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2022年2月19日 21:37

笠松将、『もう無理かも』辞めようと思ったけれど、この作品に出会えて幸せ! 映画『リング・ワンダリング』初日舞台挨拶

笠松将、阿部純子、金子雅和監督 映画『リング・ワンダリング』

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映画『リング・ワンダリング』の初日舞台挨拶が、2月19日(土)都内で行われ、主演の笠松将、共演の阿部純子、そして金子雅和監督が登壇した。

冒頭、笠松は「こんな大変な世の中で、こうやって公開できて本当に幸せに思っています。ありがとうございます」と語り、阿部も「この映画、ちょうど2年前の2月に撮影していたんですが、今日という日を迎えられて、日の目を見ることができて嬉しく思っています。本当にありがとうございます」と共に感謝の言葉を口にした。

そして、金子監督は、東京の地面の下に歴史や記憶が埋もれているという物語について「僕は東京生まれの東京育ちなので、一度は東京を舞台にした映画を作りたいと思っていました。ちょうど東京オリンピックに向かって東京が新しく開発され、変わっていく時期で、その地面の下に埋もれた記憶や命があるんじゃないかと着想しました」と明かす。

笠松は「台本を読ませてもらって、監督といろんな話をして、現場で撮影して、完成した映画を観て、その都度、作品に対する見え方、感じ方がどんどん変わっていきました。(公開を迎えて)今日でまた、僕の中でのこの作品の“置き方”が変わると思います」と語る。阿部は「初めて台本を読ませていただいた時、正直、文章だけでは理解しきれないと思ったし、そこが魅力のひとつだなと感じました。監督の中のイメージが明確で、それを映像として完成させていくというのは、役者にとって楽しい過程であり、どんな現場になるのか?興味がそそられる脚本でした」と振り返った。

自身が演じた漫画家の草介という役について、笠松は「基本的に僕でした。漫画を描いてるけどうまくいかないし、探し物も見つからない――結構、自分と近くて、無理なく等身大でやれました」と明かす。

一方、阿部は草介が出会うミドリと、漫画の中の登場人物の梢の二役を演じたが「(2つの役が)まるで違う役柄で、キャストも現場の雰囲気も全然違ったので、『二役の共通点を見つけなきゃ』という感覚もなく、監督の描くイメージの中に登場する二役をいただいて、その中で何ができるのか? ということを考えて、脚本、キャストのみなさんに助けていただきました」と語った。

笠松、阿部は今回が初共演。現場ではあまり話す機会がなく、また大自然での撮影で笠松は疲労がたまり、間の時間も休んでいることが多かったそうだが「そんな時、阿部さんがそっと栄養ドリンクを買ってきてくれて、本当に優しい人だなって思いました」とニッコリ。

一方、阿部は笠松を「縁の下の力持ちでチームを引っ張ってくれる存在」と評し、それを象徴するシーンとして、笠松が阿部をおんぶするシーンを挙げ「何段もある階段を何度も何度も上ったり降りたりしてくださったんですが、全然、弱音を吐かず、ずっと私を背負いっぱなしで、この映画も背負って、私も背負ってくれました」と称賛の言葉を贈った。

撮影のクランクアップから、コロナ禍という激動の2年を経て公開を迎えたが、笠松は本作への参加、そしてこの2年を振り返りつつ「僕は、この作品でお仕事を辞めようと思ってたんです。自分には向いてないと思って…」と衝撃の告白!「だから、この作品を一生懸命やりたかったし、この仕事に挑んでいる時の僕のマインドと、いまの僕にとっての映画やドラマというものの価値が、僕の中で全然違っていて…。価値観が変わる前、がむしゃらに一生懸命にやっていた頃の最後の作品であり、2年経って、そういう僕をこうやって観ていただけて、こういう場があって、本当に嬉しく感慨深いです」と思いの丈を語る。

笠松はさらに、自身も大好きだという本作のラストシーンについて触れ、主人公の置かれた状況について「ロマンチックだし、残酷」と評しつつ「僕自身もそうだったなって思います。もしかしたら、すごく大きな夢の中にいたのかもしれないけど、僕はあの時、この仕事について『もう無理かも』と思っていて、僕の精一杯は届かないと思っていました。でも2年経ってこうやってたくさんの人に観てもらえて、これからもっともっとたくさんの人に観てもらえるように僕もならないといけない。いい映画に出会わせていただけて、こういう状況でこういう機会をいただけたことが嬉しいですし、こうやってお会いできたことがすごくいい時間だなと思えて幸せです。ありがとうございます」としみじみと感謝の思いを口にし、温かい拍手の中で舞台挨拶は幕を閉じた。

『リング・ワンダリング』 渋谷シアター・イメージフォーラム他全国順次公開中
©2021リング・ワンダリング製作委員会 配給:ムービー・アクト・プロジェクト

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