韓国を代表する実力派ボーカリストK.willが、2月24日に東京、中野サンプラザホールにて『K.will JAPAN TOUR ~Amazing 2013!~』を開催し、その甘くハスキーな歌声でファンを魅了した。ファンたちの熱い要望により昨年に続く開催となったジャパンツアーは、22日に神戸、26日には福岡と3日間行われ、4,000人余りの観客を動員。全席SOLD OUTという人気の高さを証明した。
生バンドを引っさげ、昨年10月にリリースされた新曲『イロジマ チェバル』でステージがスタートすると、観客は最初から総立ちに。赤いペンライトが揺れる中、会場に甘い歌声が響きわたり、一気にK.willの世界へいざなった。「皆さん、お久しぶりです。元気でしたか?お会いできて嬉しいです。」と元気な笑顔をみせると、割れんばかりの歓声が湧き上がった。
今回のライブのコンセプトは“ヴァンパイア”。しかし、K.willのヴァンパイアは、普通と違い、クリスチャンでキムチが大好き、明るいライトの下でコンサートをして皆で楽しんでしまうという、十字架もニンニクも、日の光もOKなヴァンパイアだ(笑)。
K.willのコンサートは、いつも9割近くが女性のファンで埋め尽くされるが、カップルのファンが多いのも愛を歌うバラード歌手ならでは。また男性ファンもチラホラ見うけられ、そんなファンを嬉しそうに見つけて喜ぶK.will。「次はカップルのための曲。別れの歌です。」と言って会場の笑いを誘い、ウイットに富んだトークセンスで観客を引き込んでいく。
『Butterfly』『自分が嫌いだ』を切なくも力強く歌い上げると、雰囲気を変えて『妄想の中の君』や『Present』『チョコレート』のアップテンポなナンバーで会場を盛り上げた。合間に流れる映像で、セクシーだけど、ちょっとお茶目なヴァンパイア(K.will)の登場にファンは釘付け。ファンとの出会いとなったデビュー曲『左胸』をしっとりと歌ったあとは、「日本の皆さんの為に準備しました。」と、小田和正の『言葉にできない』を熱唱。その歌声は、微動だにしないで一心に聞き入るファンの心を包み込んだ。
後半は、『君が必要だ』で、ファンをうっとりさせ、ドラマ「最高の愛」OSTから『REAL LOVESONG』披露。『恋しくて恋しくて恋しい』『1秒にひとしずく』など、バラード曲で圧倒的な歌唱力をみせつけた。すると、「僕の歌にはノリノリの曲が少ないから友達の歌を借りることにしました。」と、BEASTの『美しい夜だ』、BIGBANGの『FANTASTIC BABY』を完璧なダンスとともにパフォーマンス。「ソリチルロー!(叫べ!)」とファンをあおり、一気にヒートアップ!さらにPSYの『江南スタイル』で会場のボルテージはMAXとなった。
途中の映像のなかでは、スーパースターを夢見る高校生、キム・ヒョンス(K.will)の姿も。「ごく平凡な少年が、今このように日本ツアーを行う歌手としてステージに立っているのが夢のようです。これもK-POPを愛して下さる皆さんのおかげです。」と挨拶。
最後に、「僕は皆さんの為に倒れるまで歌を歌いたいと思います。」と伝えると、自身でしたためた手紙を日本語で読み始めた。「僕にとって、ファンの皆さんと目と目を合わせて話したり歌ったり出来るこの瞬間が、一番幸せで一番生きがいを感じる時間です。しかし、コンサートの準備やアルバム制作の過程は思いのほか大変で苦しくて、とても神経質な人間になって、ジキルとハイドのようです。期待を裏切らないようにと、重い責任感から逃げ出したくなることもあるけれど、支えてくれるスタッフや応援してくれるファンの皆さんがいるから、あきらめないで完走することができました。2013年の目標は、“記憶に残る毎日を過ごそう”です。特に今日はとびきり鮮明で印象深い思い出になると思います。これからも諦めないK.willになるために頑張ります。皆さん愛しています。」と思いっきりの感謝の気持ちを伝えた。
アンコールでは、『胸が踊る』『LOVE119』でファンの胸をキュンキュンさせ、サインボールを会場に投げ入れてプレゼント。「サラゲー!(愛してる!)」と叫んで、全22曲、2時間半近くにも及ぶステージの幕を閉じた。
一度聴いたら耳から離れないK.willの歌声。コンサートの意気込みを感じさせるパーフェクトな熱いステージだった。外はまだ冷たい風が吹いていたこの日だったが、コンサートを終えたファンの心には温かい春の風が吹いていたに違いない。
<Set List>
[1部]
M1: イロジマ チェバル(PLEASE DON’T…)
M2: 催眠(チェミョン)
M3: Butterfly
M4: 自分が嫌いだ(ネガシルタ)
M5: 妄想の中の君(HEY YOU/ファンサンソゲクデ)
M6: 出かけると厄介だよ(COME TO MY CRIB/ナガミョンコセンイヤ)
M7: Present(ソンムル)
M8: チョコレート
M9: 左胸(ウェンチョクカスム)
M10: 言葉にできない(小田和正)
[2部]
M11: 君が必要だ(ニガピリョヘ)
M12: REAL LOVESONG
M13: 恋しくて恋しくて恋しい(クリプコクリプコクリプタ)
M14: 1秒にひとしずく
M15: 記憶の習作(キオゲスプチャク:展覧会)
M16: 美しい夜だ(アルンダウンパミヤ:BEAST)
M17: FANTASTIC BABY(BIGBANG)
M18: 江南スタイル(PSY)
M19: 君のそばに(ニギョテ)
M20: 涙ぽろぽろ
E1: 胸がおどる(カスミティンダ)
E2: LOVE119