――本作の楽曲については、どんなところに魅力を感じていますか？
音楽論的な話をすると、すごく難しいことをやっている音楽だらけなんですが、ぱっと聴いた感じは、耳馴染みがある音楽が並んでいるというのが、僕の第一印象でした。なので、きっと皆さんも聴きやすいと思います。心に突き刺さる音楽がたくさんありますし、テンションが上がる曲もあります。正座して聴くような音楽ではないので、初めてでも楽しめる作品だと思います。
――ライブのシーンはお客さんも一緒に盛り上がって見られるというのも楽しみですね。
僕たちの熱量が高ければ高いほどお客さんの熱量も上がって、お客さんの熱量が上がれば僕たちの熱量がまた上がるという、相乗効果が生まれていくものだと思うので、すごく楽しみです。
――今回は、３チームでの上演になります。鍵本さんの「Team SPARK」はどんなチームになるのでしょうか？
（取材時は）まだ不透明な感じではありますね。僕以外は、皆さん、これまでにも「ARTAR BOYZ」に出演されてきた方たちなので、真っ白な状態の僕が入ることで、みんなの色をどう変えていくのか、すごく楽しみです。もちろん、それぞれのチームが思っていることではあると思いますが、僕たちのチームが１番だという気持ちで臨みたいと思います。
――鍵本さんは、普段、舞台作品に出演される際は、コミュニケーションを積極的にとっていくタイプですか？
僕は積極的にいきます。そこで生まれるものがたくさんありますし、人間性が見えてないもの同士がお芝居をするのはしっくりこないんですよ。なので、今回も積極的にいこうと思っています。特に、こうした熱量の高い作品は、稽古場以外での会話の中から生まれることも多いと思うので、状況が許すならば、ご飯を食べに行ったりもできたらいいなと思います
――この作品は、歌とダンスで愛を説いていくARTAR BOYZを描いた作品ですが、鍵本さんにとって歌やダンスはどんな存在ですか？
歌もダンスも僕の人生ですね。ずっとこれしかやってこなかったので、僕からこれらを取ったら何も残らないのではないかというくらい大切なものです。
――歌やダンスを始めたきっかけは？
元々、芸能の世界に憧れがあったんですよ。本当に小さい頃から「テレビの中に入りたい」と思っていたので、ある時、親が新聞に載っていた劇団のオーディションを見つけてきてくれたんです。そこに通ったら、もしかしたらテレビに出られるのかもしれないと思って、オーディションを受けてその劇団に入りました。それで、その劇団のレッスンに通っていたんですが、劇団に向かう途中にダンススタジオがあったんですよ。そこで、踊っている人たちがキラキラして見えて、それまでダンスに全く興味がなかったのに、どんどん惹かれていって、ダンスをやってみようと思ったのが、小学４年生の時でした。
――歌よりもダンスとの出会いが先だったんですね。
そうですね。そのダンススタジオは、歌も教えていたので、ダンスをやっているうちに、歌にも出会ったという感じです。僕は、ダンスでも歌でも何でもいいから、とにかくテレビの世界に入りたいと思っていたんです。
――テレビの世界に入りたいと思ったのは、具体的に何か目標があったんですか？
NHKで放送している「天才てれびくん」に出たいと思っていました。あの番組の何が僕の中に火をつけたのかは自分でも分からないのですが、とにかく“天てれ戦士”になりたかったんです。それがきっかけで、ダンスや歌をやっていくうちに音楽にも着目するようになって。時代的にもJ‐POPが全盛の時期だったので、そうした音楽を聴いたり、ストリートダンスのかっこよさに気づいたりして、DA PUMPさんみたいになりたいという憧れを持って、ダンスと歌に励んでいたという感じでした。
――そうして、今の鍵本さんが生まれたのですね！ では、本作が「救済」がテーマということにちなんで、鍵本さんが落ち込んだり、悩んだりしたときに「救い」となっているものは何ですか？
たくさんありますが、何よりもファンの皆さんの声が１番の活力です。今、誰のために活動しているのかと聞かれたら、もちろん自分のためでもあるし、僕の背中を押してくれた親のためでもあるし、いろいろな人のためでもあるんですけど、一番はファンの皆さんのためだと思っています。ファンの方たちが一番、自分たちのことを見てくれている。僕たちがいいライブをすればよかったという声をたくさんいただきますし、逆にそうじゃなかったらきちんと正直なコメントをくださるので、すごく信頼しています。なので、自分が落ち込んだり悩んだりした時に、ファンの皆さんのポジティブな声を思い出したり、伝えてもらったりすることが僕の力になっていると思います。あとは、愛犬を抱きしめている時に癒されますね。
――2023年も早くも後半になりました。年末までにやりたいことや目標は？
まずは「ARTAR BOYZ」を成功させることです。この作品は、自分の中でもとても大切なものになるんだろうなと感じているので、とにかく頑張りたいと思います。それから、この作品を通して、もっとお芝居が上手くなりたいとか、歌やダンスを極めたいという思いがきっと芽生えると思うので、そうした思いを持って下半期に自分の活動に活かせたらいいなと思っています。僕は、これまでミュージカルに出演した経験があまりないんですよ。どの作品も僕にとっては大きなターニングポイントとなっていますが、この作品でさらに自分自身を磨いていけたらと思っています。
――ありがとうございました！ 最後に読者の方にメッセージをお願いします。
「魂の浄化」がARTAR BOYZの使命なので、観に来てくださった皆さんの心を綺麗に洗い流したいと思っています。僕もそうですが、何か楽しみにしていることがあると、それに向かって、仕事も勉強も頑張れると思います。この作品が、皆さんにとっての楽しみになれればいいなと思います。僕たちが皆さんの活力になって、明日からも頑張れると思ってもらえるようなエネルギーを与えられたらと思うので、ぜひ楽しみにしていてください。
「ALTAR BOYZ 2023」
作:ケビン・デル・アギラ
作詞・作曲:ゲイリー・アドラー&マイケル・パトリック・ウォーカー
演出:玉野和紀
台本・翻訳:北丸雄二
出演者
【Team GOLD】 大山真志 / 法月康平 / 松浦司 / 石川新太 / 常川藍里
【Team SPARK】 鍵本輝 / 米原幸佑 / 和田泰右 / 川原一馬 / 若松渓太
【Team SAPPHIRE】 中山優貴 /大野瑞生 / 中本大賀(円神) / 司波光星/ Rayshy
会場:新宿 FACE
公演期間:2023 年 8 月 11 日(金・祝)~8 月 29 日(火) 全 29 公演
公式サイト URL： https://www.altarboyz.jp/
取材 文・撮影：嶋田真己
