取材:記事・写真/RanRanEntertainment
廣瀬友祐 植原卓也
――舞台に向けて、世の中このような状態になりましたけど、お互いに連絡をとったりということはあったのですか?
植原:それこそ、最近でいいますと、僕、誕生日だったのですが、その時に「おめでとう」と言ってもらいました。もともと先ほど(廣瀬さんの)デビュー作というお話をしていた『テニスの王子様』のグループLINEがありまして、そこでちょこちょこですが交流をしています。そういうのもあるので、繋がっている感はあります。
廣瀬:うんうん。けっこう近しい俳優仲間もいるので、連絡を頻繁にとらなくても、何となく近くに感じているというか、様子を感じとれる距離感にいるというのがここ数年ありました。時期は違っても同じ作品にでたりとか、そういうところで通じるところがあったり。初共演から12年経っていますが、またこの作品を機に、さらに12年後とか、何年後かに振り返れるようなことができたら、より幸せを感じられるのではと思っています。(※感染防止のための)アクリル板はさんで取材したね、みたいなのを(笑)
植原:(笑)
――この期間、舞台に向けてモチベーションの保ち方というのはどのようにされていましたか?
廣瀬:保ててないです。崩れ落ちましたし、もう粉々にされていたこともありましたし、もう光が見えなくなってしまったこともありました。それでも、諦めたくないって思わせてくれるのは、お客さんだったり、俳優仲間だったり、親だったり、家族だったりで。そういう周りの人たちに支えられて日々を過ごしていました。自分一人の無能さ、無力さということを痛感させられたし、一人では何もできない自分には支えてくれる人がいて、応援してくれる人がいるという幸せを改めて感じました。当たり前のことなんてないんだということにどっぷりと浸かっていましたね。今は、早くステージに立ちたい、お客さんに作ったものを届けたいという思いが純粋に一番強いです。
今日もたくさんの取材を受けているのですが、久々なので嬉しいですね。楽しいです。
植原:うん
廣瀬:今日も幸せを感じています。
植原:僕も、ほんとに同じで。すごく心は崩れましたけど、一人だと逆に如何様にもなっていたかなと思うのですが、それは悪い意味も含めて。やはり、周りの人だとか、自分の親だとか、いろいろな今まで関わってきてくれた人のことを考えると、単純にそれを無駄にはできないという思いが強くなり、諦めてはいけないという思いがふつふつと出てきて、保ってきました。関わってくれている人、応援してくれている人のことをめちゃくちゃ考えました。
――廣瀬さんからさきほど主演の愛希れいかさんについてお話がありましたが、植原さんは共演のご経験はありますか?
植原:はい。『エリザベート』で共演しました。
あと、ちゃぴちゃん(愛希れいか)は今、事務所が同じなんです。
――そうでしたか。
植原:彼女の方が、僕に「先輩、先輩」という感じで来てくれて、それもとても愛嬌があって、そういう空気感で作品作りができるのはとても楽しみです。
――この『フラッシュダンス』については何かお話されましたか?
植原:「すごい楽しみだね」という話はしましたが役については特に細かく言うことはなかったです。「公演できたらいいね」とかそういう思いを話したりしています。
――演出の岸谷五朗さんとは何かお話されましたか?
廣瀬:このチラシ撮影の時に「思い切ってやろうね」と言っていただきましたが、役について、作品についての話はこれからかなと思っています。
――この舞台に向けて、楽しみにしていらっしゃることとかありますか?
廣瀬:もう全部ですね。この状況での一発目になるので全部が楽しみです。この作品を作る中で、役者はもちろんですが、スタッフさん無しにはできないですし、各セクションの人たちが命を懸けて取り組まないと舞台はできないのだということをほんとに改めて考えさせられました。コロナ禍という普段とは違った不安も隣り合わせではありますけど、とにかくチームプレーだし、誰かひとり感染者ってなったらそれで終わってしまうので、その恐怖と隣り合わせではありますけど、ものづくりできる喜びを感じながら稽古をすると思うので楽しみでしょうがないです。演出の岸谷五朗さんと初めてなので、どういった化学反応ができるのか、どういう傾向、雰囲気になるのか、キャストも楽しみですし、全部が楽しみです。
植原:(岸谷)五朗さんが自粛期間といわれている時に、僕たちは基本的に出来上がった台本をいただくのですが、五朗さんの思いもあって、準備稿を下さったんです。この期間に準備しておけ、という愛を感じたりして、ますますみんなで向かっているんだという気持ちになっていました。そういった意味では希望を捨てずに挑んでいけたらと思っています。
――最後に、ファンの皆さまにメッセージをお願いいたします。
廣瀬:元気ですか?
植原:(笑)そうね。メッセージだね。
廣瀬:演劇、ライブ、といった生ものになかなか光が見えなかった時期から、ちょっとずつ、ちょっとずつ、まぁ脅威は変わっていないのですが、前に進み出しています。この『フラッシュダンス』も9月12日に無事に初日を迎えられることを全員が望んでいますし、それを楽しみに待ってくれているお客さまがたくさんいることも信じているので、とにかく劇場で会いたいです。それが全てです。
植原:本当にこの状況下なので、皆さま絶対観に来てくださいとか、と云うことは難しいというのもあるのですが、希望を持って、信じて、願っていてもらえたら嬉しいです。そして、そう思って楽しみにしてくれていることに感謝したいです。一緒に、願っていきましょう!
――ありがとうございました。
廣瀬・植原:ありがとうございます。
『フラッシュダンス』
■日程
東京 2020年9月12日(土)~9月26日(土)日本青年館ホール
名古屋 2020年10月3日(土)~10月4日(日)日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
大阪 2020年10月8日(木)~10月11日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
■原作:トム・へドリー&ジョー・エスターハス作
パラマウント・ピクチャーズ映画『FLASHDANCE』
■脚本:トム・へドリー&ロバート・ケイリー
■日本版脚本・訳詞・演出:岸谷五朗
■出演
アレックス・オーウェンズ:愛希れいか
ニック・ハーレイ:廣瀬友祐
グロリア:桜井玲香
ジミー:福田悠太(ふぉ~ゆ~)
C.C.:植原卓也
キキ:Dream Shizuka
テス:石田ニコル
ハリー:なだぎ武
ルイーズ/ミス・ワイルド(二役):秋園美緒
アンディ:松田 凌
ジョー:大村俊介(SHUN)
ハンナ:春風ひとみ
■企画・制作:アミューズ
■オフィシャルHP http://www.flashdancethemusical-jp.com/
(文:高橋美帆/写真:篭原和也)