舞台『千と千尋の神隠し』が3月11日(月)に、帝国劇場で開幕。初日に向けた千尋役の橋本環奈、上白石萌音、川栄李奈、福地桃子のコメントが届いた。
舞台『千と千尋の神隠し』は、10歳の少女千尋が、神々の世界に迷い込み豚の姿に変えられてしまった両親を救うために懸命に働き、生きる力を呼び醒ます姿を描いた宮﨑駿による大ヒットアニメーション映画をもとに、2022年に初の舞台化がなされた作品。ミュージカルの金字塔『レ・ミゼラブル』オリジナル版の潤色・演出を担うなど演劇史に残る名作を生み出してきた英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクター、ジョン・ケアードが翻案・演出を手掛け、映画の世界から飛び出したようなキャラクターたちと、熱い息遣いまでが感じられるライブならではの醍醐味が相まった舞台に仕上げ、『第47回菊田一夫演劇賞』で菊田一夫演劇大賞を受賞する快挙を成し遂げた。
2023年の名古屋・御園座での再演を経て、2024年3月11日の帝国劇場から全国ツアーがスタート。さらに4月から8月にかけて、ロンドン・ウエストエンドのロンドン・コロシアムで初の海外公演を同時上演する。
今回の公演は、3月11日(月) 夜の部に橋本の千尋役で開幕し、12日(火) 夜の部で上白石、13日(水) 夜の部で福地がそれぞれ初日を迎える。
初日を控えた思いを橋本は「初演の2022年から2年経つんだなという、時間の早さにびっくりするとともに、帝国劇場の建て替えが決まっている中で、最後にこの公演ができるのがうれしいなと思っています。何よりもケガなく、千尋として走り抜けられたらと思います」と話す。そして、新キャストの川栄、福地に対し「千尋のメンバーが増えて安心感しかありません。前回も緊張するという感じではなかったんですが、（今回は）より楽しみですし、早くみんなにこの（新しい）二人の千尋を見てもらいたいという気持ちがあります」と笑顔を見せた。
橋本の言葉に、同じく初演から千尋を務める上白石も「私も本当に心強い」と同意。そして、「この4人とアンダースタディの（森）莉那ちゃんの5人でやってきて、また千尋の見方と見え方が変わったなと思います。お客さんに教えてもらうことも多いだろうし、どうなっていくんだろうと楽しみでもありつつ、私は初演と同じくらい緊張しています」と思いを明かした。
一方、今回の公演から千尋を演じる川栄は「私は、2022年の初演を見ていたので、お客さんとして見ていた舞台に自分が立てるということがすごく感慨深いです。きちんと、皆さんの力を借りて、頑張って舞台に立ちたいなと思っています」と意気込んだ。
そして、福地は「初めての帝国劇場に千尋として立たせてもらえるという喜びを心と体でかみしめたいです。今日（11日）から環奈ちゃんが初演のスタートを切ってくれるので、バトンを受け取って繋いでいけたらいいなと思います」とのコメントを寄せた。
また、今回の見どころについて聞かれると、橋本は「見どころだらけだからな」と悩みつつ、「千尋だけじゃなく、湯婆婆・銭婆もそうだし、ハクも、同じ役で同じセリフで、同じタイミングで言っても全然違う。キャストが多いからこそ、私たち自身も、そういうお芝居ならこう変えようかなというのを考えるのもすごく楽しい。パペットももちろんすごいです。個人的には、千尋とカオナシの絡みが好きですね。前回よりも明確に、カオナシの意図を組もうとしている千尋を感じて、そこが好きです」と語る。
上白石は「（初演から）大きな変更点があるわけではないけれども、2チームになっているので、それぞれの色がかなり違うというのは観ていて感じます」と言い、川栄は「初演を観ていた側からいうと、細かい変更が結構あるんですよ。ここで千尋はハケていなかったのにハケているとか、こういう動きをしていたっけ？ とか、そうした細かい変化を探すのが楽しい」とにっこり。
福地は、「組み合わせによって演じる人が変わるという変化がとても楽しみ。毎回、一生懸命、千尋を生きることで違ったやりとりができる。それが何度観ても楽しいというところにつながるのかなと思います」と話した。
4人からも話が出た通り、今回の公演では演出上のブラッシュアップもあちこちに見られた。特に顕著だったのは、油屋の面々が歌い踊るシーンが増えるなど、よりエンターテインメント性が高まったことだ。そうした変更によって、より誰にでも楽しめる作品になった印象だ。
さらに、トリプルキャスト、フォースキャストとキャストが増えたことで、それぞれの演者の個性も初演以上に強く感じられた。どの組み合わせが好みかを探すのも楽しい観劇体験になることだろう。
舞台『千と千尋の神隠し』は、以下のスケジュールで上演。
東京公演：2024年３月11日(月)～30日(土) 帝国劇場
ロンドン公演：2024年４月30日～８月24日(土) ロンドン・コロシアム
愛知公演：2024年４月7日(日)～４月20日(土) 御園座
福岡公演：2024年４月27日(土)～５月19日(日) 博多座
大阪公演：2024年５月27日(月)～６月６日(木) 梅田芸術劇場メインホール
北海道公演：2024年６月15日(土)～６月20日(木) 札幌文化芸術劇場 hitaru
