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ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』の歌唱披露が、8月26日(木)に行われ、ダニエル役の木村達成と小野賢章、アンダーソン役とジャック役の加藤和樹、アンダーソン役の松下優也、ジャック役の堂珍嘉邦、グロリア役のMay’n、ポリー役のエリアンナ、モンロー役の田代万里生らが本番同様の衣裳を着用して、劇中のミュージカルナンバーを歌い上げた。
左)白井晃 May’n 堂珍嘉邦 田代万里生 小野賢章 木村達成 加藤和樹 松下優也 エリアンナ
本作は、19世紀末にロンドンで起こった、未解決連続殺人事件とその犯人・通称“ジャック・ザ・リッパー(切り裂きジャック)”をモチーフにチェコで創作された原作を、韓国独自のアレンジで作り上げ、2009年の初演以来、大人気演目となった作品だ。日本演出版は、今回が初上演となる。
この日の歌唱披露では、全6曲を披露。小野と加藤(アンダーソン役)、モンロー役の田代万里生による「最後のチャンス」は、犯人を知っていると証言するダニエルと刑事・アンダーソン、新聞記者・モンローが、殺人鬼・ジャックの逮捕に向けて、おとり捜査を計画する際の曲。殺人事件に心を痛めるダニエルの繊細さやアンダーソンの力強さ、2人を煽るモンローの高揚感を音楽に乗せた。
木村とグロリア役のMay’nによる「もしかしたら」は、惹かれ合うダニエルとグロリアの恋の甘酸っぱさが、美しいメロディーに乗せて綴られる。
さらに田代は、「特ダネ」でスクープのためなら手段を厭わないモンローの欲望を表現した。エリアンヌは、ポリーの心情を丁寧に描写する「捨てられたこの街に」を披露。加藤ともにアンダーソンを務める松下優也は、「俺はこの街が嫌いだ」で、気持ちを吐露するように歌い上げた。
ジャック役の加藤と堂珍嘉邦による「こんな夜が俺は好き」は、他の楽曲とは全く違う印象のロックテイストで迫力満点。亡霊を引き連れて新たな狩りに向かう思いを、柔軟で伸びやかな歌声で聞かせる。
歌唱後には、メインキャスト8名と演出の白井晃が取材にも応じた。
本作の中で心が震える印象に残っているシーンを聞かれた木村は、「ある楽曲の中で『もう止められない』という歌詞があって、それが僕の背中をあと押してくれる印象的な歌になっています。もう後戻りできない、突き進むしかないという気持ちにさせてくれます」とコメント。
そして、小野は、「稽古場で役を追い込んでいくと、グロリアに対しても愛情だけでなく怒りなども芽生えてきて日々の変化を感じています」と稽古を振り返った。
加藤は、まずアンダーソンについて「ポリーとの関係性が肝になってくると感じています。そこに彼の一匹狼的なところもあり、本心を伝えたくても伝えられない不器用さがあります。僕自身も不器用な方なので、そこは彼に共感しつつ、彼の心の中にある光と闇を意識して演じたいと思います」と思いを語った。一方、ジャックに対しては「掴みどころがない役で、彼の中にある狂気性をもっと見つめていかないといけないなと思っています。1人の人間としては共感できるところはないですが、彼に寄り添って生きていきたいと思います」と話した。
グロリア役のMay’nは「グロリアがダニエルと出会って、ここから抜け出すんだという力強さや前向きさに心が震えますし、自分自身が夢を信じて上京してきた時を思い出して共感できます」と話し、モンロー役の田代は「苦悩している役が多い中、僕(が演じるモンロー)は、快楽としてトクダネを集めながら終始ワクワクしているので楽しそう。僕自身もどんどん元気になっていく感覚があるのでこのエネルギーを劇場で爆発させたいです」と意気込んだ。
また、松下は「アンダーソンの人間性が見えてくるのはポリーといる時だと思いますが、その場面も多くない上、言葉数も少なく、2人で歌っているわけでもないんです。ですが、今回はポリーの歌や芝居に引っ張られて、居心地よく演じられています」、堂珍は「ジャックを演じるとき、人を焚き付けることだったり、悪の心そのものに染まり、自分以外の人間に移り変わることで快感につながることを、もっともっと増やすとジャックというキャラクターに厚みが出ると思っています。これから本番までにジャックの気持ちにダイブしていきます」、ポリー役のエリアンヌは「私は人間らしい感情的でロマンスのある役を演じたことがあまりなかったので、ポリーという役はチャレンジだと思っています。今回のお稽古を通して、舞台は一緒に作り上げていくものだと改めて体感できているので、すごく貴重な経験をさせていただいています」とそれぞれが自身の役柄について語った。
さらに、演出の白井は「韓国でロングランされている人気作品ですが、今の我々が台本と音楽から感じられるものを、自分たちの肉体に即した物語として完成させたい。登場人物たちは全員が一途です。モンローもジャックもダニエルも、みんなが止められない感覚を持っている。それは我々の今のこの状況の中でも“生”を止められない感覚と繋がっていけばいいなと思います」と思いを寄せた。
ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』は、9月9日(木)~29日(水)に東京・日生劇場、10月8日(金)~10日(日)に、大阪・フェニーチェ堺 大ホールで上演。
【キャスト】
ダニエル:木村達成・小野賢章(W キャスト)
アンダーソン:加藤和樹・松下優也(W キャスト)
ジャック:加藤和樹・堂珍嘉邦(W キャスト)
グロリア:May’n
ポリー:エリアンナ
モンロー:田代万里生
朝隈濯朗 伊佐旺起 石井雅登 齋藤桐人 常川藍里 水野栄治 森内翔大 りんたろう
碓井菜央 岡本華奈 熊澤沙穂 香月彩里 菅谷真理恵 ダンドイ舞莉花 永石千尋 橋本由希子
【スタッフ】
作曲:Vaso Patejdl
作詞:Edua rd Krecmar
脚本:Ivan Hejna
演出:白井晃
翻訳:石川樹里
訳詞:高橋亜子
音楽監督:島健
美術:石原敬
照明:高見和義
音響:佐藤日出夫
衣裳:安野ともこ
ヘアメイク:川端富生
映像:栗山聡之
振付:原田薫
ステージング・アクション:渥美博
音楽監督補:松田眞樹
歌唱指導:林アキラ
演出助手:豊田めぐみ
舞台監督:小笠原幹夫
【公演概要】
<東京公演>
期間:2021年9月9日(木)~29日(水)
会場:日生劇場
主催:ホリプロ WOWOW
お問い合わせ:ホリプロチケットセンター
TEL:03-3490-4949 (平日 11:00~18:00)
公式ホームページ:https://horipro-stage.jp/stage/jacktheripper2021/
公式TwitterTwitter:https://twitter.com/musicaljack
公式InstagramInstagram:https://www.instagram.com/musicaljack2021/
<大阪公演>
期間:2021年年10月8日(金)~10日(日)
会場:フェニーチェ堺 大ホール
主催:キョードーマネージメントシステムズ/フェニーチェ堺
お問い合わせ:キョードーインフォメーション
TEL:: 0570-200-888(平日・土 11:00~16:00)
https://kyodo–osaka.co.jp/search/detail/3031