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2024年11月30日 18:00

【前編】生駒里奈&天野一輝&多和田任益インタビュー「驚くようなことがあるのが僕たちらしさ」 梅棒、1年ぶりの新作『クリス、いってきマス!!!』を上演

左から)多和田任益 生駒里奈 天野一輝

劇場での主催公演を中心に、さまざまな映像メディアや宝塚歌劇団、2.5次元舞台等の振付・演出でも活躍するダンスエンターテインメント集団「梅棒」。1年ぶりの完全新作公演となる、梅棒 19th GIFT『クリス、いってきマス!!!』が12月1日(日)からサンシャイン劇場で上演される。今回の物語は、笑って泣けて心あたたまるクリスマスファンタジー。梅棒の公演初参加で、サンタクロースの弟子のクリスを演じる生駒里奈、クリスの師匠であるニコラス役の天野一輝、サンタクロースとある因縁を抱えているビクター役の多和田任益に公演への意気込みを聞いた。

――1年ぶりの新作公演になります。まずは、公演に向けた意気込みを聞かせてください!

天野:新作だからということはあまりなく、いつも通り、観る人に笑っていただけて、楽しい気持ちになれる作品になればと思います。今回は、クリスマスがテーマです。観劇納めになる方も多いのではないかなと思うので、「この1年も良かったな。今年のクリスマスも良いクリスマスだったな」と思っていただける作品をお届けしたいと思っています。

多和田:梅棒 17th Mystery『花婿は迷探偵‐THE FINAL‐』以来の新作となりますが、6月に上演した梅棒18th “RE”SHOW『シャッター・ガイ』に僕は出演していないということもあって、1年ぶりの梅棒公演です。今、稽古をしていても「そうだ、これくらい大変だった」と懐かしい気持ちです(笑)。今回は、(伊藤)今人さんとつるさん(鶴野輝一)がダブルキャストということもあって、実は(1公演あたり)6人しか梅棒のメンバーは出ていないんですよ。創作も少ない人数で頑張っているので、みんなが脳みそと体をフル回転して作っている印象です。梅棒を知ってくださっている方はきっと新作の度に期待してくださっていると思うので、その期待を超えていけるように頑張りたいと思います。それから、梅棒には「そう持ってくる?」という面白さもあるので、それも狙っていけるよう僕ら作り手も考え出していきたいと思います。

――生駒さんは今回、梅棒初参加になりますね。

生駒:稽古後に、梅棒さんチームがいつもミーティングしている姿を見て、きっと家に帰ってからも創作で大変なんだろうなと思っています(笑)。

天野:(大変なことも)我々、隠してないんで(笑)。

生駒:そうしたことも分かっているつもりでしたが、改めて見てこうやって作っているんだよなと思います。なので、それなら私も頑張って真ん中の本領を発揮しちゃおうという気持ちがあります。世の中にはいろいろなセンターがいると思いますが、こんなにも周りを引き立てて輝かせるセンターは私しかいないと、そこはすごく自信があります。今回は、そうしたいと思うキャストの皆さんばかりなので、久しぶりにそうした気持ちで踊れています。クリスマスの絵本を読んでいるような気持ちで楽しんでもらえたらうれしいので、私も頑張って走り回りたいと思っています。

――今作に向けたコメントで、天野さん、多和田さんから「梅棒テイスト全開」、「梅棒らしさ」という言葉がありましたが、この作品の中にある“梅棒らしさ”について、どのように感じていらっしゃいますか?

天野:「らしさ全開」と言っても僕は梅棒しか作ってないからあれですが(笑)。でも、音楽とのハマり具合は“梅棒らしさ”なのかなと思います。もちろん、あえて外している部分もあるのですが、「その歌詞をそう使うの?」とか「その曲はそう使ってくる?」というハマリの気持ち良さがあって。今すでに何曲か「これが梅棒だよね」という曲も出来上がっています。ネタバレばっかりで具体的なこと何も言えないのですが(笑)、ただじゃ終わらない。ノンバーバルゆえに、お話自体はシンプルですが、驚くような見せ方やギミックがあるのが僕たちらしさなのかなと思っています。

多和田:僕が梅棒に入って初めて出演しなかった公演が前回の公演でした。なので、久しぶりに帰ってきたら「本当にバカだな」と思いました(笑)。もちろん、これは褒め言葉ですよ! みんな必死になって、ゲラゲラ笑いながら作って、なんて良い団体なんだと改めて思いました。梅棒の作品は、誰が見ても心があたたまって、笑えて泣ける物語です。言葉がない分、前情報がなくても分かっていただけるように作るということがテーマの一つでもあります。今回はクリスマスのお話ですが、要所要所で「この時間、何?」という、狙って作っている、ある意味では裏切りのようなシーンもあって、僕はそのバカバカしいことを堂々とやる梅棒が大好きです。もちろん、キラキラ輝いていて、観ているだけで幸せになれるシーンもありますし、感動できる展開もあります。人によっては笑い過ぎて泣いてしまうところもあると思いますので、ぜひそうしたところも楽しんでいただけたらと思います。

――生駒さんは実際にお稽古をしてみて気づいた梅棒さんの魅力はありますか?

生駒:面白いこと(笑)。

天野:あはは(笑)。ありがとう。

生駒:自分とノリや笑いのツボが似ていると感じるので良かったなと思います。振付もカッコいい。自分の振付ではないのですが、すごく好きな振付があって、袖で待機している時に必ず踊ってから出ています(笑)。好き過ぎて、それを踊らないと自分のパートにいけない。

天野:体が踊らずにはいられない?

生駒:そう。そういった自分も自然と受け入れてくれるのでありがたいです。私は、構成を作れないので、それを考えているみんなの姿を見てすごく勉強にもなっています。流れで通すと、キツいと思う時もありますが(笑)、そういう瞬間が好きでやっていますし、生きていることを感じられるので楽しいです。

――天野さん、多和田さんから見た生駒さんの印象は?

天野:ノンバーバルの作品なので、稽古では「この曲はこういうシーンがあって、こういう流れで進んでいくんです」と最初に言葉で説明するんですよ。でも、言語化すると「何言ってんの、この人」みたいなこともよくあって(笑)。自分でも「何言っているんだろう」みたいな瞬間もあったりしますが、それを(生駒は)自然に受け入れて、同じ温度感で笑って理解してくれているのを感じます。さっき、(生駒が)「笑いのツボが似ている」と言ってくれましたが、面白いと思うポイントが近いことは一緒に作品を作る上で大事なことなんだなと改めて思いました。

多和田:もちろん、今、一輝さんがお話しされたこともあるのですが、単純に楽しんでくれているというのがすごく大きいなと思っています。梅棒は、ノンバーバルだからこそ、僕たち出演者が楽しんでやらないと伝わりにくいんですよ。セリフがない分、表情や内側から出るパッションみたいなもので補っているところがあるので。生駒ちゃんは、それを出すのが得意なんだろうなと思って僕たちはオファーさせていただいたのですが、お稽古をしているとやっぱりそうだなと思いますし、すんなりと入ってきて、めちゃくちゃ楽しそうにやってくれるので、僕たちも振りを付けがいがあるなと感じています。それに、自分がメインで踊っていないときも僕たちが演出をつけなくてもリアクションをしてくれているので、梅棒との親和性がすごくあるなと思っています。作品に前のめりに来てくださっているところもとてもありがたいですし、主役をやってくれている生駒ちゃんがいるからこその空気感がすでにできているなと思うので、すごく心強いです。

梅棒 19th GIFT 『クリス、いってきマス!!! 』
東京公演 12月1日(日)~12月15日(日)  会場:サンシャイン劇場
大阪公演 12月20日(金)~12月22日(日) 会場:COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
愛知公演 12月26日(木)~12月27日(金) 会場:ウインクあいち
『クリス、いってきマス!!! 』 公式HP http://umebou19th.dynamize.net/

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