取材:記事・写真/RanRanEntertainment
――どのようにロミオを演じようと思っていらっしゃいますか?
甲斐:歌稽古中、音楽監督から言われたことでハっと思った事があって、ロミオは最初から最後にかけて愛を通じてどんどん大人になっていくので、その各曲ごとに大人の階段を上っていく様を声色、芝居や所作などで表現できたらいいなと思っています。中身的には未来を見据えられる人。ロミオってすごく優しいイメージがありますけど、抱えているものがあって、“ただ優しい人”にはならないようにしたいです。自分の理想とする世界にならない世の中に対して憤りがあると思うんです。だから群れないし、一人で散歩して追ってこない女の人を探している、ちょっと社会の流れから離れたがっている青年じゃないかと思っています。
黒羽:人間くさく演じたいなと思っています。ジュリエットをどれほど愛せるかが自分の中で肝だと思っています。それがあるからこそ全部始まった。マーキューシオが死んだりティボルトが死んだり物語の全ての原因になっていく、その部分はジュリエットへの愛の説得力がないといけないと思っています。これから稽古を通して作り上げていけばいいなと思っています。
甲斐:宝塚の『ロミオとジュリエット』を観させていただいて、参考にしようと思ったのがロミオとジュリエットが出会うシーンです。本当に素晴らしくて、涙しました。いかにそれまでにお互いが恋人を求めていたか、愛せる人を同じ温度で求めていられるかということにかかっているなと思っています。そして二人が出会って、バーンと愛がはじけるのがすごく綺麗だなと思います。
――この作品の魅力をお聞かせください。
黒羽:大人たちの都合とかいろいろなごたごたで、子どもたちが被害を受ける事は意外と現代社会とリンクするなと思っています。大人たちの都合で、血を見るような時代になってしまいロミオは自らティボルトを刺してしまったり、ティボルトはマーキューシオを刺してしまったりと、大人たちが見栄を張らずにもっと前に和解をしておけばこんなことにならなかったと思います。二人は死んでしまいましたが、二人の犠牲の上に平和が成り立った。人間ってばかだなと思いますね。そこまでしないと気づかない、でもそういうことは世の中にたくさんあると思っています。
甲斐:シェイクスピアの悲劇ですけれど、人によっては喜劇にも見えるし、ロミオが最後にジュリエットを追うところが、僕には悲劇に見えなくて。この作品の中では死も愛と思ってしまうぐらい、愛と死を掘り下げた先の何かを見られるのが僕は好きです。愛と死は全く別のものにみえて、意外と同じようなものだというのはすごく感じました。
――若いお二人がやるからこそ、今感じられているメッセージを伝えられるのではないですか?
甲斐:この登場人物たちは、全然周りが見えていない人たちばかりです。ロミオとジュリエットも二人の世界に入ってしまっています。それぐらい若く、青いからこそ愛も死も際立つのではないかなと思います。すごく頭が良くて世の中を知っていたらこうはならないはずです。
黒羽:そうだね。ちゃんと理解できていたらこうはならなかったよね。
甲斐:わかっていたらそれは大人、ちゃんと青くて若い子どもでいられるようにしたいなと思います。
黒羽:若さの暴走だったり、若気の至りに近いのかもしれないですね。愛と死が表裏一体な感じがします。
――小池修一郎先生の演出の魅力は何でしょうか?
黒羽:小池先生は、ほんとに綺麗な画を作られます。作品によってたぶん違うと思うのですが、前回の『ロミオ&ジュリエット』では、自由に暴れまわらせてもらっていました。Wキャストの壮ちゃん(平間壮一)が自由にやっていたのでそれを真似して自由にやらせていただきました。『エリザベート』では、すごく細かく教えていただきました。とても細部に渡って見ていらっしゃるんです。指先の動きとか、足の運び方ですとか、目が何個ついているのだろう?と思うぐらいです。つま先から頭のてっぺんまでその役でいないと見抜かれてしまいます。
――甲斐さんは小池先生の演出に関してはいかがでしょうか?
甲斐:初めてなのでこれからなのですが、宝塚の『ロミオとジュリエット』を観に行った時に小池先生とお会いしまして、少しお話をさせていただきました。その時にいろいろなジャンルの曲を踊らなくてはならないので「踊りを頑張れ」とおっしゃって頂いて。所作は、前作で貴族の役を演じいたので、足の運びや手の運び、そして姿勢や歩き方などを一つ一つを生かしていきたいと思っています。
――最後に、皆さまに向けてメッセージをお願いします。
黒羽:新生『ロミオ&ジュリエット』です。自分が出演する側になる前は、気持ちを一段階上げないとミュージカルって観られないイメージがあったのですが、『ロミジュリ』はフラットに観られるミュージカルです。今まで『ロミジュリ』を愛してやまなかった方々も、これから『ロミジュリ』を初めて観る方にも楽しんでいただける作品です。
甲斐:僕が出演している作品を友人も観に来てくれるのですが、ほとんどの人がミュージカルを観るのが初めてなんですよ。観にきた人からは「今まで観に来るきっかけがなかったけど、今回観劇してもっといろいろな作品を観たくなった」と言ってもらいます。入り口は狭いけれど、その先は無限大ということを観た事のない人に知って頂きたいです。
このご時世の中、チケットをとっていただいた皆さまには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。誠心誠意、責任を持ってこの世界を作り上げていきますので、ぜひ楽しみにしていてください。
――ありがとうございました。
前編~ https://ranran-entame.com/wp-ranranentame/other/75048.html
ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』
【東京公演】2021 年 5 月 21 日(金)~6 月 13 日(日) TBS 赤坂 ACT シアター
【大阪公演】2021 年 7 月 3 日(土)~11 日(日) 梅田芸術劇場メインホール
【名古屋公演】2021年7月17日(土)~18日(日)愛知県芸術劇場 大ホール
原作:ウィリアム・シェイクスピア
作:ジェラール・プレスギュルヴィック
潤色・演出:小池修一郎(宝塚歌劇団)
出演:ロミオ 黒羽麻璃央/甲斐翔真(W キャスト)
ジュリエット 伊原六花/天翔愛(W キャスト)
ベンヴォーリオ 味方良介/前田公輝(W キャスト)
マーキューシオ 新里宏太/大久保祥太郎(W キャスト)
ティボルト 立石俊樹/吉田広大(W キャスト)
キャピュレット夫人 春野寿美礼
乳母 原田薫
ロレンス神父 石井一孝
モンタギュー卿 宮川浩
モンタギュー夫人 秋園美緒
パリス 兼崎健太郎
ヴェローナ大公 岡幸二郎
キャピュレット卿 松村雄基
死 小㞍健太/堀内將平(Kバレエカンパニー)(W キャスト)
R&J ダンサー 新井智貴 KOSUKE 酒井航 高木勇次朗 谷森雄次 徳永大輝
仲田祥司 永松樹 早川一矢 松平和希 矢内康洋 渡辺謙典
伊藤香音 井上真由子 北田涼子 弓野梨佳 今野晶乃 斎藤葉月
齊藤恕茉 七理ひなの 杉原由梨乃 谷さくら 平井琴望 森本さくら
スウィング 竹廣隼人 本田大河 魚澄陽香 樽谷笑里奈
企画制作:TBS/ホリプロ/梅田芸術劇場
主催:TBS/ホリプロ/東宝/ABCテレビ(大阪公演のみ)/梅田芸術劇場
公式サイトwww.rj-2021.com
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2021年 5月 24日(月)23時59分
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