取材:記事・写真/RanRanEntertainment
38回目の上演となるミュージカル『ピーターパン』の製作発表が、7月4日(水)都内にて行われ、昨年に引き続き主人公ピーターパン役を務める吉柳咲良(きりゅう さくら)を初め、ISSA、河西智美、莉奈、入江加奈子、久保田真紀、演出の藤田俊太郎が登壇した。
会見の前には吉柳が劇中歌「I’m Flying」を披露。ステージの上をピーターパンとして動き回りながら、爽やかな歌声で会見場をピーターパンの世界に変えていた。
左から 藤田俊太郎 入江加奈子 河西智美 吉柳咲良 ISSA 莉奈 久保田磨希
歌唱披露の後行われた会見の模様をお届けしよう。
吉柳は昨年の『ピーターパン』が女優デビュー作。2年目を迎え「前回は自分の事でいっぱいいっぱいでしたが、2年目ということで、今年は座長の責任と重みを感じています」と緊張気味に語る。この一年間、レッスンを続けてきたことに触れ「技術面や台詞の読み解き方もより深くなってきたと思う」と力を込めていた。
今回初めてフック船長/ダーリング氏役を演じるISSAは「過去、フック船長を演じていらした先輩方は自分も大好きな方々です」と尊敬を示しつつ「自分がこの役をやっていいのかなあ」とニヤリ。ただ「メイクや衣裳を身につけるとスイッチが入るのも事実ですね」とやる気をじわりと見せていた。
ウェンディ役を演じる河西は「毎年お客の一人として楽しんできた作品でしたが、一方でいつかウェンディをやりたい、と言い続けていました。その念願が叶って本当に嬉しいです」と喜びを表す。子どもから大人まで楽しませたいと語る河西だったが、「そろそろこのツインテール姿も辛い年齢になってきたので、そこも含めて頑張りたい」と笑いを誘っていた。
莉奈は、子どもの頃から「ピーターパン」に登場するタイガー・リリーに憧れていたと語る。「その役を出来ると聞いた時は、驚きと喜びでいっぱいで、一方、歴史ある作品に出演するという責任感やプレッシャーも感じました」と心情を吐露。「私がこれまで演じてきた役は9割死んでしまう役でした(笑)。でも今回は最後まで戦って生きる役。今、稽古をやっていますが結構疲れますね(笑)。アミノ酸飲料を飲みながら頑張ります」と独特のコメントで笑わせていた。
2004年の公演でウェンディ役を演じていた入江は、昨年からダーリング夫人役で『ピーターパン』の世界に復帰した。(演出の)藤田から“高貴なグレース・ケリー”のように演じてほしい、とリクエストされた事に驚きつつも「心でグレース・ケリーを演じたいです」と笑顔。稽古の粗通しが先日行われたことに触れ「本当にすばらしい!昨年より演出もブラッシュアップされていて、キャスト一人ひとりも役にぴったりです」と、今年の上演を一日も早く披露したい、と言わんばかりに胸を張っていた。
ダーリング家のメイド・ライザ役を演じる久保田は「本作はブロードウェイミュージカルであり、またファミリーミュージカルでもあります。子どもから大人まで楽しめる作品の世界に昨年から戻ってこれた事を嬉しく思っています。今年はライザの目を通したピーターパンの物語になる、と言う点に注目してほしい」とこれまでの演出との違いをアピール。
そして演出の藤田は、久保田が少しふれた昨年からの違いについて「飛び出す絵本のような舞台を見せたい。ライザがその絵本をめくるような役割になるようにしました」と語り「キャストも変われば、演出も変わります。今年の役者が非常に魅力的なので、舞台セットを減らしました。歌い、踊り、躍動する部分をもっと見せたいです。わくわくする、美しい世界を描き、この作品に描かれている夢を守っていきたいです」と2年目の『ピーターパン』に込めた想いを熱く語っていた。
会見の間、他の共演者から「頑張り屋さん」「支えてあげたい」などと何度も声をかけてもらった吉柳は、座長とはいえまだ14歳。この日の緊張とメンバーからのあたたかい言葉に思わず涙する場面も。「皆の期待に応えたいです。長年愛され続けているピーターパンの歴史を自分も積み重ねていきたいです」と一言一言かみしめるように決意を口にしていた。
ミュージカル『ピーターパン』
【東京公演】7月21日(土)~8月1日(水)東京国際フォーラム ホールC
【大阪公演】8月12日(日)梅田芸術劇場メインホール
【金沢公演】8月22日(水)・23日(木)金沢歌劇座
【名古屋公演】8月25日(土)・26日(日)御園座