トップ > PICK UP > 【後編】遠藤健慎インタビュー 「昔の自分の思い出が蘇るような感覚があった」映画『こん、こん。』で主演

2023年9月27日 07:35

【後編】遠藤健慎インタビュー 「昔の自分の思い出が蘇るような感覚があった」映画『こん、こん。』で主演

 

――遠藤さんご自身についてもぜひ、お話をお聞かせください。まず、俳優になりたいと思ったのはいつ頃だったんですか?

僕は俳優になりたいよりも、「仮面ライダーになりたい」だったんですよ。幼少期に親にそう言い続けていたら、親が「仮面ライダーになるためには俳優だ」と考えてくれたようで、気づいたら今の事務所に所属していました(笑)。この15年間、俳優をやってきてよかったとは思っていますが、最初から俳優になりたかったということではなかったです。ライダースーツを着てみたかった(笑)。

――お仕事をする面白さというのは子役として活動をスタートした頃からありましたか?

演じることやテレビに映ることよりも、大先輩が優しくしてくれたり、たくさんの大人に褒めてもらえるので、現場に行くことが楽しかったんだと思います。僕が子役の頃、ある厳しい監督の作品で、毎週、東京の稽古場まで通ってお芝居のリハーサルをしたことがありました。本当に大変だった記憶があるのですが、頑張るとその厳しい監督が褒めてくださったので、それが嬉しかったのを覚えています。

――具体的に俳優業をやりたいという強い決意が生まれたのはいつくらいだったんですか?

去年かな。僕はこれまで、「ここまでやってきたからには頑張ってみようかな」という軽い気持ちで、10何年間やってきてたんですよ。特に、10代後半になってからは、芝居よりも音楽の方が好きだったんですが、『恋い焦れ歌え』に出演して、芝居ってこんなに楽しいんだって思いました。公開された瞬間にすごく報われたと感じましたし、「僕のためにこれだけの人間が動いてくれている」ということを実感できたんだと思います。

――『恋い焦れ歌え』でその楽しさに気づいてからは、ご自身の中でお芝居への取り組みって変わりました?

もちろん変わりました。正直なところ、それまではセリフも覚えないで現場に行っていたんですよ。でも、最近は台本が来ると楽しくてしょうがない。それほど大きな出番がない時も、呼んでもらえたんだからきちんとやりたいと思うようになって、楽しんでできるようになったので、もう少し俳優を頑張ってみようと思っています。

――今、思い描いているご自分の未来像は? 例えば10年後の自分はどうなっていると思いますか?

10年後は俳優はやめているかも(笑)。僕、やりたいことがたくさんあるんで。カフェもやりたいし、保護犬の活動もしたい。いろんな可能性があると思っています。

――先を見るというよりは、今は目の前のことに集中するということですね。

そうだと思います。ただ、今は俳優をやりたいので、全力で行けるとこまで行きたいと思ってはいます。10年後のことはわからないですが、10年後にはまた違うことしていたいと今は思っています。

――では、お休みの日はどんなことをして過ごしているのですか? 今ハマってるものは?

基本的にはずっと音楽をかけて過ごしています。HIPHOPが好きなんです。それから、最近は、先輩とキャッチボールすることにハマってます。WBCで野球に目覚めたので、それ以来ずっとやってます。

――HIPHOPがお好きなんですね。そうすると、俳優業と並行して音楽もやりたいという願望もあるのでは?

はい、思ってます。並行してやりたいし、最終的には音楽で食べられたらいいなと思っています(笑)。僕は、昔から、音楽に救われてきました。だから、今でも1番好きなのは音楽ですし、2番目に好きなものがお芝居。今まで「1番好きなものを仕事にしてしまうと嫌いになりそうだからしてない」って言い訳をしてきましたが、それはどこかのタイミングで変えないといけないと思っています。なので、俳優引退もそんなに遠くはないと思ってます(笑)。

――俳優業をやりつつ、音楽活動をされていらっしゃる方、いっぱいいらっしゃいますよ?

僕はどちらにも力を入れるのは難しいタイプなんです。自分でも今、どこで力を入れればいいんだろうとは悩んでいます。

――最後に読者の方に一言メッセージをいただければと思います。

まずは『こん、こん。』で長崎の圧倒的にロケーションを楽しんでいただけたらと思います。絵が本当に綺麗です。ストレートなストーリーになっていますし、堀内賢星の弱さも映ってる作品なので、共感していただける部分も多いのではないかなと思います。これは誰かの1つの恋愛の物語だというわけではなく、誰しもに経験のあるストーリーをぐっと凝縮した映画だと思うので、きっとたくさんの方の心に響くと思います。

9月29日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国公開

取材 文:嶋田真己 撮影:早川善博

トップ > PICK UP > 【後編】遠藤健慎インタビュー 「昔の自分の思い出が蘇るような感覚があった」映画『こん、こん。』で主演

Pick Up(特集)

error: コンテンツのコピーは禁止されています