取材:記事・写真/RanRanEntertainment
ジャニーズの演技派ユニット・ふぉ~ゆ~の福田悠太が単独初主演ミュージカル『DAY ZERO』が5月31日(水)、東京・DDD青山クロスシアターにて東京初日を迎える。その前日、同劇場にてフォトコールと囲み取材、公開ゲネプロが行われ、福田のほか、上口耕平、内藤大希、梅田彩佳、谷口あかり、西川大貴が登場し、ギター・中村康彦の奏でるギターの音色が響く中、舞台の一部を披露した。
写真左から 西川大貴 梅田彩佳 上口耕平 福田悠太 内藤大希 谷口あかり
本作はアメリカ映画『DAY ZERO』を原作とした日本発のオリジナルミュージカル。ニューヨークに住む幼なじみの3人の男性のもとに予期せぬ召集令状が届く。30代になり、もう徴兵されることはないと思っていた3人は21日後には今の生活を離れ、出征しなければならない。「出征する日=デイ・ゼロ」まで、男たちはどう過ごすのだろうか-。演出は役者としても人気・実力兼ね備えた吉原光夫が手掛けている。
既に茨城県水戸市でプレビュー公演が行われた熱いテンションを引っ提げたまま、東京公演を迎えるキャストたち。囲み会見ではこれが“単独初主演”となる福田が「緊張するので、“初主演”とあまり言わないでください」と苦笑しながら記者たちを制する。福田とほぼ同年代の実力派俳優たちが集った本作は、弁護士役の福田、タクシー運転手役の上口、闘いには向かないと思っている小説家役の内藤を軸に、他のキャストが3人を取り巻く様々な役を演じていく。中でも西川は「10役くらい演じます。ドラッグのディーラーをやってその5分後には父親役をやっています。ただ、さすがに父親役には見えないので、客席に背を向けて演じているんです」と笑いを誘った。
召集令状を受け取り、徴兵されるということについて、福田は「日本で生活していると徴兵の実感がないと思うんです。僕らがどこまでそれをリアルに感じて、演じて、お客様に伝えることができるのか、が課題であり、また楽しいところです」と真剣に語る。内藤は吉原から「『DAY ZERO』を捉える時に、『家に知らない人が突然やってきた時のドキッとした感じなど、身近な恐怖に置き換えて考えてほしい』と言われました」と役作りのアドバイスをもらったことに触れる。
さらに弁護士の妻役を演じる谷口は「夫を支える側もしんどい話だなと思っていますが、男性キャストたちの会話や絆を観ているといいなあと思うんです」と羨ましそう。
また梅田は「タイムリミットが決められている中で最後の日までどう生きるのか、それぞれに捉え方が違うし、どう生きていくかもバラバラなので、お客様が同じ気持ちで観るのは難しいかも。でもこの舞台を観た後に、好きな人に好きと言ってみようかな、とかちょっとした力を与えられたらいいなと稽古しながら思っていました」と振り返る。
この話の流れで「タイムリミットの日までに何をしたいか?」と問われると、福田は「お腹一杯ご飯を食べたい。あと友達に会いたいし、ふぉ~ゆ~のメンバーや先輩たちにも会いたい」と挙げていくが、上口が「僕らは表現することが好きなので、最後の日までステージ上に立って何かを伝え続けたい」と言うと、福田が「かっこいい!俺もそれにする」と堂々と乗っかり発言をし、笑わせていた。
福田といえば、トーク時における独特の話し方や天然キャラが魅力だが、この日は“座長”という言葉の重さが影響しているのか、「主役とか座長とか関係なく作品に向かって皆で突き進んでいけたら。誰が引っ張るかというと『DAY ZERO』という作品が僕らを引っ張っていくような気がします」「お客様がどう思ってどんな意見を伝えてくださるのかが楽しみ」などと終始マジメに語る。が、最後に公演に向けての意気込みを語る段階で「劇場にお越しくださる皆様、『DAY ZERO』を観て、何を思うのか、何を感じるのか…お聞かせください!」と締めてしまい、キャストも報道陣も目が点に。いつもの“福ちゃん節”をさく裂させて会見を締めていた。
笑い声が絶えない会見の後、ゲネプロでは、それぞれが逃れられない最後の日に向かって、どのように生きようとするのか、重いテーマで物語が展開する。ある者はある思いから徴兵を受け入れ、ある者は家族を守るために「逃げ」を企てる。またある者は受け入れようとする気持ちと逃げようをする気持ちの間で大きく揺れ動く。生ギターの美しくメジャーとマイナーを行き来するメロディが、3人の心の動きを見事に表現していた。
オリジナルミュージカル「DAY ZERO」
東京公演
2018年5月31日(木)~6月24日(日)
DDD青山クロスシアター
愛知公演
2018年6月26日(火)
刈谷市同法文化センター アイリス 大ホール
大阪公演
2018年6月28日(木)~29日(金)
サンケイホールプリーゼ
オフィシャルサイト
https://www.stagegate.jp/