2019年12月に中国の湖北省武漢市で初めて発生が確認され、2020年に入ってから世界的流行(パンデミック)を引き起こした新型コロナウイルス。過去に未知のウイルスの脅威や感染拡大を描いたパニック映画やサスペンス映画は国内外にいくつか存在したが、本作は世界規模で人類が経験した新型コロナウイルスを事実に基づく物語としてオリジナル脚本で映画化した日本で初めての作品である。このたび映画『フロントライン』として2025年6月に劇場公開が決定し、メインキャスト4名が解禁となった。監督は映画『生きてるだけで、愛。』(2018)で劇場長編映画デビューし、二作目となる『かくしごと』(2024)が第49回報知映画賞で最多ノミネートされた関根光才監督。
本作では、ダイヤモンド・プリンセス号が横浜港に入港した2020年2月3日から乗客全員の下船が完了した2月21日までが描かれる。未知のウイルスに立ち向かう災害派遣医療チーム(DMAT:Disaster Medical Assistance Team)の指揮官・結城英晴を演じた小栗旬は、本作出演を決めた理由を「(新型コロナウイルスと)戦った人たちがいるという物語に非常に引き込まれましたし、映画として作るべきものだなと感じた」とコメント。さらに本編を鑑賞して「すごく力のある映画でした。全員が主役の映画になっており、参加できたことを誇りに思います」と本作への自信を覗かせた。また共演者について「(松坂)桃李くんは一緒の現場にいてくれる安心感が強かった」、「(26年ぶり共演の窪塚は)若い頃から僕にとってはヒーローみたいな俳優さんなので今回肩を並べさせてもらってやっと願いが叶った」、「(池松は)とっても尊敬する俳優さんなので目の前で芝居見れてラッキーって思っているくらい」と嬉しそうに語り、「今回共演した方々は元々リスペクトのある俳優さんばかりなので僕からしたらこんな幸せな場所はない」と現場を振り返った。
小栗演じる結城と対策本部でぶつかり合うこととなる厚生労働省から派遣された役人・立松信貴を演じた松坂桃李は「映像化して形に残すという事に参加する意義があるなと思い、お話をいただいた時に是非やらせてくださいという思いがあった」と当時の率直な思いを振り返った。初共演だった小栗については「一人一人に対して真摯にコミュニケーションを取っていらっしゃるし、現場での立ち姿も含めて、小栗さん全体が作品を包み込もうとする、そういう温かさを持った方。それがすごく(小栗演じる)結城とリンクする部分」と小栗が演じる主人公に重ねて見ていたことを明かした。本編鑑賞後には「観た方の中に記憶として残り、この映画を心の中で持ち続けられるような作品になってほしいです」と改めて本作に込めた想いを語った。
地元である岐阜に家族の残し、横浜に駆けつけたDMAT隊員・真田春人を演じた池松壮亮は、出演を決めた理由を「自分がフロントラインに行って何が出来るかわからないけれど、少しでもあの時にあった事を追体験するべき」と語り、愛する家族を残し、船内で診察を続ける医師を演じるにあたり「それぞれに家族があって、様々な背景があって、色んな思いを持ってあそこに立ってくれていたこと、そういう事が自分の身体を通して浮かび上がってくる事を目指した」と役と向き合う自身の思いを明かした。本編鑑賞後には「大クラスターに立ち向かった名もなき勇者たちの奮闘にスポットを当て、コロナによって浮き彫りになる様々な人間性を映し出し、思いやりや善意という人に与えられた希望を浮かび上がらせ、深く心に残る物語になっていました」と自身が演じた役と物語を重ねてコメント。
小栗が演じる結城とは東日本大震災でもともに活動し、“戦友”とも呼べる過去を持つ仙道行義を演じた窪塚洋介は「旬が声をかけてくれて、新型コロナウイルスの話なんだけど興味があるかって。ちょっと警戒したんだけど台本に感銘を受けて、これはぜひやりたい」と小栗からの出演オファーだったエピソードを披露。本編鑑賞後には「とても素晴らしい作品でした。皆で乗り越えたコロナ時代がまだ生々しいので、登場人物たちそれぞれ色んなシーンでたくさんの思いが溢れて涙に変わりました」と当時と重ねて本編に涙したとコメントを寄せた。
シズルリール:https://youtu.be/t_xdWBeDGgU
また、ビジュアルと同時に解禁されたシズルリールは、劇場予告編や本編のダイジェスト映像と違い、本編映像、メイキング映像、メインキャスト4人のインタビューで構成された先行特別映像。 冒頭、誰もいない船内の廊下に「事実に基づく物語」の文字が浮かび上がり、DMAT 指揮官の結城(小栗)が出動要請の電話を取るところからはじまる・・・。
映画『フロントライン』 2025年6月 全国公開
配給:ワーナー・ブラザース映画 ©2025「フロントライン」製作委員会