取材:記事/RanRanEntertainment・写真/RanRanEntertainment・オフィシャル
3月12日より東京・Bunkamuraシアターコクーンで開幕する、音楽劇「夜来香(イエライシャン)ラプソディ」のゲネプロが11日におこなわれた。
左から)木下晴香 松下洸平 白洲迅
第二次世界大戦末期、租界という治外法権が存在し“魔都”とも称された都市・上海を舞台に、「蘇州夜曲」や「別れのブルース」などを作曲した新進気鋭の作曲家・服部良一(松下洸平)を中心に、「夜来香」の作曲家・黎錦光(れいきんこう =白洲迅)や、絶世の歌姫・李香蘭(りこうらん =木下晴香)など様々な人々が音楽を通じて絆を結び、人種やイデオロギーの壁を乗り越えコンサートを開催しようした、葛藤と夢を描く。
演出は2017年に上演された音楽劇『魔都夜曲』に続き河原雅彦、音楽は本間昭光が担当し服部メロディーをはじめ、オリジナル曲(「希望の音」テーマ曲)も加え新たな世界を作りあげた。
<ストーリー>
1945年、日本で人気作曲家であった服部良一(松下洸平)は軍から召集を受け、上海に渡っていた。そこでは、中国人作曲家・黎錦光(白洲迅)や人気女優で歌手でもある李香蘭(木下晴香)と知り合い、ついには、とある人物の計らいで彼らを中心に人種や思想を超えた人々が集まり、大規模な西洋式コンサートを開催する計画が持ち上がる。しかし、そのコンサートの実現には、日本軍や中国国内の政治勢力、また上海の裏社会の思惑が絡み合い、多くの困難が待ち受けていたのだった。
初日開幕コメント
服部良一役 松下洸平
まずは、こうして無事に初日を迎えられることが、今のこの時世にありがたいことです。我々はしっかり感染予防対策をして、お客様に楽しんでご来場頂けるよう、最善を尽くしていきたいと思います。
1945年6月の物語ですが、輝かしい経歴をお持ちの音楽家で指揮者の服部良一さんが、上海で音楽の可能性を求めて、黎錦光や李香蘭など支えてくれる人々と共に、時世と戦い駆け抜けていく物語です。我々自身も色々なものと戦いながら演劇を続けている最中、今のご時世と非常にリンクする部分も多いので、初日を迎えた時に、お客様そして我々がどう感じるのか非常に楽しみです。沢山の登場人物の中に、それぞれにすごく濃い物語が詰まっています。そして生バンドで素晴らしい演奏が聴けます。ジャズや皆さんも良くご存知の歌謡曲も沢山出てきますので、笑って泣いて、芝居と音楽を楽しんで頂けたら嬉しいです。
黎錦光(れいきんこう)役 白洲 迅
舞台の中のセリフにもあるのですが「いよいよ始まるな」という気持ちです。この“有事”に行われる舞台ということで、どうしても今と重ねてしまう部分もあるのですが、そこはしっかりプラスに捉えて作品にも良い作用をもたらせるように、そういう気持ちで臨んで、お客様にも楽しんで頂けたらと思います。僕自身は作品のタイトルにもある黎さんが作曲した「夜来香」を頼りに、稽古場でも黎錦光という人物を創っていきました。「夜来香」はとても繊細で儚くて懐かしさがあって、あの繊細さはやはり黎さんの人となりが創ったのかなと思います。
稽古場で、服部、黎、李香蘭3人が、屋台で飲むシーンの稽古の時に、休憩に入ってもそのままそこで話し続けていたあの瞬間が、すごく心地よくて楽しくて、僕らと役が一気にリンクした瞬間だったなと思い出します。
ものすごく大変な時代に生きていたことを、いかに僕らが熱量高く演じられるか、それを大事に思って演じていきたいと思います。
李香蘭(りこうらん)役 木下春香
李香蘭さんは映像や音源がたくさん残っている方ですが、今回の舞台では表に立っていないオフの彼女の姿を描く部分も多いので、あまりイメージにとらわれすぎず、この舞台ならではの李香蘭を創っていけたらと思っています。台本を読み進めていくうちに、彼女の核になっているものは本当に「歌」なんだと強く感じ、彼女にとって歌うこととはどんなことなのか、それを大切に演じていきたいと思っています。
お稽古はマスクをしている状況でしたが、劇場稽古に入って初めてキャストの皆さんのお顔を全部見ることができましたので、本番に向けて更に深めていけたら良いなと思います。千穐楽までより良い舞台を日々お届けできるように精一杯頑張ろうと気合を入れ直しているところです。
それぞれの登場人物の生き様が濃く深く描かれ、それが融合して今の時代の皆さんにも響く作品となっています。是非ご期待ください。
<公演概要>
cube 25th presents音楽劇『夜来香(ふりがな:イエライシャン)ラプソディ』
演出:河原雅彦
音楽:本間昭光
出演:松下洸平 白洲 迅 木下晴香 壮 一帆 上山竜治 夢咲ねね 仙名彩世 山内圭哉 山西 惇 他
【東京公演】2022年3月12日(土)〜3月27日(日) Bunkamuraシアターコクーン
【名古屋公演】2022年4月3月(日) 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
【大阪公演】2022年4月7日(木)〜4月10日(日) サンケイホールブリーゼ
【長岡公演】2022年4月16日(土) 長岡市立劇場
企画・製作 株式会社キューブ
公式HP https://www.cubeinc.co.jp/archives/theater/cube25thpresents