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2025年8月8日 13:48

崎山つばさインタビュー 「“作り直す”というよりも“塗り直す”イメージで」再び挑む、Reading Musical「BEASTARS」episode 1

2024年9月に上演され、高い評価を得たReading Musical「BEASTARS」が、2025年9月28日から東京・大阪で再び上演される。『BEASTARS』は、板垣巴留による同名漫画を原作に、肉食獣と草食獣が共に暮らす世界を舞台に全寮制のチェリートン学園に通う動物たちの物語を描く。Reading Musicalと冠した本作では、声を使って物語を表現する“読み手・歌い手”と身体表現で表現する“パフォーマー”によって物語が紡がれる。

出演は、“読み手・歌い手”としてハイイロオオカミの主人公レゴシ役を三浦涼介、アカシカのルイ役を崎山つばさ、ラブラドールレトリバーのジャック役を風間由次郎が演じるほか、実力派俳優が集結。脚本・作詞を西森英行、演出を元吉庸泰が担当する。

前回公演に続き、ルイ役を務める崎山に前回公演の思い出や役作りについて、そして今回の公演への意気込みなどを聞いた。

――前回公演の感想や印象に残っている出来事を教えてください。

朗読劇にもミュージカルにも出演したことがありますが、「Reading Musical」という“合体版”のような作品は初めてだったので、どういう雰囲気になるのか予想がつきませんでしたが、新しいジャンルになるのではととても楽しみにしていました。パフォーマーがいて、読み手がいるというのはとても新鮮ですし、この原作も「Reading Musical」という形の表現にとてもマッチしていると感じました。声を使って表現する人と、体を使って表現する人が分かれているからこそ、表現の幅が広がるなと思いました。

――朗読劇でもない、ミュージカルでもないというのはすごく新しいジャンルですよね。パフォーマーの方と息を合わせて表現するということには難しさもあったのではないですか?

確かに稽古の最初はそうでした。なので、稽古を重ねる中で、間(ま)の取り方は人それぞれ違うので、それをうまく合わせようとするのではなく、(ルイの)パフォーマーの(速川)大弥とルイがそのときどんな気持ちでいるのか、パーソナルなところを話し合うようにしました。それから、それぞれがどう動きたいのか、読みたいのかを調整せずに合わせてみて、うまくいったらそれでいく。何か違ったらまた話し合って…という形で作っていきました。うまく合わせようと意識すればするほどうまくいかなかったんですよ。お互いがお互いにやりたいことをやって、それがマッチしたときに、僕たちも、そして観ているお客さまもワクワクするのかなと思います。そうした作り方も新鮮だったので、すごく楽しかったです。

――なるほど。2人で1つの役を作るというのは、ダブルキャストともまた違って、面白い体験ですね。
そうですね。うまくいったときは本当に気持ち良いんですよ。ダブルキャストのように同じ役で同じセリフを話すとなると、どこかしら意識してしまうこともあると僕は思うんです。でも、この作品は「相手がこう動いているから、自分はこうやって寄り添おう」とか「それなら全く違うことをやってみよう」とか、お互いがルイという同じキャラクターに向かって違う道を歩みながら向かっていくような作り方ができたのが良かったです。

――今回、ルイをどのように演じたいと考えていますか?

前回、原作を読むのはもちろん、鹿の生態についても調べて深掘りして作ったので、基本的な解釈は変わらないと思います。ただ、相手役が変わることでまた違う感覚が起こることもあるので、「作り直す」というよりも、「塗り直す」イメージで作っていければと考えています。今回は「episode 1」と銘打っていて、「再演」ではないので、自然と変わっていくところもあるのではないかと思います。

――レゴシ役は三浦涼介さんが演じます。三浦さんとの共演はどんな楽しみがありますか?

初めてご一緒するので、まだ全く想像がつかないというのが正直なところです。ですが、もちろん存在は存じていますし、出演されている作品も拝見しているので、稽古場でどんなファーストアプローチをしようかなと、それが今、一番楽しみで。ミュージカルも演劇も映像作品もたくさんの経験をなさっている方ですが、そこに甘えずに、一緒にディスカッションしていけたらと思っています。

――先ほども少しお話が出ましたが、ルイ役のパフォーマーの速川さんの印象も教えてください。

大弥はパフォーマーなので、基本的には身体表現で表現しますが、話してはいけないわけではないんです。彼が一緒に歌う楽曲もあるんですよ。前回、彼の歌声が聞こえてきたときに、すごく胸が熱くなったのを覚えています。今回2度目の共演ですでに関係性ができているので、ディスカッションをしながら、丁寧に一緒に作っていけたらと思います。

――本作は前回に引き続き、元吉庸泰さんが演出を務めます。元吉さんの演出についてはどうお感じですか?

元吉さんの作る世界を節々に感じられる作品になっていると思います。(作曲・音楽監督の)和田(俊輔)さんの演奏も相まって、僕自身もテンションが上がります。元吉さんは役者が自由にやりたいようにやらせてくださる方です。前回、僕はルイ以外にも兼役でいろいろな動物を演じましたが、違う役のときには違う姿を見せたいと思って自分で芝居を考えて演じていたのですが、元吉さんはそれも大きな心で許してくださいました。すごく役者思いで、作品思いで、演劇思いでもある。とても熱い方だという印象があります。

――先ほど速川さんとディスカッションをされたと話されていましたが、前回はお稽古場でキャスト同士がディスカッションをして、それを元吉さんにお見せして…ということも多かったのですか?

そもそも「Reading Musical」というものがどういうものか想像もつかなかったので、まずは元吉さんが思い描く「Reading Musical」という“船”に乗って、そこでどう楽しむかというイメージでした。特に稽古が後半になるにつれて、自分らしさを出していけたと思います。

――なるほど。前回公演から約1年。崎山さんの中でこの1年で大きな変化はありましたか?

俳優生活10周年を迎えられたということもあり、「始めることよりもそれを続けることの方が難しい」と改めて感じるようになりました。10年続けられたのは、もちろん自分だけの力ではなく、支えてくださる方や応援してくださる方のおかげだということも身に染みて感じた期間でもありました。これからさらに10年、20年先に向かって、自分が役者として何を表現していきたいのか。役を演じながらも、その役を通して何を伝えていきたいのか。そうしたことをより具体的に提示していけたらと思っています。昔は「崎山つばさといえばこうだ」と自分で決めようとしていたところがありましたが、今はそうではない。まるでロールプレイングゲームのように、いろいろな場所で人と出会い、いろいろなことを感じ、武器を手に入れて、自分をアップデートして、どんどん新しい自分を作っていこうという気持ちがより強くなったように思います。それから、歌に関しても、この「BEASTERS」に出演したこともあり、向き合い方が変わったことを感じました。

――これから先、俳優として目指す姿や目標は掲げていらっしゃるのですか?

あまり目標は掲げていないです。ただ、続けること。そして進んでいくことだと思います。

――ありがとうございました! 最後に改めて公演への意気込みとメッセージをお願いします。

今回、「episode 1」と銘打っているからには、「episode 2」「episode 3」と続く作品になったらと思いますし、また新たな「BEASTERS」をお見せできたらと思っておりますので、ぜひ劇場でこの作品を感じていただけたら嬉しいです。前回以上に、今回もバラエティー豊かなキャストの皆さんが集結されています。この公演でしか見られない「BEASTERS」を作れるようにもっともっと精進して頑張っていきたいと思っております。

Reading Musical「BEASTARS」episode 1
東京公演:2025年9月28日(日)~10月2日(木) シアター1010 (全7公演)
大阪公演:2025年10月11日(土)~13日(月祝)  COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール(全6公演)

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