取材:記事・写真/RanRanEntertainment
劇団プレステージの第14回本公演『終わり to はじまり』のゲネプロ取材が12日(水)にCBGKシブゲキ!!で行われ、長尾卓也と今井隆文、太田将熙、大村まなる、城築創が公演への思いを語った。
(左から)太田将熙、今井隆文、長尾卓也、城築創、大村まなる
劇団プレステージは、2005年にアミューズ所属の俳優を集めて結成され、「赤字を出したら解散」というルールのもと舞台公演を重ねつつ、個々にも活動する劇団。2018年はリーダーの今井が作・演出を手がけた『あいつのチョキ』にはじまり、『僕を狂わす三億円』『ディペンデントデイ〜7人の依存症』と公演を重ねている。
本作は、今井が作・演出を再び手がけ、クリスマスイブにバイト仲間の5人の目の前で起こった出来事を描く。永橋、土門、美羽、真壁、小原の5人は、無理やりバイトのシフトに入らされ、辟易としていた。しかし、せっかくのクリスマスイブ。バイトに行くまでの時間を満喫しようと遊びに出かけた。遊んでいる最中に、永橋は「これ夢で見た」と言う。そこから、永橋の見た夢が、目の前で現実になっていく。永橋の見た夢の先にあるのは“終わりtoはじまり”だった。
ゲネプロ後に行われた囲み取材で、今井は「僕と株元英彰という顔面の違う2人がWキャストで違う役をやるというのが一つの見どころ。3場面の構成になっていますので、違う色を持った3つの場面を楽しんでいただけたら」と見どころを語る。本作の執筆前には、キャスト一人ひとりと話をして、キャストたちの過去や考えを反映させて書いたというが、今井は「いろんな話を聞いて、僕なりに一回、自分の中に入れてからフィクションにしていった」と説明。1年ぶりに劇団プレステージに戻ってきたことについて聞かれると、「エネルギーが上がっている気がしました。人間として魅力が出てきた」と劇団の成長を実感している様子だった。
一方、フリーターの永橋役の長尾は「終わりとはじまり、それぞれが描かれている作品で、深いタイトルだと感じています。いろいろなことを感じていただける作品になっていると思います」と胸を張る。
今井から「女性役をずっとやらせてみたかった」と言われ、女子高生の麻衣を演じる太田は「自分なりに女性の作法を研究して演じていますが、女性らしく見えたらいいなと思っています」とにっこり。そして、「現実的な場面から始まって、一瞬で非現実的な世界になる。ジェットコースターみたいな作品で、どんな感想が出てくるのか楽しみです」と開幕を直前に控えた心境を明かした。
また、38歳の事象アイドル・美羽を演じる大村は、「今までで一番、劇団色が出ている作品」と本作を評した。そして、舞台演出家の真壁を演じた城築は「こんなにたくさんの人が出演しているプレステージの舞台は初めて。一人ひとり(のキャラクターに)、もちろん人生がありますが、全員で作り上げた“空間”も楽しんでいただければ」とアピールした。
取材の最後、今井は改めて「(世の中で)いろいろなことが起きる中で、ちゃんと生きなければいけないなとストレートに思った。それをちゃんと舞台上に乗せ、当たり前のことをまっすぐ伝えられる作品になりました」と本作への思いを語る。そして、「笑えるシーンでニヤニヤしていたらアーってなって、最後もアーって思ってもらえたら」と擬音を交えながら作品をPRした。
劇団プレステージ第14回本公演『終わり to はじまり』は12月12日(水)〜23日(日)にCBGKシブゲキ!!で上演。