多部未華子、皆さんが分らないなりに演じているのが分って安心!映画『空に住む』完成披露舞台挨拶
2020/10/4 22:49
取材:記事・写真/RanRanEntertainment
映画『空に住む』の完成披露舞台挨拶が10月4日(日)に都内で行われ、主演の多部未華子、共演の岸井ゆきの、美村里江、岩田剛典(三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)、鶴見辰吾、永瀬正敏、岩下尚史、髙橋洋、そして青山真治監督が登壇した。本イベントは無観客で行われ、その模様は配給のアスミック・エースのアカウントにより生配信された。後段左から:岩下尚史、鶴見辰吾、永瀬正敏、髙橋洋
前段左から:青山真治監督、美村里江、多部未華子、岸井ゆきの、岩田剛典
本作のストーリーの原点になったのは、J-POP界を牽引する作詞家・小竹正人が手掛けた同名小説で、原作とともに誕生した楽曲「空に住む~Living in your sky~」(三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)が主題歌。郊外の古民家作りに出版社に勤める直実(多部)は、両親の急死という出来事を受け止めきれないまま、大都会を見下ろすタワーマンションの高層階で愛猫と暮らし始め、現実の中で葛藤しながらそれぞれの未来に向かって歩き出す現代女性の様が描かれる。
美村の夫役を演じた鶴見は「私は天使として明日子を幸せにしているとばかり思っていて、映画を観たらこんなに悩んでいたんだとショックを受けました」と苦笑。さらに鶴見は、「(直実は)多部さん以外に演じきれない役。多部さんが監督から具体的な指示を受けた印象がないとおっしゃってた。青山監督が何も言わないでも演技が成立した。青山さんはそういう演出方法でして、結局相手の一番良いものを出させちゃう数少ない才能を持っている監督なんです」と監督と多部を絶賛。
青山監督は「(3人の女優さんが)シナリオを読み込んで、分るとか分らないとか考えながら自分の役を作っていらっしゃる。考えながら演じるというのは、(演じるのが)好きな人ばっかりなんです。そういうのを見ていて、僕は幸せでしたし、それをスクリーンにリサイズして皆さんにお届けするって、映画っていいもんですねと言わざるを得ないです」と映画製作の持論を披露した。
また、監督から見た岩田さんは?と聞かれた青山監督は「岩田さんは、岩田さんという人間として生きている上で、すごく聡明な人。それを周囲が感じ取って人に伝えるということを、皆にさせてしまうタイプの人。これが岩田っていうことを世間に教えさせる不思議な才能を持っている。それが岩田さんだと思います」と称賛の言葉。岩田は「もったいないお言葉です」とひたすら恐縮していた。
そして、最後に多部は「本作はいろいろな見方があるので、皆さん、思い思いに観ていただければと思います」、青山監督は「今日、皆さんの話を聞いて分ったことは、多分この映画はどんな映画だか分らないだろうということ。それでいいと思います。そして最後に一言、『人生は冒険だ!』。ますます分らないと思いますが、それで結構です。楽しみにしてください。『人生は冒険です!』」と締めくくった。
映画『それに住む』は、10月23日(金)より全国ロードショー!