取材:記事・写真/RanRanEntertainment
「戦国BASARA」の舞台化10周年を経て、斬劇『戦国BASARA』シリーズ第17作目となる斬劇『戦国BASARA』豊臣滅亡が4月10日(金)より開幕する。今作では、豊臣秀吉を倒した伊達政宗に報復すべく、奥州へと向かう石田三成(沖野晁司)を主人公にした物語を展開する。今作より新たに伊達政宗役を演じる武子直輝に、本作への思い、そして意気込みを聞いた。
――長く続くシリーズの中で、重要な役どころとなる伊達政宗役でのご出演が決まったお気持ちから聞かせてください。
多くの方が演じられてきた伊達政宗という役で、ファンの方の期待も高い役だと思うので、荷が重いなとも思いましたが(笑)、その期待に応えられるように頑張りたいと思います。
――本シリーズの過去作は観劇されたことがありますか?
はい、前作「天政奉還」を観に行きました。殺陣の迫力がすごく、その点でほかの舞台と違うなと感じました。観劇しながら、どうやったら自分に伊達政宗の怖さや迫力が出せるかなと考えながら観ました。
――その答えは出ましたか?
いや、答えは稽古を通して見つけていかないといけないなと思いますが、やっぱり六爪流(注:本シリーズで伊達政宗が使う我流剣術)はすごいということは実感できました。実際に持たせてもらったのですが、ほかの刀と違ってかなり振りづらいんですよ。他の作品でやるような、普通の殺陣の要領で刀を振ると、腕ごと持っていかれる感覚があったので、まずは体を鍛えようと思っています。腕の筋肉をつけて、それから型を覚えて…と順を追って練習していこうと思うので、今はまずは筋トレですね。
――今はどのような筋トレをしているんですか?
演じる役によって、筋肉をつけたり、痩せたりと体も変えて役に臨んでいるので、筋トレをする期間が結構な頻度であるということもあって、ダンベルや腹筋ローラーを買って、自宅でそれを使ってトレーニングすることが多いです。それから、体幹を鍛えて、プロテインを飲んで…という感じです。僕、あまり人がたくさん集まる場所が得意じゃないので、そもそもスポーツジムに行くことがあまり好きじゃないんです(苦笑)。なので、自宅で筋トレしています。
――「天政奉還」をご覧になって「殺陣の迫力がすごい」と感じられたということですが、武子さんご自身は殺陣はお好きですか?
好きですし、殺陣をやりたいという思いも強いのですが、でも、この作品は全く新しいものなので(苦笑)。普通には振ることができない刀なので、そういう意味では不安もあります。
――それほど違うものなんですね!?
違いますね。そもそも、持ち方も違いますし、振る時の手首の角度も違うんです。これまで経験したことのない殺陣をすることになると思うので、持ち方から慣らしていかないといけないと思います。
――なるほど。それに加えて、本シリーズの殺陣は派手なアクションも多いので、体力的にもキツそうですね。
そうですね。体力もそうですし、セリフ量も多いので、大変だなとは観劇して思いました(笑)。それから、客席降りも多かったイメージがあるので、それで体力を使うように思います。
――客席降りで、ですか?
はい。全ての役者がそうだとは言えませんが、僕は客席降りすると体力を消耗するタイプなんですよ。ステージの上に立っていると、基本的には自分の背中をお客さんに見られることはないじゃないですか。もちろん、お芝居をしている間は気を抜いてはいませんが、それでも360度、全ての角度から見られていると思うと、精神力を使うんです。隙なくいなくてはならないと思って、疲れるのかもしれません。
――なるほど。では、「戦国BASARA」の世界観の中の伊達政宗は、どのようなキャラクターだと思いますか?
明るい人。「武将」というとどうしても固いイメージがありますが、「天政奉還」を観劇して、ポップで明るい雰囲気を感じました。もちろん、政宗という人物の強い意志を感じさせる部分も見られたのですが、歴史物を知らない人でも観やすい作品になっていると思います。
――「天政奉還」では伊達政宗役を眞嶋秀斗さんが演じられていました。武子さんが政宗を演じるにあたって、眞嶋さんが演じた政宗を意識されていますか?
秀斗と僕は、全く人格も違うので、例え同じ台本を読んで、同じ役を演じても同じにはならないと思います。それに、僕が秀斗の真似をしても、同じようにはできませんし。なので、自然と自分の色に染まった政宗になって、全く違うものになるんじゃないかな。もちろん、政宗というキャラクターの芯の部分は変えてはいけないものだと思うので、それだけはしっかりと持って演じようと、今は思っています。
――本作からは、真田幸村を前田隆太朗さんが演じます。前田さんとはこれまでにも舞台で共演経験がありますが、彼の印象は?
彼は下積みもしていて、自分が苦労して登ってきたタイプなので、すごくストイックな部分を持っています。彼のそのストイックさは「戦国BASARA」の世界観にもすごく合うと思うので、隆ちゃんの幸村はとても楽しみです。
――前回共演した時はお話もたくさんされたんですか?
座組自体がすごく仲が良かったので、話もしたし、一緒にご飯に行ったりもしました。(前回共演した作品は野球を題材にした物語で)僕と隆ちゃんは別のチームだったので、お芝居の話はまだしたことがないんですが、稽古している姿も、本番での姿もずっと見ているので、彼がどれくらい頑張っていたかということはよく分かっています。
――今回、再び前田さんと共演することでどんなことを期待していますか?
隆ちゃんとは、以前共演してから1年半くらい経っているので、お互いにもっとレベルが上がったことを感じられたらいいなと思っています。今回のカンパニーには、(毛利元就役の)健人や(大谷吉継役の)テラさん(寺山武志)、(黒田官兵衛役の)伊藤(裕一)さんとか、知り合いも多いので、きっと楽しい稽古場になるだろうと楽しみです。
――主演の石田三成役の沖野さんは初共演ですか?
はい。先日、ご挨拶はさせていただいて、すごくいい人でめちゃくちゃ素敵な人でした。「天政奉還」でも石田三成役でご出演されていましたが、舞台上でも格好良かったです。
後編~ https://ranran-entame.com/wp-ranranentame/music/66575.html
斬劇『戦国BASARA』豊臣滅亡
原作:CAPCOM(「戦国BASARA」シリーズ)
構成・演出・映像:ヨリコジュン
脚本:宮城陽亮
脚本協力:太田紘平(CAPCOM)
企画・原作監修:小林裕幸(CAPCOM)
出演:沖野晃司/武子直輝 前田隆太朗 永田聖一朗/井上正大 松藤拓也 健人 白又敦 寺山武志/護あさな 出口亜梨沙 水原ゆき/寿里/伊藤裕一 ほか
<東京公演>2020年4月10日(金)~4月19日(日)東京・品川ステラボール
<神戸公演>2020年4月24日(金)~4月26日(日)神戸・AiiA2.5Theater KOBE
公式HP http://www.basara-st.com/