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2024年2月10日 04:00

佐藤勝利、山内圭哉らが新たに作り上げる『モンスター・コールズ』レポート 「体験したことのない観劇体験ができると思う」

パトリック・ネス  山内圭哉  佐藤勝利  サリー・クックソン

本作は、シヴォーン・ダウドの遺したメモをもとにパトリック・ネスが肉付けし、ジム・ケイが挿絵を描いて完成した小説『怪物はささやく』の舞台版。2020年に日本初演を予定していたが、新型コロナウイルスの影響により中止になり、今回満を持しての上演となる。

演出を務めるのは今回が日本初演出となるサリー・クックソン。さらに英国のクリエイティブチームが来日し、マジックリアリズムな世界を舞台上に作り上げる。

主演を務めるのは俳優としての活躍も目覚ましい佐藤勝利。また、山内圭哉、瀬奈じゅん、葛山信吾、銀粉蝶ら実力派が顔をそろえた。

初日前の会見には、演出のサリー・クックソン、原作のパトリック・ネス、佐藤勝利と山内圭哉が登壇。まずは日本の観客に向けたメッセージを聞かれ、パトリックは「シヴォーン・ダウドのアイデア、私の小説、ジム・ケイの挿絵、3名で完成させた作品です。そこに舞台制作チームが加わり、全員でゴールに向かってきました。先ほど初めて日本版を拝見し、圧倒されました。キャストのお芝居演技、演出、音楽によってものすごくストーリーに引き込まれました。素晴らしかったです」と作品が生まれた経緯と完成度の高さを説明する。

本作のために1ヶ月ほど日本に滞在したサリーは、日本とイギリスの違いを聞かれ「非常に多くの違いがありました。まずポテトを食べない」とモーモアを交えつつ、「イギリスではこぢんまりした感じで作っていましたが、日本では初日からこの舞台に関わる全員が揃っており驚きました。一人ひとりがこのストーリーを最高の状態で語るために存在していて、日本版にはそれぞれの想像力やこだわりが反映されています。この作品を作る中で、一緒にストーリーテリングをすること、異なる文化を共有することがとても楽しかったです」と語った。

4年越しの上演について、佐藤は「待ち望んでいた上演です。僕らも色々な違いを感じ、チャレンジからたくさんのことを勉強しました。スタッフの皆さんもアーティスト性を重視していて、舞台は芸術だと改めて感じました」と振り返る。

本作でエアリアルに初挑戦するという山内は「宙に浮くのもそうだし、高足を履いたり裸だったり、罰ゲームみたい」と笑いつつ「エアリアルについても非常に丁寧な稽古でした。根性論ではなく、日にちをあけて待ってくれるのでやりやすかった。合理的な稽古のおかげで不安なくここまできました」と手応えを語る。

また、何かを見間違えて急に怖く思えた、怖い体験をしたエピソードを聞かれると、パトリックは「ドナルド・トランプがテレビに出ているとモンスターだなと思います」とブラックジョークを披露。佐藤の「劇場には出るってよく言いますよね。帝劇に立っている時、見える先輩がいて、そういう話をしていたんです。僕は信じるタイプじゃないけど、たまに白い女性が見えると聞いて本番に立っていたら、白いベッドに乗ってフライングしている時、右側に何か白いものが見えた気がして。そしたら右側があまり動かなくなったりしました」というエピソードに、山内は「ガチのやつやん!」と驚いた表情を浮かべる。「劇場にはお化けがいると言いますが、いいお化けもいるんですよね。PARCO劇場なんかはいいお化けで、守られている感じがしますね」という山内の言葉を受けて、佐藤は「注釈ですが、帝国劇場はいい劇場です! 想像力の中にモンスターがいるんじゃないかなと思います」とまとめていた。

最後に、初日に向けた意気込みを聞かれると、山内が「普段のお芝居とは違うアンテナを張って演じないといけません。久しぶりに初日前にドキドキしています。丁寧に作った作品をしっかり届けます。最後はお客さんも一緒に作り上げられたら」と呼びかけ、サリーも「ぜひ私たちと繋がってください。非常に普遍的なストーリーなので、ぜひご覧いただき、さまざまなことを感じていただけたら」と頷く。

佐藤は「体験したことのない演劇体験ができると思います。想像力を働かせられますし、すごく美しい物語です。皆さんと一緒に日本の『モンスター・コールズ』を一緒に作り上げていけたら嬉しいです」と締め括った。

30分ほどのプレスコールで披露されたのは、コナーのもとにモンスターが現れ、「これから三つの物語を聞かせる、私がその三つの物語を語り終えた時、お前が四つ目の物語を私に聞かせるのだ。そして、それはコナーが隠している真実でなければならない。お前は真実を語る、そのために、お前は私を呼び出したのだ」と告げて一つ目の物語を語るシーン。

佐藤は、愛する母がガンを患っており、世話をしにきてくれる祖母とは気が合わず、学校でいじめられるコナーの孤独や不安を繊細に描いていた。山内が演じるモンスターは、強い存在感を放ち、物語を動かしていく。ユニークな演出とキャスト陣の表現が想像力を膨らませ、ワクワクしながら見入ることができた。

本作は2月10日(土)から3月3日(日)までPARCO劇場3月8日(金)から3月17日(日)までCOOL JAPAN PARK OSAKA WWホールで上演される。

#モンスターコールズ

 

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