこ、磯部莉菜子、松本和宜、馬場亮成、榎本成志、松谷嵐、横田剛基
伯鞘麗名、永石千尋、平井琴望、佐藤アンドレア、平山ひかる
企画・製作: 株式会社パルコ
公式サイト: https://stage.parco.jp/program/manuela/

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